メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

アメリカ

トルコとイラクによる「発展の道プロジェクト」

今、トルコで話題になっている大きな国家プロジェクト、一つは「Zengezur Koridoru(ゼンゲズル回廊)」と言われるプロジェクトで、トルコとアゼルバイジャンを道路と鉄道で直結させようというものだが、アルメニアかイランのいずれかを通過しなければならな…

エプスタインというエロ事師

www.cnn.co.jp 年明けに「故エプスタイン氏の関連文書が公開」というニュースが報じられていた。 米国の富豪エプスタイン氏は、児童への性的な暴力で逮捕され、拘置所で自殺したことが知られている。 知己の富豪や有力者へ売春を斡旋していた疑いもあり、そ…

トルコがスウェーデンのNATO加盟を承認

トルコがようやくスウェーデンのNATO加盟を承認した。 そのため、米国も懸案となっていた戦闘機の売却を承認したと伝えられているけれど、この戦闘機の件やテロ対策など表向きの理由の他に、トルコが承認を先延ばしにしてきた要因はなかったのか? 一方…

米国に20年前イラクへ侵攻した当時の「力」は未だ残っているのか?

21年前、米国によるイラク侵攻が迫った2002年12月30日、トルコのラディカル紙に、ネシェ・ドゥゼル氏(女性)がトルコ海軍の退役中将アッティラ・クヤット氏にインタビューした記事が掲載されていた。 クヤット氏は、この戦争にトルコは米国と共に…

アメリカは200年の歴史しか無い子供だ!

2019年以来、トルコ軍は「Pençe Operasyonları(鉤爪作戦)」と呼ばれる一連の越境作戦を北イラクで展開している。 これは北イラクを根城にしているテロ組織PKKを壊滅させるための作戦で、PKKは既にトルコ国内からほぼ一掃された状態であるという…

「911」以降の世界

「911」から22年が過ぎた。当時、私はアダパザル県クズルック村にある邦人企業の工場でトルコ語通訳として働いていた。41歳だった。 事件と翌日の報道を見た時の驚きは、以下の駄文にも記している。 今、振り返ってみると、あの頃から米国の様子がど…

来年(2023年)の標語は「ヤンキーゴーホーム」?

12月29日、トルコ・シリア・ロシア3カ国の国防相がモスクワで会談したと報じられた。 トルコとシリアは関係正常化のため水面下で交渉を続けて来たそうだが、いよいよ国防相らが顔を合わせる段階に至ったことで、来年の早い時期にエルドアン、アサド両大…

「妄想は知的行為全般の母である」(『田中宇の国際ニュース解説』より)

「コロナ騒ぎ」が始まって以来、私はこの騒ぎに何か裏があるのではないかという陰謀論めいたことも考えて来たけれど、上記の田中宇氏の論説「米諜報界が中国のために作る世界政府」は、そんな私の小さな想像力など吹き飛ばしてしまう迫力である。 田中氏は、…

ウクライナ戦争の行方は?

トルコの報道を見ていると、欧州はかなり難しい状況にあるらしい。特に、天然ガスをロシアからの輸入に頼っていたドイツは、この冬をどうやって乗り切るかが大きな課題になっているという。それでも、対ロシア経済封鎖を推し進めようとする米国に従っている…

トルコの報道番組で論じられているウクライナ戦争の問題/ロシアから最も近い所にある米国の核兵器は?

朝の出勤前は、食事したりしながら、YouTubeでトルコの時事報道番組を見ていることが多い。トルコにはニュース専門局が何局もあって、ニュースと共に2~3時間に及ぶ長い時事討論や時事解説の番組を放送している。トルコに居た頃は、そういった番組を最初か…

第三次世界大戦の可能性?

ウクライナ戦線で苦境に立たされたロシアが部分的動員令を宣言したという。もっとも、ウクライナの方は、もとより男子の海外渡航まで禁じる総動員の態勢で臨んでいた。 トルコの軍事評論家らによれば、ウクライナが攻勢に転じたのは、米国が射程距離の長いミ…

多民族帝国の崩壊と国民国家の成立は何をもたらしたのか?

6月末に姫路のジュンク堂で購入したのは中公新書の「スターリン」だけじゃなかった。 そのもう一冊「さまよえるハプスブルク」もこの長期休暇を利用して読もうと思っていたが、結局、後半の部分はざっと読み流しただけで一応読了ということにした。 カバー…

様々な陰謀論:コロナ~安倍元首相暗殺事件~ギュレン教団

先日、母が入所している鹿児島の施設を訪れた際、PCR検査を受けたと記したけれど、あれは「抗原検査」と言われるものだったらしい。PCR検査であれば直ぐに結果を得られるはずがないそうである。 この抗原検査の精度はかなり怪しいという。だから、私が…

国民に我慢を強要できる国・できない国/トルコのNATO問題

米国はロシアを内部から揺さぶるために、プーチン氏に対するネガティブキャンペーンを展開しているようだけれど、これにどれほどの効果が期待できるだろう? 選挙を実施していない中国よりは多少期待できるのかもしれないが、ロシアの選挙は余り公正とは言え…

米国は未だ「官軍」なのだろうか?

この「弱肉強食の世界と国家の利益」という駄文を記した2017年の時点で、私は米国こそが「官軍」であると何の疑いもなく思っていた。 2年前でも、その思い込みに大きな変化はなかった。韓国が中国に接近して北朝鮮との交流を深めて行くのは危険な賭けに…

「米国が躓いたその時、手に棍棒を握りしめた多くの国が待ち構えている・・」?

ロシアのウクライナ侵攻から既に1ヵ月が経過した。このまま泥沼化してしまうのか予断を許さない状況であるらしい。 米国はこれを機会にNATOの結束を図りたいようだが、それは決して思い通りに行かないだろうとトルコの識者らは論じている。そもそも、N…

ピークを過ぎれば後は夕暮れが訪れるだけなのか?

英国は、コロナが既にピークを過ぎたとして、規制をほぼ撤廃すると発表したそうだ。英国に限らず他の欧米諸国でも、続いて規制を解除して行くのではないかと言われている。 トルコでも、コジャ保健相が「コロナは既に風邪」と発言したという。 もしも、この…

米国はチェス、中国は囲碁?

ウガンダのエンテベ空港が中国資本によって接収される可能性が話題になっている。 このニュースを聞いて、2ケ月ほど前にYouTubeで視聴したトルコの時事討論番組を思い出した。 この番組でメテ・ヤラルという元軍人(少佐)のジャーナリストが、あるドラマで…

「911」から20年 /ムスリムと西洋 /ヒロシマの仇?

あの「911テロ事件」から20年が過ぎた。 事件は、陰謀説も含めて、様々に論じられてきたけれど、私にはパキスタンの物理学者パルヴェーズ・フッドボーイ氏による「ムスリムと西洋」という論説が非常に興味深かった。読んで直ぐに強い印象を得たのは、学…

Of Amerika! Of!Of!

表題の「Of」は、「United States of America」の「of」ではない。英語じゃなくてトルコ語の「of」である。 トルコには、まず「Of(オフ)」という地名がある。このオフは黒海地方トラブゾン県の東端に位置している。 黒海地方の人々は、トルコでしばしば小…

韓国とトルコのクーデター/徴用工裁判に対する青木理氏の発言

あの忌まわしい「7月15日のクーデター事件」から5年が過ぎようとしている。 バイデン大統領が選挙前に、「クーデターで倒せなかったエルドアンを選挙で倒さなければならない」と発言したこともあり、トルコではクーデターの企図に米国が関与したのではな…

世界の歴史は大きな変化を迎えるのだろうか?

90年代の初め頃だったと思う。ロッテの創業者である辛格浩(重光武雄)氏がインタビューに答えた記事を雑誌か何かで読んだ。 当時の韓国には、様々な面でもの凄い勢いが感じられたため、「あと10年~20年もすれば日韓の立場は逆転してしまうのではない…

「弱肉強食の世界」(ジェノサイド)

《2017年1月12日付け記事の再録》 昔、「カスター将軍の第7騎兵隊」をモチーフにしたアメリカ制作のテレビドラマが日本でも放映されていた。1960年生まれの私が、小学校3~4年生の頃に観ていた記憶があるから、おそらく60年代の後半だったの…

世界は多極化するのだろうか?

米国の中東専門家で元CIA局員だったグラハム・フラー氏が自身のサイトに掲載した「トルコは制御不能か?」という論説の最後には以下のように記されていた。 「・・・米国は国際政治の中で支配的な力を徐々に失っていくため、新しい地域的なパワーを認めな…

日本もトルコも大国の狭間で難しい?

トルコは冷戦の期間を通して西側の一員に数えられていた。NATOにも加盟している。親米国と言っても良かっただろう。 しかし、あまり忠実な親米国ではなかったようだ。1960年のクーデターで処刑されてしまったメンデレス首相は、ソビエトへの接近を試…

中国に対する憧れと恐れ

私の中国に対する思いはなかなか複雑である。 まず、中国を意識し始めたのは非常に早く、小学生の頃、NHKの「中国語講座」の冒頭だけを良く観ていた。テーマ曲の「白毛女」のメロディがとても気に入ったからだ。 当時は、白毛女に限らず、ああいったエキ…

ブッシュ大統領に投げつけられた靴

SNSに、この「ブッシュ大統領へ靴が投げつけられた場面」がシェアされていた。 2008年の12月、イラクを訪れていたブッシュ大統領がバクダッドの記者会見場で、イラク人の記者から靴を投げつけられた場面である。 当時、トルコでは、その靴の製造元…

栄枯盛衰とはこうして繰り返されて行くのか?

日本では「超過死亡率」が例年を下回ったそうである。つまり、コロナも含めて様々な要因による死亡者の数が少ないのだという。それでも政府は「緊急事態宣言」の延長を協議しているらしい。 おそらく、現在「ロックダウン」等を敢行している国々は、超過死亡…

米国が介入した不可解な選挙?

米国の大統領選挙に大規模な不正があったという「陰謀説」も下火になったようだけれど、米国が他国の選挙に介入したり、政府の転覆を図ったりした「陰謀」は、イラン・コントラ事件のように後から露見してしまった例も見られる。 トルコでは、2016年の「…

選挙による民主主義の限界?

「米国では直接選挙によって国民が大統領を選ぶ」と言うけれど、その選択肢は共和党と民主党の候補に限られているようだ。 候補者はそれぞれの党から様々な段階を経て選ばれるため、余りにも非常識だったり、「国家の機構」と対立したりするような人物が出て…