アメリカ
「トランプの新たな中東ビジョン」というコラム記事で、ベルジャン・トゥタル氏は、米国による「中東とイスラム世界に対する占領とカオスの戦略」は1991年に始まったと記している。 1991年、ソビエトの崩壊により「冷戦」が終結した。 冷戦とは言う…
サバー紙のベルジャン・トゥタル氏は、5月31日付けのコラム記事「トランプの新たな中東ビジョン」で、トランプ大統領が5月13日にリヤドで明らかにした主張を紹介している。 これに先立って、他のトルコ・メディアでも、以下のような、5月13日のトラ…
昨日(5月31日)のサバー紙に掲載されたベルジャン・トゥタル氏のコラム記事「トランプの新たな中東ビジョン」がとても興味深かったので、以下のように拙訳してみました。 1970年トルコ東部のアール県生まれのトゥタル氏は、エスニック的にはクルド人…
「春分の日」は、イランで「新年祭」として祝われるそうだ。ペルシャ語では「ノウ(新しい)ルーズ(日)」と言われ、これがトルコ語化して「ネヴルーズ」となり、やはり「春の祭典」として祝われて来たという。特に、南東部のクルド地域では、非常に重要な…
トランプ、ゼレンスキー両大統領の会談が「喧嘩別れ」に終わった事態は、日本でも大きな話題になっていた。 その後、ロンドンで欧州各国の首脳と会談したゼレンスキー大統領は、結局、「米国との協定に応じる用意がある」と発言して、強気な態度から一気に後…
「ガザ地区を米国が占領・支配する」というトランプ大統領の発言に対し、ルビオ国務長官は「多くの国がガザ地区の状況に懸念を表明するだけで、具体的な行動を起こそうとする国は少ないため、大統領は行動を促そうとしているのだと思う」といったように応じ…
《2019年10月10日付け記事を再録》 深層国家(deep state)という表現は、米国でも使われているそうだけれど、これはトルコ語の「derin devlet(深層国家)」に由来しているらしい。 この「derin devlet(深層国家)」が、トルコでいつ頃から使われ…
トランプ氏の大統領就任が17日後に迫っている。 トルコでも、トランプ大統領の就任は様々に論じられているようだけれど、昨年の12月6日、アイドゥンルック紙に掲載されたアドゥナン・アクフラット氏のコラム記事が非常に興味深く思えた。 親中国・親ロ…
トランプ次期大統領は厚生長官にロバート・ケネディ・ジュニア氏を指名したという。 これに対して、日本の一部のメディアは、ケネディ氏が反ワクチンであり、予てよりの陰謀論者だと批判的に伝えている。 しかし、伯父と父親を暗殺されたケネディ氏が、事件…
トランプ氏の当選は、トルコに限らず、他の中東諸国でも概ね歓迎されているという。 かつて、トランプ氏がイスラムフォビアを煽っていたことを考えると奇妙な感じもするけれど、『あれは選挙用の発言』と了解されていたのかもしれない。 反グローバリズムと…
米国の大統領選挙でトランプ氏が大差で勝利し、ひとまずホッとしている。前回のような騒動になる気配はなさそうである。 無事に就任して、まずは公約していたウクライナ戦争の終結を速やかに実現してもらいたい。 そして、前の就任期間中には達成できなかっ…
エルドアン大統領が参席したBRICSの総会で、トルコのBRICS加盟は見送られたようである。プーチン大統領との会談でも特に議題へ上がることはなかったらしい。 会談で最も重要なテーマとなったのは、トルコを天然ガス供給のセンターにする案件だったという。こ…
トルコの報道によると、ギュレン教団のフェトフッラー・ギュレン師は滞在先の米国ペンシルバニア州で死亡したことが確認されたそうである。 しかし、トルコでは多くの識者が、今後もテロ組織であるギュレン教団に対する警戒を緩めてはならないと論じている。…
2004年の10月、ラディカル紙に掲載された「トルコはマイノリティーの寄せ集まりである」というコラム記事で、テュルケル・アルカン氏(故人)は以下のように述べていた。 「我々はかつて世界の中心に胡座をかいていた。有史以来、侵略者や移民、十字軍…
トルコでグローバル化(küreselleşme)が話題になり始めたのは、いつ頃からだろうか? 私が初めてトルコを訪れた1991年には、当時のオザル大統領が進めて来た民営化等による経済開放政策と共にグローバル化(küreselleşme)という言葉が聞かれていたかも…
この「移民の人たちとの交流」という駄文に、 「一方、土葬を望むパキスタンの人は、彼らの要望が日本の多様化の進展に寄与するはずだと発言しているけれど、このように押しつけがましく言われると流石に引いてしまう。」 なんて書いてしまったけれど、日本…
現在の米国を中心とする世界秩序が乱れて、急激な変化が起きた場合、私のような低所得者は真っ先に痛手を受けることになる。 例えば、「米ドルの暴落」などを想定して、貯蓄を「金」に切り替えた人もいるそうだが、貯蓄の無い私はどういう対策を講じたら良い…
トルコのBRICS加盟問題は、政府が何らかの発表を行う前に「加盟を申請」といった報道が先行し、様々に論じられていたけれど、どうやら加盟の実現が濃厚になってきた。 先達て、国連総会のために訪米したエルドアン大統領が「BRICSへ加盟してもNATOから離脱す…
川口市のクルド問題、やはり最も気になるのは、上記の駄文で取り上げた「テロ組織であるPKKが日本へどのくらい浸透しているのか」という疑念である。 PKKがトルコからの分離独立を掲げて、テロによる武力闘争を続けて来たのは紛れもない事実だが、おそらく世…
コロナ騒ぎも4年を過ぎたというのに、「発熱しなくても危険」などと言って、未だに危機を煽ろうとする人たちがいるらしい。 これによって、「ワクチン接種を継続させる」あるいは「パンデミック条約を締結する」といった狙いがあると言われているけれど、何…
イランとイスラエルが「戦争」に突入するのではないかと話題になっているけれど、トルコの識者の多くは、結局、見せかけだけの挑発で終わると見ているようだ。 「イランとイスラエルはお互いを必要としている」と論じる人もいる。 上記のブログにも記したよ…
トランプ前大統領の暗殺未遂事件、同様の衝撃的な事件後の報道がそうであるように、様々な仮説が論じられていて、実際に何が起こったのか皆目見当がつかない。 まるで衝撃により舞い上がった土埃で一寸先も見えない状況のようだ。 土埃が収まってから良く見…
安倍元首相が暗殺されてから、いよいよ2年が過ぎようとしている。 しかし、今もって真相が判然としたわけではないらしい。まだ裁判も始められない状況で、逮捕された山上氏は未だに勾留中であるという。これは非常に異例な事態と言えるそうだ。 問題は、果…
90年代の初頭、私が初めてトルコへやって来た頃は、「クルド問題」に興味を懐き、そのためにトルコを訪れる日本の人たちも少なくなかった。 北イラクで独立闘争を繰り広げていたバルザーニ氏の一族とタラバーニ氏の一族や双方の対立について、私も色々なこ…
今、トルコで話題になっている大きな国家プロジェクト、一つは「Zengezur Koridoru(ゼンゲズル回廊)」と言われるプロジェクトで、トルコとアゼルバイジャンを道路と鉄道で直結させようというものだが、アルメニアかイランのいずれかを通過しなければならな…
www.cnn.co.jp 年明けに「故エプスタイン氏の関連文書が公開」というニュースが報じられていた。 米国の富豪エプスタイン氏は、児童への性的な暴力で逮捕され、拘置所で自殺したことが知られている。 知己の富豪や有力者へ売春を斡旋していた疑いもあり、そ…
トルコがようやくスウェーデンのNATO加盟を承認した。 そのため、米国も懸案となっていた戦闘機の売却を承認したと伝えられているけれど、この戦闘機の件やテロ対策など表向きの理由の他に、トルコが承認を先延ばしにしてきた要因はなかったのか? 一方…
21年前、米国によるイラク侵攻が迫った2002年12月30日、トルコのラディカル紙に、ネシェ・ドゥゼル氏(女性)がトルコ海軍の退役中将アッティラ・クヤット氏にインタビューした記事が掲載されていた。 クヤット氏は、この戦争にトルコは米国と共に…
2019年以来、トルコ軍は「Pençe Operasyonları(鉤爪作戦)」と呼ばれる一連の越境作戦を北イラクで展開している。 これは北イラクを根城にしているテロ組織PKKを壊滅させるための作戦で、PKKは既にトルコ国内からほぼ一掃された状態であるという…
「911」から22年が過ぎた。当時、私はアダパザル県クズルック村にある邦人企業の工場でトルコ語通訳として働いていた。41歳だった。 事件と翌日の報道を見た時の驚きは、以下の駄文にも記している。 今、振り返ってみると、あの頃から米国の様子がど…