メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2019-01-01から1年間の記事一覧

トルコの初の国産自動車

今、トルコは「初の国産自動車」の話題で持ち切りらしい。これは、昨年の6月に設立された「TOGG(トルコ自動車合弁事業グループ)」が製造した電気自動車で、2022年より量産体制に入るそうだ。 しかし、ウイキペディアのトルコ語版「Vikipedi」のページ…

日本統治時代の朝鮮

私は、1989年の9月から4ヵ月ぐらいの間、日本で韓国から来る旅行者の案内もしていた。サムスンやLGといった大企業が送り込んでくる“研修旅行者”の団体が顧客だった。 一度、5~6人の小グループを、自分でワンボックスカーを運転しながら案内して、…

アルメニア教会の美しい讃美歌

クリスマス期間を迎えて、街角にクリスマスツリーが飾られているのを見たりすると、イスタンブールのクリスマスを懐かしく思い出してしまう。 イスタンブールには、歴史的なイスラム教のモスクも多いが、趣のあるキリスト教の教会も少なくないのである。特に…

中曽根元首相 ~ 全斗煥元大統領

中曽根御大の凄い所は政権が終わりあの百譚寺に事実上監禁されていた全元大統領夫妻にCDと羊羹と冬の服を送ってその後も毎年軽井沢に招待した事である。日本語はJPやTJがもっと上手いかも知れないが一番大事にされた関係は全大統領かも知れない。— Yongmin K…

開明的なイスラムの先生たち

2004年の3月、南東部のビトゥリス県で、妻子ある従兄と不倫して妊娠した未婚の女性が、部族社会の掟に従った実の弟に撃ち殺されるという衝撃的な事件が報じられた。 しかし、この15年の間にも、産業化・都市化がさらに進んだトルコでは、部族社会の解…

オスマン帝国の西欧化 ~ 英国のボリス・ジョンソン首相

ジャズやロックのレーベルとして知られているアトランティック・レコーズの創業者アーメット・アーティガン氏は、オスマン帝国の有数なイスラム教指導者の家系であり、やはりアトランティック・レコーズのプロデューサーだったアリフ・マーディン氏に至って…

なんという誕生日なのか!

今日は、今年の4月に亡くなった友人の誕生日だったらしい。友人が登録していたSNSに「お祝いのメッセージを・・」と告知されていた。そして、実際に「お誕生日おめでとう!」というメッセージが「友人たち」によって書き込まれている。 私が来年6月の誕…

何故、人は宗教を必要とするのか?

何故、人が宗教を必要とするのかについて論じた書物を読んだ中で、今までもっとも納得させられたのは、この「漱石の『行人』」に出て来る『山を呼び寄せるモハメッドの話』」だった。 モハメッドは人々に「山を呼び寄せて見せる」と約束し、それを実行に移そ…

愛国歌

94年頃、イスタンブールで出会ったロシア人の青年は、ソビエトが大嫌いだったと言うのに、私が「ソビエト国歌」の冒頭をちょっと口ずさんで見せたら、スクッと立ち上がって最後まで朗々と歌い、「でも、この歌だけは好きだった」と話していた。 「ソビエト…

「トルコ人は生まれない・・・」

韓国語は、もとより仕事に使える技術として身に着けるつもりで勉強し始めた。トルコ語にそういった明確な目標があったわけじゃない。当初は一年ぐらいトルコで勉強して日本へ帰り、また韓国関連の仕事へ戻ることも考えていた。 それが何故、20年以上関わる…

韓国からトルコへ

フィギアスケートのザギトワ選手は、競技活動の停止を発表しながら、「(人生は)常に何か満たされないものがあるべきだ。スタートの状態に戻りたい」と語ったそうだ。全てやり遂げてしまった達成感が、このような心境に至らせたという。 ザギトワ選手に限ら…

エルドアン大統領と気が合う世界の指導者

先日、アンカラのビルケント大学で、エルドアン大統領が講演し学生の質問に答えた場面をYouTubeで視聴した。 学生の質問は「トルコの近代史や世界の歴史において好きな指導者は誰ですか?」というものだったらしいが、司会者はこれに「貴方の精神世界を作る…

イスラムの社会性?/ギュレン教団の宣教活動

2017年の2月頃だったと思う。トルコの時事討論番組でイスラム神学者と思われる出演者が、「ISやギュレン教団が、何故、あれほど歪な信仰に囚われているのか? それは彼らに“祖国”という概念がないからだ」と語っていた。 左派らしい出演者は、呆れか…

何故、宗教を信じるのだろう?

パキスタンの物理学者パルヴェーズ・フッドボーイ氏は、2001年に著した「ムスリムと西洋 - 9 月 11 日の後」という論説の中で、「イスラム教は- キリスト教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、あるいは他のすべての宗教と同様- 平和についての宗教ではない。 …

イスラムの問題/優越と劣等の葛藤

2015年の12月に“Haberturk”で放送された番組でメルヴェ・カヴァックチュ氏(女性)は、アメリカのイスラムフォビアを変動局面的な問題であるとして、かなり楽観的に見ていたものの、ヨーロッパのイスラムフォビアは、過去の植民地史の清算といった側面…

イスタンブールに有ってパリやローマには無いもの・・・

朝、三ノ宮へ向かう電車の窓から外の景色を眺めていると、須磨の辺りで朝焼けの海の美しさにイスタンブールを思い出したりする。 沖合いに多数の船舶が停泊している模様がイスタンブールのマルマラ海を想起させているのかもしれない。マルマラ海の沖合には、…

民族と国家:イスラム史の視角から

1991年に初めてトルコへ渡航する前、東京都内でトルコ語の講座に通ったことはあるものの、それ以外にトルコの歴史や宗教について特に学んだりしたわけではない。 そういった分野の知識は、その殆どが渡航後にトルコ語の新聞等を読みながら得た雑学で成り…

ユダヤとイスラム

ユダヤ人とイスラム教徒は、豚肉の禁忌など共通しているところが多い所為か、西欧の各都市では隣接する地区に住んでいる場合が少なくないそうだ。 血を禁忌とするのも共通しており、そのため、屠殺の際に頸動脈を切って充分な血抜きを行う。イスラム教徒はユ…

三ノ宮のシナゴーク

北野坂近くにあるユダヤ教のシナゴークは、階段の手すり等が錆びついていたりして、あまり手入れが行き届いていない様子だった。 7~8年前だったか、イスタンブールのタクシムで、ユダヤ系日本人という方に声を掛けられて驚いたことがある。なんでも、ロシ…

神戸モスク / 東京ジャーミー(モスク)

三ノ宮の「神戸モスク」には、私の他にも多くの見学者が訪れていた。イスラムに関心のある人が多少は増えているようだ。 東京の「東京ジャーミー(モスク)」は、トルコ共和国の宗務庁が管理しているので、イスラムばかりでなくトルコ文化の広報にも努めてい…

正教のミサ

昨日、正教会の日曜ミサは10時ぐらいになってから始まった。典礼は独特な抑揚による日本語で進められていたけれど、これはロシア語の典礼の抑揚を基調にしているようだった。 日本の正教会はロシアの司祭によって伝道されたため、ギリシャ正教ではなく、ロ…

三ノ宮の宗教ツアー?

昨日は夜勤が終わると、三ノ宮から北野坂にかけての辺りを歩いてみた。 まず、その存在を知って以来、気になっていた正教会の聖堂を訪れて見たけれど、少し時間が早かった所為か、日曜ミサは未だ始まっていないようだった。 この教会から1分も歩かない所に…

傀儡国家の失敗

ウイキペディアで満州国の項目にざっと目を通したところ、「満州国に国籍法はなかった」という記述が出て来た。二重国籍を認めない日本からの移民を増やすためだったそうである。 それどころか、日本統治下の朝鮮にも「日本の国籍」を明確に規定するものはな…

日韓併合~満州建国

1910年の日韓併合については、韓国の識者の中から一定の評価を与える意見も出ているようだが、現在の日本の立場でこれを擁護するのは難しいだろう。国際世論からも非難されるのではないかと思う。 なにより、韓国の人たちにとって、併合は非常に屈辱的な…

反日種族主義~戦後の平和という虚構

「反日種族主義」という本が話題になっている。著者の李栄薫教授は、これを「韓国人の自己批判書」と説明したそうだ。書評を読むと、かなり画期的な内容らしいが、韓国の人たちが歴史等について自己批判的な発言を試みるのは、もちろんこれが初めてではなか…

質素倹約派と贅沢三昧派?

ネパール人就学生らと接していて、もう一つ気になることがあった。平気で食べ物を捨てる人が多いのである。コンビニで買い込んで来たパンや弁当を送迎車の中で食べ、半分近く残してゴミ箱へ入れてしまう者もいた。 あまり「もったいない」という感覚がないよ…

ネパール~トルコの喫煙事情

この頃、外国の人たちと出会う機会が殆どない毎日の中で、福岡のネパール人就学生たちとの交流を懐かしく思い出しているけれど、当時、気に障って堪らなかったのが、彼らの喫煙率の高さだった。 もっとも、私も20代の頃は喫煙者だったから、それほど文句も…

鶴橋のコリアタウン

福岡では、ネパールやベトナムの就学生らと一緒に働きながら、いろいろ新しい見聞を得ることもできた。ところが、こちらへ越して以来、全くそういう刺激がない。この街に、外国の人たちは殆ど住んでいないようである。なんだか、寂しい感じがする。 勤務地は…

オスマン帝国の秘宝探し?

一昨日、トルコの古い友人から電話があった。「コンクリートの中に埋まっている金属を透写できる機器が日本にあるはずだ」と言う。 また、何か金儲けのネタでも考えているようだ。 「昔、金属探知機で地中の秘宝を探した人たちがいたけれど、そういう話?」…

シリアのアサド政権の存続?/ハタイ県のアンタキア

これから、シリアの問題がどのようになるのか解らないが、仮に、トルコ政府がアサド政権の存続を認めて問題が解決されたとしても、それほど驚くべきことではないかもしれない。 2005年に、かつて敵対していたトルコとシリアが急速に友好を深めた時も驚か…