メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

大晦日

年末のイスタンブールは「大雪」という予報が出ていたものの、大晦日の今日は薄曇り、昨日は冷たい雨が雪になっていることもあったが、濡れた地面に落ちて直ぐ融けてしまった。思えば去年は今頃「大雪」で、元旦は一面銀世界になっていた。明日はおそらく、…

政治家には“良い人”が多い?

30~35年ぐらい前の記憶で、例によってあやふやだが、ラジオの番組で松山千春氏がリスナーから寄せられた手紙を紹介していた。手紙の内容は、「某政治家と身近に知り合ったら、意外と腰が低い好人物なので驚いた」というような話だったけれど、これに対…

ギュレン教団/上海協力機構・ユーラシア派

ギュレン教団は、70年~80年代、防共政策の一環として、軍部等トルコ国家の中枢から密かな支援を受け、こういった国家機構の内部へ、教団のメンバーが少しずつ浸透して行ったのではないかと言われている。「浸透というより、誤った国家戦略によって公然…

陰謀論

1960年5月の軍事クーデターで処刑されてしまったメンデレス首相は、長らく「独裁者」の烙印を押されてきた。しかし、内乱といった状況があったわけでもないのに、クーデターで簡単に政権の座から引きずり降ろされてしまう「独裁者」が何処にいるのだろ…

エルドアン大統領とギュレン教団

エルドアン大統領が、この数年来、進めて来たシリア対策は、結局、失敗に終わったけれど、行き詰ったと見るや、大胆な転換を図れる柔軟性は、支持派以外の識者からも評価されている。こういった柔軟性というか、現実的な対応は、「クルド和平プロセスの凍結…

シリアの停戦

(12月23日) トルコとロシア、イランは、「アサド政権の維持」で停戦に合意したというが、これはどのくらい持続性のある“停戦”なのだろう? トルコへ逃れた300万に及ぶと言われる「シリア難民」の大半は、「アサド政権がある限り、国には戻らない」…

暗殺事件の背景

カルロフ大使暗殺犯とギュレン教団の繋がりは、かなり明らかになってきたようだけれど、果たして犯行に教団の指示があったのかどうか、その辺りは未だ判然としていないらしい。仮に教団の指示があったとしても、その背後でCIAが関与していたとは考えにく…

2頭の象が・・・

「2頭の象が争えば、草地は踏み荒らされる。しかし、この2頭が愛し合ったら、下の草地は潰されてしまう」と語った東南アジアの政治家がいたそうだ。トルコの立場も、そういう草地に例えられるかもしれない。カルロフ大使暗殺の実行犯には、ギュレン教団系…

アンカラでロシア大使が暗殺される

昨日(12月19日)、アンカラで凶弾に倒れたロシアのカルロフ大使は、非常に謙虚な人柄で知られ、普段から護衛を伴わずに行動していたそうだ。要請があれば、トルコ政府は各国大使に護衛をつける規定になっていて、アメリカの大使はトルコの護衛官が、イ…

ホジャパシャ・ピデジスィ

一昨日(12月17日)、ベシクタシュから帰る途中、シルケジに寄って、ピデを食べてきた。ピデは、おそらくピタパンの“ピタ”と同じ語源で、要するにトルコ風のピザである。もっとも、ピタやピデの方が歴史は古いみたいだから、トルコの人たちに言わせれば…

ベシクタシュのテロ現場

昨日(12月17日)、エキストラ配給エージェントから面接を受けて来るように言われて、ベシクタシュにある映像制作会社のオフィスを訪れた。こうやって指示通りに面接を受けていれば、5回に1回ぐらいは採用されることもある。 オフィスは、12月10日…

エルドアン大統領が宿泊していたホテル

「7月15日のクーデター事件」から数日後、ニュース番組で、エルドアン大統領を狙ったクーデター部隊によるホテル襲撃の状況が報じられていた。 警護官の宿泊していた部屋に残る銃弾の痕などが映し出されていたけれど、部屋の様子は余り高級なホテルとも思…

暗殺のリスク

昨日(12月15日)、日本を訪れたロシアのプーチン大統領、到着が2時間以上遅れたため、その理由を巡って様々な憶測が飛び交っている。予定時間を守らない行動には、襲撃といった不測の事態を避ける狙いもあるような気がするけれど、どうなんだろうか?…

日本人は金持ち?

月曜日(12月12日)、スルタンアフメットの街は閑散としていたけれど、それでも何度か、客引きから片言の日本語で呼び止められた。今や、東洋人の旅行者は、中国や韓国の人たちばかりで、日本人は殆ど来ていないのに、まだ客引きの主要言語は、日本語の…

スルタンアフメットのインド料理屋

一昨日(2016年12月12日)、スルタンアフットを歩いていて、7~8年前に一度、カレーを御馳走になったインド料理屋の前を通り過ぎたら、あの寒さの中、外のテーブルにも一組、トルコ人のお客さんたちが座っていた。3ヶ月ほど前も、ヒルトンホテル…

代理戦争

2016年12月10日、イスタンブールのベシクタシュで発生した爆破テロは、PKKの関連組織が犯行声明を出したそうである。しかし、トルコでは、これを「欧米が仕掛けている代理戦争」の一部と主張する識者も少なくない。欧米は、PKKやギュレン教団…

いつもの日曜日・・・

昨晩(12月10日)、ネットから視聴できるニュース専門局で、憲法改正に纏わる討論番組を観ていたところ、そこへ爆破テロに関する第一報がもたらされた。暫くして、炎が燃え上がるベシクタシュ付近の現状も映し出されていたが、その時点では、規模や詳細…

草入りチーズ

トルコには色んな種類のチーズがあるけれど、他所にない特色があって、格別に美味しいのは、先ずこの「オトゥル・ペイニル(草入りチーズ)」じゃないかと思う。主にチャイブ(西洋アサツキ)という植物が使われているそうだが、チーズと共に発酵を遂げてい…

ギュレン教団の陰謀

今(2016年12月)、トルコで最もエキサイティングなテーマと言えば、それはやはり「ギュレン教団の陰謀」じゃないかと思う。怪しげな尊師に率いられた教団は、40年に亘り、軍や司法を始めとする国家機構にメンバーを入り込ませて、最終的には国家を…

布団の長さに合わせて足を延ばせ

トルコ・リラ(TL)が下落し、トルコの経済は厳しい状況を迎えているけれど、「これぐらいが身の丈に合いそうだ」なんて声も聞かれる。製造業は、リラ安になれば、却って輸出が増えるのではないかという。そもそも、まだ高品質で勝負できるような段階には…

湯沸かし器から水漏れ?

先週の月曜日(28日)、湯沸かし器の縁から、水がポタポタ漏れ始めたかと思ったら、暫くして湯沸かし器は、アラームを点灯させたまま作動しなくなってしまった。水漏れは、湯沸かし器下の赤いコックを捻ったら止まったものの、器内の水圧も低下していて、…

トルコはヨーロッパじゃないかもしれないが中東とも異なる

福沢諭吉が「文明論之概略」を著した明治8年、その記述の中に、諸外国の事情を誤って伝えた部分があるとしても、当時の読者の多くは、それに気づきようもなかったに違いない。ところが、今日、トルコに関する情報が、誤って日本へ伝えられた場合、如何に無…

アメリカ大統領の選挙を中東で行ったらどうだろうか?

11月26日付けカラル紙のコラムで、イブラヒム・キラス氏は、西欧のポピュラーな歴史雑誌が、「もしも、こうなっていたら?」という仮定をテーマとして良く取り上げるのに対し、トルコでは、何故、それが余り試みられていないのか説明していた。キラス氏…

ガラタ塔~カラキョイ

昨日、タクシムから、夕闇の迫るイスティックラル通りを抜けて、カラキョイの船着き場まで歩いた。 途中、ライトアップされたガラタ塔を見上げながら、暫く佇んでいると、トルコ語ではない言葉を話す人たちも、何組か傍らを通り過ぎて行った。観光業界は、相…

ギュレン教団の恐ろしさ

今年(2016年)は、1月12日のスルタンアフメット自爆テロに始まり、6月28日のアタテュルク空港襲撃に至るまで、4度に亘って、凶悪なテロ事件がイスタンブールで発生した。しかし、ギュレン教団の企てによる「7月15日のクーデター」が制圧され…

クルド問題の行方

90年代に、「分割の脅威」を叫び、「クルド人の要求を受け入れてはならない」と論じた人たちが恐れていたのは、「当初の要求を受け入れると、後からハードルを上げられて次々に要求された挙句、最終的には分離独立を許してしまうことになる」というものだ…

分割とイスラム化の脅威

90年代のトルコでは、分割とイスラム化の脅威が叫ばれていた。イスラム化を目論んでいると見做された政党は、司法の介入によって解党されても、軍事介入で政権の座から引きずり降ろされても、それは致し方ないことだった。クルドの言語と文化の解放を要求…

クルディスタン州

2013年の3月、エルドアン首相(当時)は、ジャーナリストらの質問に答える報道番組で、「2023年、首相だったならば、その時は州制度を提議する」と述べている。 クルド問題が解決に最も近づいた頃でもあり、エルドアン首相は、民主主義の発展と地方…

マルディン市長アフメット・テュルク氏の逮捕

先週土曜日(11月26日)のヒュリエト紙のコラムで、ムラット・イエトゥキン氏は、逮捕されたクルド人政治家アフメット・テュルク氏と面会するために、マルディンを訪れたデニズ・バイカル前CHP党首の談話を伝えていた。それによると、バイカル氏はマ…