メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

偽りても賢を学ばんを(平和は妥協の産物)

「・・・狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。驥を学ぶは驥の類ひ、舜を学ぶは舜の徒なり。偽りても賢を学ばんを、賢といふべし」と徒然草の 八十五段に記されていた。だからと言って、偽りで善を行う者まで「善…

憲法改正と「クルド和平プロセス」

(1月29日) 1980年の軍事クーデターによってもたらされた憲法には、改正不可という条項が存在している。 主に「世俗主義」といった共和国の体制に纏わるもので、ラディカルなイスラム主義者、あるいは共産主義者などでもなければ、これに異議を唱え…

政界の御意見番?

憲法改正の要点となっている「大統領制」に、第一野党のCHPは、もちろん強く反対している。しかし、前党首のデニズ・バイカル氏は、保守派の論客アヴニ・オズギュレル氏のインタビューに答えて、フランスでは、大統領の権限強化に反対したミッテランが、…

エルドアン大統領と閣僚の意見の相違

トランプ大統領と閣僚らの間に、早くも意見の相違が見られるという話が伝えられているものの、トルコでは、エルドアン大統領と閣僚の意見の相違など、以前から珍しくもなかったような気がする。例えば、エルドアン大統領が、「EUなどもう必要ではない」み…

憲法改正

(1月26日) 「強化された大統領制」を含む憲法改正案が、議会の票決で、国民投票の実施を可能にする得票に達した。国民投票は、3~4月に行われるらしい。 現行の憲法は、80年の軍事クーデターによってもたらされたもので、大統領には、退役軍人が就…

解体屋と産廃屋は大儲け?

タクシム広場から旧日本総領事館の方へ、ギュムシュスユの坂を下り始めると、直ぐ右側に「CVK Park Bosphorus」という超豪華ホテルがある。2013年の3月にオープンしたそうだけれど、私がこのホテルの存在に気がついたのは、2015年の4月になってか…

昨年、「サウジアラビアがグレゴリオ暦(西暦)を採用」というニュースがあった。サウジアラビアでは、女性の自動車運転を認める意見も王族から出ているそうだ。やはり、このインターネットの時代に、厳しい戒律を一方的に押し付けるのは、もう難しくなって…

スポーツ精神

雑誌か何かで読んだ話だけれど、日本のスポーツ選手の多くは、相手に反則があると、それを審判にアピールして防ごうとするものの、欧米の選手などは黙って同じ反則をやり返すという。これでは、なんだかスポーツの精神に反しているような気もするが、“スポー…

ロシア/韓国

西部劇で得られたイメージの所為か、私は子供の頃、インディアンが居住していたのは、アメリカの西部だけだと思い込んでいた。実際は、東海岸、今のニューヨークの辺りにも、多くの先住民が暮らしていたという。 南米では、スペイン・ポルトガル系の人々と混…

アメリカの春

アメリカでは、トランプ大統領の就任に反対する、激しいデモが各地で発生しているそうだ。サバー紙のメフメット・バルラス氏は、1月20日付けのコラムで、これを「アラブの春」に例えながら、「アメリカの春」と呼んで皮肉っていた。バルラス氏は、201…

トランプ大統領

トランプ大統領の就任によって、中東やトルコを取り巻く状況は、いったいどう変化するのだろう?昨日(1月20日)、ニュース専門局(NTV)の番組で意見を求められたアリ・サイダム氏(イエニ・シャファック紙)は、次のような“ハジュ・ベクタシュの小話”を…

女優や俳優にも多いエルドアン嫌い

映画やテレビで活躍する女優や俳優にも、やはりエルドアン嫌いの左派が多い。最近の若手や叩き上げの役者さんはともかく、正規の芸術学部(コンセルバトゥワール)を卒業して、舞台でも活躍しているような“正統派”には、エルドアン嫌いが圧倒的に多いのでは…

映画やテレビの業界

最近は、以下のような例外も多くなってきたのではないかと思われるが、映画やテレビドラマ等の制作に携わるスタッフは、やはり、その殆どがエルドアン大統領を激しく嫌う左派じゃないだろうか。↓とはいえ、もともとそういう傾向の人たちが、この業界を目指す…

ナイトクラブ襲撃犯の逮捕

(1月17日) イスタンブールのナイトクラブを襲撃した犯人が逮捕され、トルコは言うまでもなく、日本のメディアでも取り上げられている。 メディアに掲載された写真を見ると、犯人の顔には殴られたような痕があり、実際、犯人の顔が足で踏みつけられてい…

エルドアン大統領とポピュリズム

トルコでは、インテリや芸術家といった人たちの多くが、エルドアン大統領を激しく嫌っている。しかし、エルドアン大統領は、大衆的な人気に支えられて、選挙を勝ち続けて来た。この大衆は、「イスラム的な保守層」と一括りにされたりしているけれど、信仰の…

鳥の糞と宝くじ

トルコには、「鳥に糞をかけられた後で、宝くじを買うと良く当たる」なんていう妙な俗説がある。「悪いことがあれば、良いこともある」と前向きに考える発想は結構だが、買った宝くじが外れた場合、もっと落ち込んでしまうような気もする。昨日(1月14日…

大雪の後

イスタンブールは大雪の後、気温が上がり、雨も降った所為で、雪はかなり解け始めている。大雪が降っている間は、本当に寒かった。最高気温が-1℃なんていう日もあった。とはいえ、私の家は、暖房も効いていたので、難なく過ごせた。心配した停電は、1月1…

また冷戦の時代を迎えるのか?

今日(1月13日)のサバー紙のコラムで、メフメット・バルラス氏は、トランプ次期大統領が、アメリカの諜報機関等を制御できなければ、世界は再び冷戦の時代を迎えるかもしれないと述べている。ティラーソン国務長官候補の公聴会では、民主党のみならず、…

弱肉強食の世界

昔、「カスター将軍の第7騎兵隊」をモチーフにしたアメリカ制作のテレビドラマが日本でも放映されていた。1960年生まれの私が、小学校3~4年生の頃に観ていた記憶があるから、おそらく60年代の後半だったのではないかと思う。 19世紀の西部で、勇…

日本とアメリカの友好

88年、韓国語を学んでいたソウルの語学学校で、同じ教室にいたアメリカ人の青年は、休み時間に、日本の漫画を読みながら笑ったりしていた。韓国語ばかりでなく、解らないふりして、日本語も密かに勉強していたのだろう。もちろん、韓国に留学していた青年…

イスタンブール大雪

金曜日の夜半から降り始めた雪、昨日の日曜日は降ったりやんだりだったが、今日(1月9日)、またさらに勢いが増したかのように降り続いた。現在、こちらの時間で、1月9日の19時半、小降りになったものの、まだやむ気配を見せていない。今日に続き、明…

陰謀と情報操作

所謂“陰謀説”みたいなものは、大概、少し“眉唾”で聞いておくべきじゃないかと思うけれど、かつて南米などで起こったクーデターやテロの中には、既にCIAの謀略が露見してしまったものも少なくないという。しかし、アメリカの内部で暴露されない限り、弱小…

最後の悪あがきなのか?

4日ほど前、ネットでニュース専門局の番組を観ていたら、コマーシャルに入ったので、他局に切り替えたところ、ちょうど元MIT(国家情報局)のジェマル・アルパスラン・エルトゥーという人物が、テロ事件の背景について話していた。エルトゥー氏によれば…

イスタンブールは大雪

昨冬は、なんだか雪の当たり年だったような気がするので、『今冬は余り降らないだろう』と期待していたけれど、今日はとうとう大雪になってしまった。2015年は2月の後半になってから、記録的な大雪が降ったものの、昨冬よりは雪が少なかったのではない…

ナイトクラブ“レイナ”

襲撃されたナイトクラブの“レイナ”には、2005年の夏、マルマライの工事現場の人たちと出かけたことがあった。日本から出向していた職人の親方やトルコ人作業員の面々であり、「7月15日クーデター」で兄弟を失ったオカンも来ていた。↓ レイナは、中央…

ショッピングモールの警備員

現在、トルコで民間の警備員に拳銃の携帯が認められているのは、銀行などの限られた施設だけらしい。そのため、襲撃されたナイトクラブの警備員は拳銃を携帯していなかった。カラシニコフを乱射しながら突入してきた襲撃犯に、拳銃での対抗が可能だったとは…

ナイトクラブ襲撃で犠牲になった方たち

オルタキョイのナイトクラブ“レイナ”の事件、犠牲者に外国の方が多かったため、「キリスト教徒が標的にされた」という説も出ていたが、サウジアラビアの人が7人もいたりして、犠牲者の大半はイスラム教徒のようだった。西欧出身の犠牲者は、カナダ人1人、…

悪夢のような年明け

イスタンブールは、悪夢のような年明けを迎えてしまった。深夜の1時半頃、オルタキョイのナイトクラブが銃撃され、朝8時10分現在、死者は39人、その内の16人が外国人と伝えられている。犯人は逃亡した模様で、未だ背後関係等は殆ど明らかになってい…