メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

解体屋と産廃屋は大儲け?

タクシム広場から旧日本総領事館の方へ、ギュムシュスユの坂を下り始めると、直ぐ右側に「CVK Park Bosphorus」という超豪華ホテルがある。
2013年の3月にオープンしたそうだけれど、私がこのホテルの存在に気がついたのは、2015年の4月になってからだった。それまでは、ギュムシュスユの坂を下りることが余りなかったのか、さもなければ、いつもあさっての方向を見ながら、坂を下りていたのだろう。
『結局、ホテルになったのか・・・』と感慨深く思いながら、ホテルの様子を写真に収めるわけでもなく、そのうち忘れてしまったが、昨年末の12月30日、ホテルの前を通りかかってまた思い出した。
感慨深かったのは、このホテルの建設が、20年以上中止されたままになっていたからだ。
ホテルは、80年代に、23階建ての計画で建設が始められたものの、18階まで工事が進んだ89年に、「景観を壊す」という申し立てにより、工事は中止され、その後、93~94年にかけて、10階削って、8階建てにする解体工事が行われた。
私は、94年の夏、トルコを離れて帰国し、98年に戻ってきて、そこが8階建てのホテルになっているのかと思ったら、解体後の資金繰りがつかなかったのか、コンクリート剥き出しの建設中止状態で、汚らしい立体駐車場として使われていた。
建設工事を再開したのは、2011年というから、約22年間に亘って、コンクリート剥き出しで放置されていたことになる。解体工事によっても、打撃が加えられていただろうし、建物の構造に傷みはなかったのかと心配になってしまう。
93~94年に、解体工事が進められている頃は、破砕されたコンクリートを運び出すダンプが現場の前にずらりと並んでいた。私は日本で、産廃のダンプをやっていたこともあるから、『解体屋と産廃屋は大儲けだなあ』と思いながら、その大いなる無駄に呆れ果てるばかりだった。
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