メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「7月15日クーデター」の司令塔?

「7月15日クーデター事件」で司令塔の役割を果たしていたのは、アディル・オクスズというギュレン教団系の宗教学者ではないかと言われてきた。 オクスズは、事件発生の翌日、アンカラの空軍基地付近で身柄を拘束されたものの、クーデターには加わっていな…

民族自殺?

北朝鮮の建国者である金日成が、1945年の9月、ソビエト軍と共に帰国するまでの前半生は、あまり明らかになっていないらしい。そのため、かつて韓国政府は、北朝鮮をソビエトの傀儡政権と見做して、「北傀」と呼んだりしていた。しかし、韓国で初代大統…

トルコを取り巻くテロの脅威

トルコの多くの人たちが、欧米に対して激しく憤っている最も大きな要因は、PKKやギュレン教団といったテロ組織が、欧米で相変わらず庇護されている状況にあるのではないかと思う。先日、スイスのベルンでは、公然とPKK支持者らがデモを行い、「エルド…

クルド問題とAKPのジレンマ

憲法改正の国民投票で、AKPとMHPの票が集まった場合、軽く60%を超えてもおかしくないけれど、MHPからは相当な離反票が出るのではないかと言われている。一方、AKP側にも、賛否を未だ決めかねている支持者は少なくないらしい。また、南東部で…

エルドアン大統領のナチス発言

ドイツ政府をナチス呼ばわりしたエルドアン大統領の発言には、支持派の識者の中からも「ナチスが何を意味するのか解っているのか?」という批判の声が上がっている。昨日、ニュース専門局“CNNトルコ”でインタビューに応じたエルドアン大統領は、これに対…

分断国家の研究/ソウルの中国人旅行者

1987年~88年にかけて、韓国語を学んでいたソウルの延世大学語学堂で、初級クラスの頃じゃなかったかと思うが、同じ教室に若いドイツ人の女性がいた。なんでも、分断国家の研究をしていたそうで、韓国へ来る前には、台湾と中華人民共和国でも研究に携…

ドイツに対する危惧

また性懲りもなく勝手な無駄話を続けてしまったけれど、ある程度は真面目に考えて書いていた。何と言っても、20世紀から現在まで、堂々と突っ張って、そのまま押し通せた国は、アメリカ以外になかったはずだ。やはり日本は、歴史と現実の状況に、少し怯え…

堂々としたドイツと屈折した日本?

先日、トルコのニュース専門局の討論番組で、ある識者が次のように語っていた。「EUに合理性をもたらしていたのはイギリスだった。そのイギリスが抜けてしまった後には、ドイツの民族主義的なロマンティズムだけが残った。これから、EUは大変なことにな…

悪い政治家

昭恵夫人はともかく、さすがに安倍首相は、長い政治活動の中で、胡散臭い奴をたくさん見てきただろうから、直感もかなり働くんじゃないかと思うけれど、なんとなく、育ちの良さに由来する“人の好さ”が感じられて仕方がない。もちろん、育ちが良くても阿漕な…

ファーストレディ

1991年にトルコへ来てから、5人の大統領が就任しているけれど、各大統領夫人の顔は、今でも全て思い浮かべることができる。*訂正:オザル大統領は、89年から在任中だったので、91年以降に就任したのは4人の大統領。積極的な言動で、常に注目を集…

外国人ジャーナリストが見たイスタンブール

2006年の8月、イスタンブール市の文化局が、「外国人ジャーナリストの見たイスタンブール」という本を出版している。この本は、22人の外国人から寄せられた「イスタンブールの印象記」をもとに編集されていて、その22人の中に、どういうわけか私の…

ミクシー

(3月16日) ミクシーに加入したのは、2006年の12月だから、以来、既に10年になる。その後、フェイスブックやらツイッターにも加入したけれど、私にとって最も有効なSNSは、ミクシーだったような気がする。 一時期は、本欄の駄文をミクシー日…

オランダは寛容だったのか?

3月13日付けカラル紙のコラムで、ハーカン・アルバイラク氏が、オランダについて書いている。 ドイツで生まれ育ったアルバイラク氏は、子供の頃、オランダに住んでいる親戚のもとへ、良く連れて行ってもらったらしい。 ある日、オランダの街で、兄とドイ…

オランダ/トルコの歌手の日本公演と「聖教新聞」

1991年、イズミルでトルコ語を学んでいた頃、同じ教室に若いオランダ人女性がいた。姓名を思い出せないが、姓の前に「ヴァンデル」が付いていたのは良く覚えている。彼女の説明によると、これは、オランダで貴族の出身であることを示すそうだ。その時、…

西欧が望んでいるのは「エルドアンのいないトルコ」?

オランダの事件は、チャヴシュオウル外相やサヤン・カヤ家族社会政策相が、憲法改正の国民投票を前にして、オランダ在住のトルコ国民へ支持を呼びかけるため、現地入りしようとしたところ、オランダの当局がこれを妨げたのが発端だった。ドイツやオランダを…

ロッテルダムの修羅場

(3月12日) トルコのチャヴシュオウル外相が、オランダへの入国を拒否されたのは、日本でも報じられたようだ。 しかし、トルコでは、それよりも、家族社会政策担当相のファトマ・ベテュル・サヤン・カヤ氏(女性)が、ドイツから陸路でロッテルダムに入…

政治意識の高いトルコの人々

1~2ヶ月前だったか、ジャン・パケル氏がニュース専門局の番組で「トルコの民衆」について語っていた。ジャン・パケル氏は、トルコのエスタブリッシュメント的な知識人と言って良いかもしれない。 1980年の軍事クーデターで政権を掌握した軍部は、現在…

財界人と先生/韓国とトルコの相違

最近の韓国では、サムスンの李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の逮捕にも驚いた。連行する際、手錠をかけて縄で縛っていたのは、見せしめの為だったに違いない。韓国の財界人は、日本に比べて、あまり社会的な尊敬を得られていないような気がする。日本にも、贈…

韓国大統領罷免!

韓国の大統領弾劾裁判、最近は、弾劾に反対する人たちのデモも勢いを増して来たようだから、弾劾は否決されるかもしれないと期待していたものの、結果は周知の通りである。5月に実施されるという新大統領の選挙では、やはりムン・ジェイン氏のような左派の…

韓国の徴用工像

湾岸戦争の頃、日本の雑誌で、ある文化人が、ホンダの創業者・本田宗一郎の無鉄砲さについて述べた記事を読んだ。今、はっきり思い出せないが、「本田氏の手は、自ら誤って打ち下ろしたハンマーの打撃で、歪に変形していた。・・・その無鉄砲さによって、戦…

シムシェク副首相のクルド語

昨日(3月7日)、ニュース専門局CNNトルコに出演したシムシェク副首相は、憲法改正や経済に関する見解を述べた後で、キャスターから「クルド語もそのぐらい話せるんですか?」と訊かれて、「もしもそうであれば・・・」と苦笑いしていた。シムシェク副…

国際女性デー

(3月8日) 今日(3月8日)は、「国際女性デー」らしい。昨日、AKPのイズミル女性支部が主催した「国際女性デー」の会合では、ユルドゥルム首相のスピーチもあり、その模様がニュース番組で報じられていた。 スピーチの中で、ユルドゥルム首相は、A…

デスクの陰からバットをちらつかせる?

(3月7日) 先日、地下鉄の駅で、野球のバットを2本、ビニール袋に入れて持ち歩いている中年男性がいたので、驚いて「ベースボールするんですか?」と訊いたら、「いやあ、これは私が扱っている商品なんですよ」と言う。 トルコには、おそらく野球場もな…

展覧会の絵

一昨日、友人に「只で酒が飲めるよ」と誘われて、ある展覧会のオープニングに出かけて来た。絵画の良し悪しについては全く解らないが、一枚、ちょっと面白い絵が展示されていた。和服を着た女性が縄で縛られ、両足を露にされている図である。作者の女性に訊…

石原慎太郎

87年に語学留学したソウルの下宿で、部屋の片隅に「月刊文藝春秋」が山積みにされていた。以前に下宿していた日本人留学生が残して行ったそうである。 その「文藝春秋」に、石原慎太郎氏の連載エッセイがあり、私はそこで初めて石原氏の文章に接した。他に…

対岸の火事?

北朝鮮のミサイル発射は、トルコのメディアでも大きく取り上げられている。今年に入ってから、北朝鮮の問題に限らず、「中国とアメリカが衝突するのではないか?」といった極東全体の情勢が良く話題になっていたけれど、この一件で一層「極東」に注目が集ま…

民族問題の難しさ

この川崎の産廃屋の寮で、私を在日の韓国人と勘違いして、「日本人というのは随分おかしな連中だな。おまえもそう思わないか」と訊いた沖縄出身のKさんは、「自分のことを日本人だとは全く考えていない」と明らかにしていた。 彼は、沖縄から本土へ出て来る…

凄い爺さん?

34年ほど前、上記の産廃屋にいた頃、寮の部屋で、私より15~17歳年長の先輩二人、青森県出身のヤマさんと岩手県出身のサトウさん、そして、私より3歳ほど年下で暴走族あがりという20歳の青年エンドウ君と無駄話をしていた。 つけっ放しになっていた…

犬たちの行進?

昨日(3月1日)、カドゥキョイで、3~5匹の犬に追いついたり追い越されたりしながら歩いて、短い距離だったけれど、なんだか心が癒された。イスタンブールに住んでいると、街中に野良がたくさんいるから、わざわざ犬を飼う必要もないような気がする。近…

波には弱いが霧には強い?

昨日、濃霧のために欠航した海峡連絡船、シルケジとアジア側のハーレムを結ぶカーフェリーも同様に欠航していたけれど、民間の会社がやっている小さな連絡船は、まだ運航しているようだった。と言っても、シルケジの海岸で、アジア側から来たと思われる小さ…