１９９１年にトルコへ来てから、５人の大統領が就任しているけれど、各大統領夫人の顔は、今でも全て思い浮かべることができる。
＊訂正：オザル大統領は、８９年から在任中だったので、９１年以降に就任したのは４人の大統領。
積極的な言動で、常に注目を集めているエミネ・エルドアン現大統領夫人は言うまでもなく、故オザル大統領のセムラ夫人や故エジェビット首相のラフシャン夫人も忘れ難い印象を残している。
しかし、日本の歴代首相夫人を思い出そうとしたら、野田前首相の夫人でさえ、全く印象に残っていない。覚えている方はどのくらいいるだろうか？
そのため、安倍首相の昭恵夫人は、初めての「ファーストレディ」らしい首相夫人ではないかと思って、結構ミーハー的に喜んでいた。
謙虚な人柄が伝えられていたし、なにしろとてもチャーミングな女性だから、外遊先で日本のイメージアップにも貢献して来たのではないかと思う。
それだけに、今回の事件は非常に残念である。
私のように本人が胡散臭い奴は、あの森友学園のおじさんが何か喋っているのを“YouTube”でチラッと見ただけでも、『うわっ、こいつは胡散臭いぞ』と感じてしまうけれど、子供の頃から上品な人たちに囲まれていると、そういう直感は育たなくなるのかもしれない。
しかし、幼稚園児たちに、「安倍総理を支えている昭恵夫人ありがとう」なんて言わせているのを見たら、さすがに「ヨイショされている」と気が付いても良さそうなものだ。
私は日頃へこまされてばかりいるので、たまに褒めてもらったりすると、それに対して感謝の言葉を述べながらも、警戒モードを全開にして、『何か裏があるんじゃないか？』と疑い、なかなか素直にはなれない。
ところが、人間、始終ヨイショされ続けていれば、その内に耐性が出来て、ちょっとやそっとのヨイショじゃ、びくともしなくなってしまうらしい。
