メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

エルドアン

政治家には「良い人」が多い?/何事にも慎重なエルドアン大統領?

40年ぐらい前の記憶で、例によってあやふやだが、ラジオの番組で松山千春氏がリスナーから寄せられた手紙を紹介していた。 手紙の内容は、「某政治家と身近に知り合ったら、意外と腰が低い好人物なので驚いた」というような話だったけれど、これに対する松…

トルコにおけるクルド人とイスラムの問題

《2023年6月18日付けの記事を省略修正して再録》 トルコの米国に従わない姿勢が顕著になった2013年以降、トルコに対するネガティブな報道は執拗に続けられてきたのではないかと思う。 いつだったか(3~5年前?)、池上彰氏が司会を務める番組…

スウェーデンのNATO加盟/トルコの議会は承認するのか?

エルドアン大統領がスウェーデンのNATO加盟に賛意を示し、トルコの議会に諮ることを約束したという。 しかし、トルコの議会が開かれるのは10月になってからなので、加盟が議会で承認されるまで、まだ3ヶ月近く待たなければならないらしい。 それでも…

戦い済んで日が暮れて・・・?

大統領選挙の前に「トルコで政権交代か?」などと盛り上がっていた日本のメディアも、エルドアン大統領の再選に意気消沈してしまったのか、トルコに関するニュースはめっきり少なくなった。 選挙が拮抗した戦いであったのは確かだけれど、そもそもエルドアン…

トルコの中央銀行総裁にエルカン氏が就任

トルコの中央銀行総裁にハフィゼ・ガイェ・エルカン氏が任命された。41歳のエルカン氏はトルコで初の女性の中央銀行総裁となる。 メフメット・シムシェク財務相の再任が決まって以来、中央銀行にもシムシェク氏の要望する人事が行われるのではないかと取り…

エルドアン大統領へ投票した人々

2004年3月26日付けラディカル紙の「トルコにおけるムスリムによる政教分離の可能性」というコラム記事で、アヴニ・オズギュレル氏は、「トルコ共和国が複数政党制に移行した1946年以来この方、選挙民の選択は全く変わっていない。トルコ国民の6…

トルコの新閣僚/財務相にシムシェク氏が再任

昨日、エルドアン大統領の就任式が行われ、その後、閣僚の人事が発表された。 留任は文化観光相のエルソイ氏と保健相のコジャ氏のみで、後は総入れ替えとなったが、注目の財務相にはメフメット・シムシェク氏の再任が決まっている。 シムシェク氏はこの難局…

トルコの経済運営を担うのは誰になるだろうか?

トルコでは、再選されたエルドアン大統領の閣僚人事が注目されている。新閣僚は、6月3日の夕方頃明らかになるという。 経済運営を担う閣僚には、メフメット・シムシェク氏の名が挙がっている。しかし、この難しい経済状況の中で、シムシェク氏は敢えて火の…

決選投票でエルドアン大統領の再選が確定

トルコの大統領選挙、決選投票でエルドアン大統領の再選が確定したという。 また、いつものように変な例えで申し訳ないけれど、大相撲の今場所12日目、朝乃山関が2敗に後退した時点で、横綱照ノ富士関の復活優勝がほぼ決まっていたのと同じような感じじゃ…

トルコの大統領選挙・決戦投票で鍵を握るオアン氏の動向

トルコの大統領選挙、5,2%で3位となったスィナン・オアン氏は、国土の統一を脅かすテロ組織PKKやギュレン教団と戦う姿勢を見せていたため、決選投票ではエルドアン大統領を支持するのではないかと言われていたが、どうやら対抗する野党6党連合のクル…

子供たちにお金を配るエルドアン大統領

www.youtube.com トルコの大統領選挙、エルドアン大統領夫妻が有権者としての権利を行使するために訪れた投票所で、子供たちに200リラ紙幣を配っている姿が見える動画は日本のメディアでも放送され、なかなか反響を呼んでいるようだ。 「選挙法違反じゃな…

何故、エルドアン大統領が優勢だったのか?

トルコの大統領選挙、野党6党連合のクルチダルオール氏は何とか決戦投票に持ち込むことはできたものの、エルドアン大統領に明らかな票差をつけられている。 これには様々な要因があげられるだろう。例えば、クルド民族主義政党HDPから支持を受けたことも…

大統領選挙は決戦投票へ

トルコの大統領選挙は、エルドアン大統領が49,42%の得票率に留まり、結局、44,95%で2位につけた野党6党連合のクルチダルオール氏との決選投票が2週間後に行われることになった。 常識的に考えれば、あと5万票(訂正:50万票)を上乗せすれば…

トルコの大統領選挙・直前の波乱

トルコの大統領選挙、野党6党連合の候補クルチダルオール氏は、当選すれば欧米のロシア制裁に加わる意向を示したという。 ところで、つい数日前にトルコのチャヴシュオール外相は、シリア内戦の問題解決に向けて、モスクワで「トルコ・ロシア・イラン・シリ…

「前期エルドアン政権と後期エルドアン政権の対決」?

いよいよ3日後に迫ったトルコの大統領選挙、「共和国の存亡をかけた戦い」であるとか「グローバルなインペリアリズムと伝統的なトルコ国家の対決」などと喧伝されているが、もう一つ、「前期AKP政権と後期AKP政権の対決」という要素もあるのではない…

ケマル・デルビシ氏の訃報/1週間後に迫った大統領選挙

トルコから伝えられたニュースによれば、2001年~2002年にエジェビット内閣の経済担当相を務めたケマル・デルビシ氏が米国で亡くなった。まだ74歳だった。 デルビシ氏は、2001年にトルコが経済危機に陥ると、22年間勤務した世界銀行を辞職して帰国、経済担当…

LGBTの問題/トルコの同性愛者

イスラムの教義で同性愛は禁じられているという。 2009年、女性タレントのインタビューを受けたトルコのイスラム主義者アブドゥルラフマン・ディリパク氏も、「イスラムに同性愛はあるのか?」という問いに対し、「イスラムでは、同性愛に限らず、あらゆ…

「トルコの大統領選挙」果たして結果はどうなるだろう?

2018年7月までトルコ経済の舵取りを任されていたメフメット・シムシェク元副首相が政界へ復帰する可能性は、おそらく無いだろうと思われていた。 しかし、先週になって、エルドアン大統領が「選挙後、シムシェク氏のコーディネーションにより新たな経済…

今回の大統領選挙は「トルコ共和国の存亡」を懸けた戦いになる?

トルコでは、野党6党連合の大統領候補クルチダルオール氏が、6党連合への支持を表明していたクルド民族主義政党HDPのプレヴィン・ブルダン、ミトハト・サンジャルの両氏と会談したことが話題になっているようだ。 (ミトハト・サンジャル氏は、2015…

トルコの大統領選挙/クルド人の動向

5月14日に実施されることが決定したトルコの大統領選挙、ようやく野党6党連合の候補者もCHP(共和人民党)のクルチダルオール党首に決まり、選挙戦は盛り上がってきたようである。 この大統領選挙では、いずれの候補も過半数の票を獲得できなかった場…

トルコのユーラシア主義/それはトルコの道なのか?

トルコのアイドゥンルック紙へ論説を寄稿したユーラシア主義者のアレクサンドル・ドゥーギン氏によれば、ウクライナ戦争以前のプーチン大統領には、いくらか西欧寄りの傾向が見られたらしい。プーチン大統領は西欧との関係を何とか維持するように努めていた…

来年の大統領選挙/親米と反米の闘い?

トルコの野党勢力は、6カ月後に迫った大統領選挙でエルドアン氏が敗北すると断言している。しかし、誰が勝利するのかは明らかにされていない。というのも、野党連合の統一候補は未だ決まっていないからだ。 野党連合は、共和人民党(CHP)・良党(İYİ Parti…

イスタンブール市長に禁固刑の判決

イスタンブールのイマムオール市長が、選挙管理委員を「バカ」と言って侮辱した罪で禁固刑の判決を受けたという。 トルコの選挙管理委員会はヤルグタイ(大審院)等の判事らによって構成されているため、法廷侮辱罪のような認識になるのかもしれないが、2年…

トルコのEV車/デジタル化

トルコ初の国産自動車が、いよいよ量産システムを完成させて、来年の3月には市場にお目見えするという。上記の駄文に、設計はイタリアの「ピニンファリーナ社」によると記したが、これはボディのデザインと製造に関するもので、エレクトリックモーターやコ…

エルドアン大統領とプーチン大統領

来年、トルコでは大統領選挙が実施される。現在の強権化された大統領制は、2017年4月の国民投票で改正された憲法に基づき、任期は5年で2期務めることができる。 2018年6月の選挙で当選したエルドアン大統領は、この大統領制では1期目と見做され…

プラハで開催された欧州政治共同体のサミット/マクロン大統領に冗談を言うエルドアン大統領

今年発足した「欧州政治共同体」の初サミットがプラハで開催された。 トルコのエルドアン大統領とアルメニアのパシニャン首相は、サミットの期間中に会談する予定で、いよいよトルコとアルメニアの関係も正常化するのではないかと期待が高まっている。 以下…

トルコ共和国は地域の平和の要

上記の駄文でお伝えしたように、かつては反イスラム的と思われていた共産主義者のドウ・ペリンチェク氏も今はイスラムを否定していない。それと共に、オスマン帝国の歴史も肯定的に語るようになったのではないかと思う。 ペリンチェク氏に限らず、多くの左派…

上海協力機構首脳会議の会場で腕を組んで歩いたエルドアン大統領とプーチン大統領

ウズベキスタンのサマルカンドで開催された上海協力機構の首脳会議に、NATOの加盟国であるトルコが「対話パートナー」として参加したのは、もっと大きく報じられても良いニュースだったのではないかと思う。 もちろん、トルコでは各ニュース専門局の討論…

スターリンとエルドアン

11日から勤務先は盆休みに入っている。福岡の配送センターも三宮の警備員の職場も年中無休で盆や正月に長期休暇などなかったから何だか奇妙な感じがする。 当初はこの休暇を利用して、東京に行って来る予定だったが、母の容態もあり、いつでも鹿児島へ行け…

プーチン氏の人物像は?

ウクライナの情勢、トルコではアイドゥンルック紙のような親ロシア派のメディアに限らず「ロシア軍の優勢」を伝える報道は当初より散見されていたけれど、この数日、日本でも「ロシア軍が東部を完全に制圧しつつある」というニュースが見られるようになった…