メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

スウェーデンのNATO加盟/トルコの議会は承認するのか?

エルドアン大統領がスウェーデンNATO加盟に賛意を示し、トルコの議会に諮ることを約束したという。

しかし、トルコの議会が開かれるのは10月になってからなので、加盟が議会で承認されるまで、まだ3ヶ月近く待たなければならないらしい。

それでも、トルコの議会はエルドアン大統領を支持する共和連合が過半数を押さえているため、承認は時間の問題と見られているようだが、議会で否決された場合はどうなるのだろう?

実のところ、トルコには、政府が約束したにも拘わらず、重大案件が議会を通らなかった前例がある。

2003年3月、親米政権として発足したばかりのAKP政権は、イラク戦争で米国に協力を約束し、米軍の国内通過を議会で承認させようとしたものの、党内から離反者が出て、それは否決されてしまったのである。

この議会評決に先立って、AKP党首のエルドアン氏と野党CHP党首のバイカル氏が秘密裏に話し合っていたことは、後にバイカル氏によって暴露されている。

どうやら、エルドアン氏は「議会の承認が得られなかった」という弁明で、米国の圧力を巧みにかわしていたようだ。

当時、エルドアン氏のAKPは、単独で過半数議席を持っていたが、現在、AKPは、MHP等と共和連合を組むことによって、ようやく過半数を維持しているに過ぎない。

そのMHPのバフチェリ党首は、早くもスウェーデンの加盟に激しく反対する意思を表明している。

果たして、10月の議会開催まで何が待ち構えているのだろう?

「トルコは3ヶ月間という長い交渉の時間を手に入れた」という見方もある。例えば、その間にウクライナ戦争の終結に向けて大きな進展があればどうなるのか・・・。

何だか緊迫した3ヶ月間になりそうな気配も感じられる。

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