メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコとイランの世俗化

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最近、このようなイランの状況を伝える動画がYouTubeにたくさんアップされている。

動画を見ると、街角を行く女性の多くはスカーフを被っていない。

昨年、スカーフを正しく被っていなかったとして道徳警察に逮捕された女性が死亡した事件の後、大規模な抗議デモが続いたため、イラン政府は道徳警察による取り締まりを中止させたそうだ。実に賢明な処置と言えるのではないだろうか。

トルコで2002年にAKPが政権を取り、「イスラム化が進んで、トルコはイランのようになってしまう」と騒がれていた頃じゃないかと思うけれど、「トルコがイランのようになるのではなく、イランがトルコのようになって行くだろう」と米国の学者が論じていたのをトルコの新聞で読んだ。

いよいよ、この学者が論じた通りになってきたのかもしれない。

果たして、イランの世俗化は今後どのくらい進んでいくのか注目したい。

イランの状況を伝える動画には、街角でスマホをいじっている若者たちの姿が見られるけれど、トルコでもスマホの普及は凄まじい。デジタル化は日本より進んでいるような気もする。

スマホでネットから情報を得ようとする若者は、いったい何に興味を示すのだろう? おそらく、それは世界の何処へ行っても大して変わらないはずだ。

流行のファッションだったり、性的なものだったり、そんなところであるに違いない。

スマホで宗教のページを検索する奇特な若者が増えて行くなんて、どうやって想像できるのか? 

しかし、何処でもそういった若者が一定の割合で存在するのも確かである。

トルコの一部の政教分離主義者は、それさえ認めずに完全な脱宗教化を望んでいるようだが、それは無理というものだろう。

宗教の影響が極めて少ないと思われる日本にも、新興宗教へ入信する人たちはいるのである。