イスタンブールを訪れたゼレンスキー大統領と会談したエルドアン大統領が、「ウクライナはNATO加盟に値する」と述べたのは日本でも大きく報じられた。
しかし、トルコでは、この発言の裏に『テロリストを保護しているスウェーデンは値しない』という含みがあるのではないかと論じられたりしている。
一方、スウェーデンのNATO加盟を望んでいるのは米国であり、加盟を望んでいないスウェーデンは米国との対立を避けながら、加盟交渉を妨げるためにトルコと腹芸を演じているという説も囁かれている。
ウクライナに関しては、トルコが支持したところで、加盟は難しいと思われているので、ロシアもこれを意に介さないのではないかという。
ロシアは、今回トルコがウクライナのアゾフ連隊の捕虜数名をロシアとの合意に反して解放したことに反発を示したそうだが、プーチン大統領が予定通り8月にトルコを訪れるのであれば、その反発も建前に過ぎないのだろう。
8月には、ウクライナ戦争の終結に向けて大きな進展があるかもしれない。この戦争で相当な損害を被っているトルコが、和平に尽力するのは当然のことである。
ウクライナとロシアはもちろん、ヨーロッパの被害も甚大であり、利益を得ているのは米英だけではないかと多くのトルコの識者が指摘している。
ゼレンスキー大統領は、イスタンブールでエルドアン大統領と会談した後、コンスタンティノープル総主教庁でバルソロメオス総主教と面会した。総主教も和平のために祈りを捧げたそうである。
米英が和平を妨害しようとするのではないかと言われているけれど、戦争終結に向けたトルコの調停が実を結ぶように祈りたい。