メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

トルコ語の小説「イエシル・ゲジェ」

昨年の11月以来、長いこと中断していたトルコ語の読書を再開した。レシャット・ヌーリ・ギュンテキンの「イエシル・ゲジェ」という作品。1928年に出版された小説で、オスマン帝国の末期を舞台にしているため、古い言葉がたくさん出てきて、とても難し…

“スレイマン・シャー廟”救出作戦

トルコ軍が、シリアに大規模な越境作戦を敢行して、トルコ共和国の“飛び地”となっている“スレイマン・シャー廟”を警備する兵士らを救出したのは、日本でも大きく報道されたようだ。 これには、トルコとアメリカが、「ISと戦える穏健派反シリア政府勢力の軍…

人間にも社会にも適応力はあるはずだけれど・・・

先日、韓国で社会的な通念の違いに驚かされた思い出を記したけれど、共に語学堂で学んでいた在日韓国人の友人たちも、やはり色んな面で日本と韓国の違いに驚いていたようだ。友人の多くは、2世か3世だったが、韓国の社会を見る視線は、私ら日本人とあまり…

職業に貴賎あり?

27年前、韓国には、何世代も続く老舗の料理屋といったものが、まず見当たらなかった。美味しい料理で繁盛しても、料理屋なんて自慢になる仕事じゃないと思っているのか、一定の資金が貯まると、それを元手に不動産業などを始めたりした。 日本の感覚だと、…

焼肉屋じゃ恥ずかしいのか?

“最後のマッチ工場”、老婦人には事業者としての誇りが感じられたし、従業員の女性も「我が国にある唯一の工場ですから自負心を持って働いています」とにこやかに語っていた。しかし、韓国でマッチの製造に従事していた多くの人たちが、同じように思っていた…

韓国のマッチ工場

昨年の12月14日に放送された韓国のKBSニュースで、韓国最後のマッチ工場が紹介されていた。経営者であるという品の良い老婦人が、「マッチに愛着があるから、この仕事を続けられたのです」と語り、なかなか趣のある内容だった。私はこれをインターネ…

“恋人たちの日”の悲劇

明日はバレンタインデーらしい。91年に初めてトルコへやって来た頃は、この日が近づいても、何か話題になるわけじゃなく、『やっとあの忌々しい日から解放されたわい』なんて思っていたけれど、15年ぐらい前から、この日を祝う人たちがトルコでも増えて…

脱宗教への信念

www.gakushuin.ac.jp この論説に、パキスタンの科学者が、天国の速度を算出したり、精霊からエネルギーを抽出しようとしたりする話が紹介されていた。 日本にも変なオカルト科学者はいるだろうけれど、筆者のフッドボーイ氏が、わざわざそういう極めて希少な…

イスラムの政教分離

さきほど、「私はトルコ以外に、イスラム国を訪れたことがないので・・」と書き出してから、はたと気がついた。これでは、何だか“ISIS”と区別がつかなくなってしまう。かつては、「イスラム教徒が大多数を占める国」程度の意味合いで、“イスラム国”ある…

1978年8月:佐渡島の出来事

1978年、高校3年の夏休みに佐渡島を旅したことがあった。もっとも、佐渡島へ行こうと思って旅に出たのではなくて、上越線を越後湯沢辺り(正確に覚えていない)で降りて、そこからヒッチハイクして行ったら、たまたま新潟港で降ろされたので、ちょうど…

飲酒の問題はクリアされたのか?

昨年末、日本へ発つ前、近所の家電修理屋さんに、「日本の食事で何を楽しみにしているのか?」と訊かれたので、「そりゃ、もちろん日本の酒だよ」と答えてから、「すまんねえ」と言い添えたら、「構わないよ。私らは、もうとっくにそういう問題をクリアして…

ムスリムと西洋 ─ 9 月 11 日の後

ムスリムと西洋 ─ 9 月 11 日の後 ─パルヴェーズ・フッドボーイ (Pervez Hoodbhoy) *翻訳は学習院大学理学部の田崎晴明氏 上記は、パキスタンの物理学者パルヴェーズ・フッドボーイ氏が、2001年に著した論説だけれど、今読み返して、また改めて非常な感…

イスラムは頑張らない宗教

15年ぐらい前だったか、イスタンブールで、ある程度日本語を解するトルコ人女性が、日本人観光客から「イスラム教はどういう宗教ですか?」と訊かれて、「頑張らない宗教です」と即答していた。私は今でもこれに『上手い言い方だなあ』と膝を叩きたくなる…

アブドゥルラフマン・ディリパク氏の講演会

昨日、うちからバスに乗って40分ぐらいの所で、イスラム主義者のジャーナリスト、アブドゥルラフマン・ディリパク氏の講演会があったので出かけてみた。講演会の日程は、5日ほど前、バス停に貼られていたポスターで知った。“ギョヌルデル”という団体が主…