メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

“スレイマン・シャー廟”救出作戦

トルコ軍が、シリアに大規模な越境作戦を敢行して、トルコ共和国の“飛び地”となっている“スレイマン・シャー廟”を警備する兵士らを救出したのは、日本でも大きく報道されたようだ。

これには、トルコとアメリカが、「ISと戦える穏健派反シリア政府勢力の軍事訓練」で合意し、近々ISに対する本格的な地上戦が始まるため、危険にさらされる兵士らを前以て避難させたのではないか、という憶測がトルコでも囁かれているが、だからと言って、イスタンブールにまで危険が及ぶわけじゃないだろう。

でも、「トルコ危ない。旅行キャンセル」という反応は、やはり出てきてしまうかもしれない。

昨日、ヨーロッパ側のイスティックラル通りで、コマーシャルの撮影があり、5時間ぐらいそこにいたけれど、通りかかった東洋人ツーリストの殆どは韓国の人たちだった。既に日本では、旅行のキャンセルが増えているのだろうか? 全く嫌になる。

アメリカの発表では、4月~5月にも、北イラクのモスルを奪回する軍事作戦が実施されるらしい。いずれにせよ、ISISだかISだか色々に呼ばれて来たこの奇怪な連中が、早期に壊滅されることを祈る。

しかし、前にも申し上げたように、私はこのISとやらについて、日本でも報道されているような情報しか持ち合わせていない。『こんな連中が長い間勢力を保てるわけがない』というのは、殆ど“常識的な判断”に基づく。もちろん、こういった“常識”は、時代や社会によって異なってしまう。

トルコの人々が持っている“常識”や“社会的な通念”は、日本のそれと余り異なっていない。そのため、公開の斬首などが伝えられれば、やはり、『ぞっとする』『きちがいじゃないのか?』といった反応を示す。でも、これがそのまま当該地域の社会にも通用するのかどうか、私には良く解らない。まあ、ああいう残虐性に対する嫌悪は、ある程度人類に共通しているのではないかと思うが・・

世の中が何か大きく変わる時には、様々な常識が覆されていくのだろうけれど、私にそれを予知する能力が備わっているとは到底思えない。現状の“常識的な判断”に委ねるよりないのである。