メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

トルコ人の伝統

先日、知人から面白い話を聞きました。黒海地方に元アルメニア人の村があり、その村は何世代か前にアルメニア正教(キリスト教)からイスラムへ改宗して“トルコ人”の村になったものの、バプテスマ(洗礼)のようなキリスト教の伝統はそのまま続けられていた…

クルド人らしい顔? 

1ヵ月ほど前、市内でタクシーに乗ったところ、運転手さんに「俺、日本人に似ていないか?」と訊かれました。 実を言えば、私も乗り込んだ時から、そのモンゴロイド顔が気になっていたので、興味津々に「貴方、何処の出身?」と問い返したけれど、おそらくは…

トルコ人のアイデンティティ

先日、新聞に目を通していたところ、クルド問題に関して、ちょっと気になる記述があり、思わず考え込んでしまいました。筆者の方は、クルドの人々が、自分のルーツや母語を躊躇うことなく表明できる社会を希求しながら、次のようにお書きになっています。「…

子供の塾通い

先日、上記の話でお伝えした天真爛漫なレンタカーの運転手とまた会って、お茶を飲んで雑談してきたのですが、今回は彼の奥さんも一緒でした。 彼は、両親が保守的な南東部ワン県の出身であり、あの取材旅行中、酒の席に同席しても自分は飲まなかったくらいだ…

プレゼント(贈り物)という名の女

もう4~5年前になりますが、「イスヤン・ギュンレリンデ・アシュク(反乱の日々の恋)」というアフメット・アルタン氏の小説を読み進めていた頃の話です。この小説は、以下の駄文でも話題にした「クルチ・ヤラス・ギビ(刀傷のように)」の続編で、オスマ…

風変わりな人々

今、住んでいるエサットパシャは、どちらかといえば保守的で、地方から出て来た信仰に篤い庶民が多く暮らす街ですが、私のような外国人もいるし、中にはちょっと風変わりなトルコ人もいて驚かされます。 例えば、我が家の直ぐ近くにある携帯電話店の経営者。…

社会の信頼と絆

タクシムのバス乗り場では、広いスペースの適当な所にバスが停まる為、バスを待つ人たちは、「サルエル行きは、だいたいこの辺に停まる」と目星をつけ、そこに列を作って待ちますが、時として、そんな列がお互い知らぬ間に二つ出来てしまい、「私たちは、こ…

ドウバヤズィット/イサクパシャ宮殿

「何だもう下りて来たのか、もっとゆっくりしてくれば良いのに」。2時間ほど前に、イサクパシャ宮殿の遺跡まで送ってくれたタクシーの運転手が親しげに声をかけてきた。 1994年の6月、私は、トルコも東の果て、イラン国境に近いドウバヤズィットの町を…