メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

我々は西欧が思っているほど愚かだろうか?/エティエン・マフチュプヤン氏のコラム記事

今日(7月28日)のカラル紙のエティエン・マフチュプヤン氏の記事を読んだら、西欧の冷ややかな態度に苛立つトルコの人たちの気持ちが解るような気がして、私も憤懣やる方なかった。しかし、マフチュプヤン氏は、西欧の態度の背景を冷静に分析して、トル…

クーデター反対で連日連夜の大集会

(7月27日) 先週、サバ―紙のコラムで歴史学者のシュクル・ハニオウル氏は、トルコのクーデターの歴史をオスマン帝国に遡って説き明かしていた。オスマン帝国の時代にもクーデターは何度も起きていたそうだ。 トルコ共和国の21世紀になっても、2002…

トルコの英雄的な国民

(7月26日) 一昨日(7月24日)、CHPがタクシム広場で開催した「クーデター反対集会」について、AKP政権寄りのジャーナリストは、会衆からAKPを罵倒する声が上がっていたとか、クルチダルオウル党首がギュレン教団を名指しで糾弾していなかっ…

無信仰者の意見に対するムスリムの反応   挙国一致でクーデターに反対「いい加減にしろ!」

(7月25日) 私はイスラム教徒じゃないし、キリスト教徒でもない。家の宗派は一応浄土真宗だけれど、「南無阿弥陀仏を唱えれば成仏できる」なんて話も、もちろん信じていない。 神道にも、伝統的な習俗として、あるいは観光的な面で多少興味を感じる程度…

非常事態のエルドアン大統領

非常事態宣言下のトルコで、ギュレン教団系の摘発はさらに拡大しているが、無関係な人まで拘束されてしまう恐れであるとか、何故、今まで摘発が進んでいなかったのかという疑念の声も上がっている。 これに対して、エティエン・マフチュプヤン氏は、昨日(7…

ギュレン教団の忠実なメンバー

今日(7月22日)のカラル紙のエティエン・マフチュプヤン氏のコラムによれば、将軍クラスの軍人の20%が、既に逮捕されているそうだ。クーデターに抵抗したのは、ひとにぎりの英雄的な軍人たちに過ぎず、残りの80%の将軍らは、ただ事態を傍観してい…

非常事態宣言下のトルコ

(7月21日:17時45分)よく理解できていなかったけれど、非常事態宣言は既に今日(7月21日)の未明2時から有効となっていて、今日の国会で承認されるのは「その継続」なのだそうである。期間は3ヶ月と発表された。しかし、ボズダー法相は、1ヶ…

非常事態宣言

(7月21日:12時40分) 昨日、エルドアン大統領は「非常事態宣言」を明らかにした。といっても国会の承認を得なければならないため、「宣言を推奨する」といった曖昧な表現だったが、国会の承認が得られるのは確実と言われている。 既に、ギュレン教…

ギュレン教団/大きな愚かさの中の矮小な知性

(7月20日) 2001年から2014年の5月まで、ギュレン教団系の旧ザマン紙でコラムを担当し、教団の人たちと身近に接していたジャーナリストのエティエン・マフチュプヤン氏が、昨日のカラル紙のコラムに、教団の人たちの印象について記していた。 …

クーデターを企てた軍人はギュレン教団のメンバーだけではなかった

(7月19日) クーデターの企てに関して、昨日(7月18日)の“ハベルテュルク”のニュース番組では、イスマイル・ハック・ペキン退役陸軍中将がキャスターの質問に答えていた。 ペキン元中将は、2007年より、参謀本部情報室の長官として任務に就き、…

稚拙なクーデター/ギュレン教団

トルコのAKP政権寄りメディアの報道によれば、クーデターを企てた一派は、かなり前から入念な計画を練っていたらしい。ところが、軍内部のギュレン教団系への捜査が進んだため、計画を前倒しにして、不充分な準備のまま、クーデターの決行に踏み切ってし…

クーデターの企てとロシア機撃墜?

トルコ政府の発表によれば、クーデターを企てたのは、軍の内部に巣食っていたフェトフッラー・ギュレン教団系の一派であるという。その為、ペンシルバニア州に居住しているフェトフッラー・ギュレン師の送還を、米国政府に強く求めていくそうだ。こういった“…

タクシム広場の共和国記念碑

(7月16日:22時10分)タクシム広場の共和国記念碑の前では、一群の若者たちがトルコの国旗を振り回しながら、歓声を上げていた。クーデターが制圧されたことを祝っているようだった。共和国記念碑は、トルコ共和国の独立を記念したものであり、独立…

今日(7月16日)のイスタンブール

(7月16日:21時40分)クーデター事件も、今日(7月16日)の昼過ぎには一段落ついたようなので、市内の様子はどんなものかとヨーロッパ側のタクシムまで出かけて来た。イスタンブールは平穏を取り戻していたけれど、市バスは未だ動いていなかった…

トルコの最も長い夜

(7月16日:12時15分)昨晩、クーデターを企てた軍の一派は、アンカラで国会や参謀本部等、政府の主要機関に攻撃を加えたという。その過程で、フルスィ・アカル参謀総長が人質に取られたと言われ、一時は安否が取り沙汰された。前回の記事をアップし…

クーデター

昨晩、11時半頃に寝て、朝は6時前に起きた。寝ていたから解らないけれど、イエニドアンは静かな夜だったと思う。コーヒーを飲みながら、のんびりノートブックの画面を見ていて驚いた。昨晩、軍の一部がクーデターを企てたらしい。ネットのニュース専門放…

テロの不安とテロ対策

ニースのトラック暴走の一報を聞いて、まずは8年前の秋葉原の事件を思い出してしまったが、もしもISのような組織によるテロであったとすれば、これを未然に防ぐのは一層難しくなりそうで恐ろしい。もちろん、個人的な犯行であったとしても、恐ろしさに変…

アイスクリームのマグナム

月曜日にバーダット(バクダッド)通りを歩いていて、“マグナム”というアイスクリームのショップを見つけた。 マグナムは、オランダに本社がある“ユニリーバ”というグローバル企業が運営する製菓会社のブランドらしいけれど、日本には未だ進出していないそう…

アングロサクソン的な政教分離?

トルコでは、政教分離主義を“ライクリック”と呼び表し、これはフランス語の“ライシテ”に由来しているそうだ。先日、チャヴシュオウル外相は、シリアに政教分離の新体制を望みながら、やはりライクリック(政教分離主義)という言葉を使っていたものの、これ…

シリアにはアングロサクソン的な政教分離を望む?

3週間ほど前、韓国のKBSニュースを見ていたところ、イスラムを専門とする先生が、キャスターの質問に答えて、ラマダン期間中、イスタンブールで注意すべき点を述べていた。ラマダンに断食するイスラムの教義について説明し、日中の飲食や夕刻の飲酒に一…

バーダット(バクダッド)通り~カドゥキョイ

今日は、買い物がてら、コズヤタウからスワディエに出て、そこから「イスタンブールの青山・表参道」といった趣の「バーダット(バクダッド)通り」をカドゥキョイまで歩いた。2時間ちょっとの散歩、距離にして10キロぐらいじゃなかったかと思う。 真昼の…

衣類はトルコより日本が断然安い!

昨年来、日本へ一時帰国する度に、衣類や靴、ナップザック等を買い込んで来ている。とにかく安い! トルコよりも絶対に安い!といっても、運動靴を除けば、買って来るのは中古品ばかりである。しかし、大規模な中古品専門店では、品揃えも良く、多くの商品が…

動物たちの反乱!:日本のクマと韓国のイノシシ/トルコのカモメ?

先週の金曜日、カドゥキョイで、カモメがゴミ集積所の周りに群がっているのを見た。7~8羽は集まっていたんじゃないかと思う。カモメは「カラスの天敵」と言われ、カモメの多いイスタンブールでは、さすがのカラスも小さくなっているけれど、代わりにカモ…

トルコの軍と政権

先日お伝えしたように、6年前のマービ・マルマラ号事件で、当時のエルドアン首相は、どうやら事前にマービ・マルマラ号の航行を承認していたわけではなかったらしい。事件後、「私が許可した」と発言した背景には、様々な政治的思惑が絡んでいたように思え…

理科系の強さ

ここで駄文を公開し始めて12年が過ぎるけれど、アクセスは全く増えなかった。また、アクセスがあったとしても、実際に記事が読まれたかどうかは定かじゃない。おそらく、各記事を初めから終わりまで読んでいることが確かなのは、この世に一人しかいない。…

ダッカのテロとIS

アタテュルク空港爆破テロもさることながら、ダッカのテロが日本の社会に与えた衝撃は大きかったに違いない。滅多に連絡のない友人まで、「テロは許さん!」と長文のメッセージを書き送って来た。メッセージには「テロリストを全員処刑したい」とか「彼らの…

アタテュルク空港爆破テロはISの犯行か?

アタテュルク空港爆破テロは、ISの関連組織による犯行とほぼ断定されたようだけれど、例によって、ISからは犯行声明が出ていない。そのため、トルコの反エルドアン・反AKP系メディアは、ISとAKP政権の間にまるで協力関係があったかのように論じ…

分割して支配

これまでトルコの人たちから何度聞かされたのか数え切れない、アングロサクソン(米英)の恐ろしさを表す言葉がある。「彼らは必ず分割してから支配する」というのだ。我々日本人としては、「必ず挑発して相手に手を出させてから、もっともらしい大義名分を…

関係改善、次はエジプト、その次は?

トルコ政府は、イスラエルとロシアに続いて、いよいよエジプトとも関係改善に乗り出すらしい。チャヴシュオウル外相は、話し合いの準備が出来ていると語ったそうである。今後はシリアのアサド政権に対しても、より柔軟な姿勢を示すのではないかと囁かれてい…

トルコのEU加盟交渉

サバ―紙の若い女性コラムニスト、ヒラル・カプラン氏は、「イギリスのEU離脱」について論じた記事を、以下のように刺激的な表現で締めくくっていた。「・・・これほどトルコ・フォビアがあるのだから、この連合体(EU)を数年の内に分裂させたいと望むな…