メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

EU/下着のブランド「ペンティ」

EU議会による「トルコ加盟交渉一時停止」の決議は、もちろんトルコでも大きな話題になっているけれど、この数年来、トルコがEUに加盟できると本気で思っているトルコ人は、殆どいないような状態であるため、『ああ、またか』といった白けムードの方が目…

ギュル前大統領とエルドアン現大統領の気質の相違?

トルコで、「15で姐やは嫁に行き」といった話題になると、アブドゥルラー・ギュル前大統領が、よく槍玉にあげられてしまう。ギュル前大統領は、30歳だった1980年に、当時未だ15歳になったばかりのハイリュンニサ夫人と結婚しているからだ。これは…

15で姐やは嫁に行き

「赤とんぼ」にも、「15で姐やは嫁に行き」と歌われているくらいで、かつてはその年齢で嫁に行く女性が少なくなかったのだろう。しかも、当時の日本は、“数え年”を使っていたので、この“15”は、現在の“13~14歳”に相当している。 また、食生活の変化…

救済処置法案の撤回

「児童性的虐待防止法」により、「夫」が服役している家族を救済する目的で提出された法案は、どうやら撤回に追い込まれたようだ。 「一旦、取り下げる」といった曖昧な言い方だが、批判の高まりに驚いて撤回したというのが真相らしい。 AKPは議会の過半…

「児童性的虐待防止法」による服役者への救済処置法案

「児童性的虐待防止法」による服役者への救済処置法案は、批判が高まっているため、修正を図ったうえで再提出されるようだ。エルドアン大統領も「批判を受け入れ、修正すべきではないか」と発言している。 報道によれば、修正案には、「相手が14歳未満の女…

トルコの女性キャスター

先日、“YouTube”で、日本の報道番組を観ていて、どうにも気になることがあった。男性の相方と共に進行役を務める女性のキャスターが、まず殆ど発言しないのである。男性のキャスターは、自分の意見も述べながら、ゲストの専門家に質問していたけれど、女性の…

児童性的虐待防止法

「トルコでは児童を強姦しても結婚すれば許される」なんて話が日本にも伝えられているそうだ。もちろん、事実とは異なるが、まったく根拠の無い歪曲というわけでもない。 事の起こりは、結婚年齢に達していない女性の「事実上の夫」が、「児童性的虐待防止法…

トルコとEU

先日、NTVの討論番組で、ジャーナリストのオラル・チャルシュラル氏は、死刑復活への支持が40%という世論調査の結果を紹介していた。私も含めて多くの視聴者が、この数字にホッと胸をなでおろしたと思う。 しかし、支持が過半数を超えると予測する識者…

「大統領制」と「死刑復活」の議論

現在、トルコのメディアは、「大統領制」と「死刑復活」の議論で盛り上がっているけれど、リサーチ会社の世論調査によれば、強化された大統領にエルドアン氏を望む人が60%へ達したのに対し、死刑復活への支持は40%に過ぎなかったらしい。 また、「死刑…

アメリカの人種差別主義

トランプ氏がどういう大統領になるのか、トルコでも多くの識者が固唾をのんで見守っているという雰囲気かもしれない。アメリカの外交政策がいきなり大きく変わることはなくても、長期的には何らかの変化が現れるはずだと言いながら、それを具体的に明言する…

地下鉄のドア/韓国の大統領

昨日、カルタルで地下鉄に乗って、3つほど後の駅だったと思う。ドアが開くと、立っている人がまばらにいる車内に乗り込んで来た高校生ぐらいの男女3人は、真っすぐ反対側の閉まっているドアのところまで進み、3人並んでドアへ寄りかかりながら胡坐をかい…

三方よし

「売り手よし、買い手よし、世間よし」の“三方よし”という言い回しは、昭和以降に作られたそうだけれど、江戸時代から近江商人の心得として、そういった概念が伝えられてきたのは確からしい。 クズルック村の工場も、「地域還元」をモットーの一つに掲げて、…

韓国大統領の悲劇

2012年12月の大統領選挙で、韓国の保守派がパク・クネ氏を担いだのは、やはり何としても革新左派の大統領就任を妨げたいという一念からではなかったかと思う。あの選挙で、対抗馬だった革新左派のムン・ジェイン氏は、故ノ・ムヒョン元大統領の側近中…

トルコと韓国の民主化の歩み

2006年12月のミリエト紙で、ジャーナリストのジャン・デュンダル氏(現在、フランスに逃亡中)は、アンカラの韓国大使館で23年間にわたり、外交官として働いたぺク・サンキ氏にインタビューしながら、韓国とトルコの民主化について、以下のように述…

ジュムフリエト紙記者らの逮捕

一昨日(11月10日)、シシリーの左派ジュムフリエト紙本社近くを通ったら、警官隊が本社前の通りを封鎖して、出入りする人を厳しくチェックしていた。一週間ほど前、ジュムフリエト紙のジャーナリストらが逮捕されたため、アタテュルクの命日を期して、…

トランプ大統領のアメリカ

イスラムフォビアについて語るメルヴェ・カヴァックチュ PAMER Başkanı Doç. Dr. Merve Kavakçı İslamofobiyi Habertürk Manşet'te değerlendirdi. 昨年の12月に、“Haberturk”で放送された上記の番組で、ウスキュダル大学のメルヴェ・カヴァックチュ氏は、…

アメリカの大統領選挙

トルコには、ニュース・時事専門のチャンネルがいくつもあり、中には“YouTube”からリアルタイムで視聴できるところもある。アメリカの大統領選挙に関しては、各チャンネルが特番を組んで、スタジオに外交問題等の専門家を招き、昨日(11月8日)、投票前の…

MHPとAKP

MHPは、1960年軍事クーデターの首謀者の一人だったアルパスラン・テュルケシュ元陸軍大佐によって、1969年に成立している。 シンボルとなっている伝説上のトルコ民族の始祖“灰色の狼”は、モンゴルの“蒼き狼”の伝説を思わせるが、“灰色の狼”の故地…

MHP:民族主義者行動党

HDPのデミルタシュ党首らの逮捕は、8割近くの国民が賛同したそうである。AKPとMHPは言うまでもなく、党首のクルチダルオウル氏が反対を表明している左派CHPの支持基盤にも、どうやら賛同者はいるらしい。 しかし、知識人らの反応を見ると、従来…

クルド系政党HDP

クルド系政党HDPのセラハッティン・デミルタシュ党首らが逮捕されたのは、日本でも大きく報道されたようだ。ある識者は、今回の逮捕を、3段階に分けて進められたHDP対策の3段階目と分析している。まず、9月にHDP系の民選市長24人の解任があり、…

ケバブ食べて悶絶する日本人

エキストラに駆り出されて出演したテレビドラマなどで、自分の台詞もあったりした場合は、放送後に“YouTube”から出来栄えをチェックしている。先日のドラマでは、「トルコの美味しいケバブを、がっついて食べている内に悶絶する日本人」というのをやらされた…

死刑論争

(11月3日) 再燃した死刑を巡る議論はなかなか冷めそうもない。今日(11月3日)のヒュリエト紙のコラムで、アブドゥルカディル・セルヴィ氏は、エルドアン大統領の発言を「ブラフではなく真剣だ」と論じていた。 セルヴィ氏の分析によると、死刑制度…

バイクの教習場

先週、ギョズテペの地下鉄駅から外に出たら、前の広場で多くの人たちが、バイクの練習に励んでいる。訊くと、この広場は、二輪免許取得用の教習場になっていると言う。 「教習車」と表示された車も何台か停まっていたが、これはバイクの教習を受ける人たちを…

死刑

昨日(2016年10月31日)、テレビの討論番組で、法律学の専門家が説明していた。法を改正しても、その法律を過去に遡及して適用することはできないから、死刑制度を復活させたところで、7月15日クーデター加担者の処刑は不可能であるという。私は…

本番は11月?

11月になり、7月15日のクーデター事件から3ヶ月半が過ぎた。非常事態宣言中とはいえ、毎日、当たり前な日常が繰り返され、街の雰囲気も平穏そのものである。 しかし、「第2のクーデターが11月に起こる」といった風説が随分前から流されていて、政治…