メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ギュル前大統領とエルドアン現大統領の気質の相違?

トルコで、「15で姐やは嫁に行き」といった話題になると、アブドゥルラー・ギュル前大統領が、よく槍玉にあげられてしまう。
ギュル前大統領は、30歳だった1980年に、当時未だ15歳になったばかりのハイリュンニサ夫人と結婚しているからだ。
これは、「宗教的な結婚」で、法律上はその1年後に結婚が認められたのではないかと思うが、ウィキペディアトルコ語版を見ても、結婚したのは「1980年」と記されている。
ギュル氏が大統領になった頃、その経歴を伝える新聞の記事には、「母親たちの強い勧めで、否応なく結婚させられた」という状況が明らかにされていたものの、反対派はこの早婚の事実を材料にして、猛烈な勢いでギュル氏を非難していた。
もっとも、AKP政権が成立させた現在の法律に従えば、ギュル氏は「児童性的虐待防止法」違反で服役しなければならないところだから、反対派の非難も的を射たものだったかもしれない。
しかし、この結婚には、母親の勧めに逆らえなかったギュル氏の、従順で真面目な気質も反映されているような気がする。
一方、現大統領のエルドアン氏は、24歳の時に、一つ年下のエミネ夫人と恋に落ち、反対する母親を周囲に説得してもらって、結婚に漕ぎつけたそうである。なんだか、この辺りにも両氏の気質の違いが現れているようで興味深い。
24歳のエルドアン氏は、活動していたイスラム系政党の大会で舞台に上がったところ、最前列に座っていたエミネ夫人と目が合ったらしい。
数年前、テレビ番組のインタビューに答えたエルドアン首相は、「新しい表現に、“電気が走った”とか言うのがあるじゃないですか? そんな感じでしたね・・・」なんて惚気ていたけれど、エルドアン氏が恋に落ちたのは、一生にこの一度だけだったという。