メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

アメリカの人種差別主義

トランプ氏がどういう大統領になるのか、トルコでも多くの識者が固唾をのんで見守っているという雰囲気かもしれない。
アメリカの外交政策がいきなり大きく変わることはなくても、長期的には何らかの変化が現れるはずだと言いながら、それを具体的に明言するのは、どの識者も避けているような感じがする。
日本のメディアでは、首席戦略官に指名されたスティーブ・バノン氏の人種差別主義的な思想が取り沙汰されているけれど、イスラムフォビアの当事者と言えるトルコでは未だそれほど大きな話題にもなっていない。
ところで、そういった人種差別主義の御本尊みたいな人物が、政府の中で現実的な姿勢を見せてくれたら、かえって人種差別主義的な人々の態度も少しずつ軟化して行くという期待は抱けないものだろうか?
人種差別を嫌うリベラルな識者たちは、8年前、オバマ大統領の登場を絶賛した。私も何だか良く解らないまま喜んでいた。
ところが、最近、伝えられているニュースを見る限り、アメリカの人種差別の状況は、良くなっていないどころか、一層悪化しているような印象さえある。
多分、リベラルな識者やオバマ大統領が、「人種差別は止めよう!」と説教しても、人種差別主義的な人たちは怒るだけで、聞く耳を持たなかったに違いない。
しかし、彼らもスティーブ・バノン氏とトランプ氏の話には、耳を傾けるだろう。
もっと悪くなる可能性も否定できないが、今のところは、なんでも良い方に期待してみたいと思う。
トランプ氏は商売やっていた人だから、20万円しか持っていない人々に、100万円のものを売りつけようとはしないはずだ。