メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコ軍

来年(2023年)の標語は「ヤンキーゴーホーム」?

12月29日、トルコ・シリア・ロシア3カ国の国防相がモスクワで会談したと報じられた。 トルコとシリアは関係正常化のため水面下で交渉を続けて来たそうだが、いよいよ国防相らが顔を合わせる段階に至ったことで、来年の早い時期にエルドアン、アサド両大…

イスタンブール市長に禁固刑の判決

イスタンブールのイマムオール市長が、選挙管理委員を「バカ」と言って侮辱した罪で禁固刑の判決を受けたという。 トルコの選挙管理委員会はヤルグタイ(大審院)等の判事らによって構成されているため、法廷侮辱罪のような認識になるのかもしれないが、2年…

トルコ共和国は地域の平和の要

上記の駄文でお伝えしたように、かつては反イスラム的と思われていた共産主義者のドウ・ペリンチェク氏も今はイスラムを否定していない。それと共に、オスマン帝国の歴史も肯定的に語るようになったのではないかと思う。 ペリンチェク氏に限らず、多くの左派…

トルコ軍のキプロス侵攻(1974年)

《2020年3月8日付け記事を省略修正して再録》 昨日(7月20日)は、1974年にトルコ軍がキプロスへの侵攻を開始した日だったそうである。 「トルコのナショナリズムが最も高揚する日の一つ」と言っても良いのではないかと思う。 以下のYouTubeの…

パシャという敬称

上記の駄文で、19世紀にオスマン帝国の高官として活躍したヴァルタン・パシャを「ヴァルタン将軍」と言い表してしまったけれど、ヴァルタン・パシャは文官であり、軍の高官というわけじゃなかった。 「パシャ」が「将軍」に限定されるようになったのは共和…

中国のウイグル問題は、トルコのドウ・ペリンチェク氏が解決する?

1月29日、中国のウイグル問題について、トルコの祖国党(Vatan Partisi)党首ドウ・ペリンチェク氏が発言している。 祖国党は国会に議席を持たない弱小政党ではあるけれど、軍部に影響力があるとされ、現在、トルコ政界におけるドウ・ペリンチェク氏の発…

トルコ軍の復権~NATO離脱?

《2019年9月24日付け記事の再録》 スポーツの世界では、ボクシングのようにお互いの身体を痛めつけ合う競技であっても、試合が終われば健闘を称え合って抱擁を交わしたりする。 そういった経験のない私には解り難いけれど、人は死闘を繰り広げること…

米国が介入した不可解な選挙?

米国の大統領選挙に大規模な不正があったという「陰謀説」も下火になったようだけれど、米国が他国の選挙に介入したり、政府の転覆を図ったりした「陰謀」は、イラン・コントラ事件のように後から露見してしまった例も見られる。 トルコでは、2016年の「…

選挙による民主主義の限界?

「米国では直接選挙によって国民が大統領を選ぶ」と言うけれど、その選択肢は共和党と民主党の候補に限られているようだ。 候補者はそれぞれの党から様々な段階を経て選ばれるため、余りにも非常識だったり、「国家の機構」と対立したりするような人物が出て…

北キプロスの大統領選挙

一昨日(10月18日)行われた北キプロス共和国の大統領選挙で、現職のムスタファ・アクンジュ氏が敗北し、エルシン・タタル氏が新大統領に選出された。 南キプロス(国際的に承認されているキプロス共和国)との再統合を目指していたアクンジュ氏が、独立…

トルコとロシアによる停戦合意/アイシェは休暇に出なかった?

トルコとロシアが停戦に合意して、シリアでの大きな戦闘はひとまず回避されたものの、これは一時的な停戦に過ぎないという見方がトルコでも強いようだ。しかし、YouTubeから視聴したトルコの時事番組でそう論じたトルコの政治学者は、「学術の分野では、否定…

歴史に「たら・れば」は無いが・・・

歴史に「たら・れば」は無いと言うけれど、もしも、2004年のキプロス国民投票で南側も統合を承認していたら、どうなっていただろう? 現在、シリアからリビアに至る東地中海の問題の中で、キャスティングボートを握っているのではないかとも言われ、ある…

米国を中心とする世界秩序の動揺?

トルコ大統領府の首席アドバイザーであるギュルヌル・アイベット氏は、出演したニュース専門局CNNトルコの番組で、現在、欧米は、1945年以来続いて来た世界秩序の動揺により、各々の機構に亀裂が生じて意思統一が図れない状態に陥っていると指摘して…

トルコ軍は民間人に被害が出ないよう細心の注意をはらった

10月20日、「CNNトルコ(ニュース専門局)」に、トルコ大統領府の首席アドバイザーであるギュルヌル・アイベット氏(女性)が出演して見解を述べていた。 アイベット氏は、トルコ軍による「平和の泉作戦」が始まって以来、英国や米国の様々な放送局の…

トルコの最も愛国的な組織

死を覚悟して戦地へ赴く軍人の心理がいったいどういうものであるのか私には想像もつかないが、やはり合理的には考えられない激しい熱情に駆られているのではないだろうか? そして、その熱情を宗教的な信心であるとか、民族主義的なイデオロギーが支えている…

トルコの軍と政権

先日お伝えしたように、6年前のマービ・マルマラ号事件で、当時のエルドアン首相は、どうやら事前にマービ・マルマラ号の航行を承認していたわけではなかったらしい。事件後、「私が許可した」と発言した背景には、様々な政治的思惑が絡んでいたように思え…

ディヤルバクル旧市街

昨年、12月21日付けの“通信”で、「南東部の混乱」について書いてから、既に2ヵ月が過ぎた。しかし、ディヤルバクルの「スル・イチ(城内)」と呼ばれる旧市街に立て籠もったPKKの戦闘員らは、まだ完全に掃討されていないようだ。 一昨日も旧市街で一…

トルコの「聖域」?

昨年の11月、グーグルアースのストリートビューで、トルコの街角も見られるようになってから、直ぐにアレムダーのメイハーネ(居酒屋)風料理店の場所も確認してあった。店の外見とおおよその位置関係が思い出せるだけで、名称も住所も解らない場合、スト…

天然ガス~原発・・・

イエニドアンでは、今でもたまに1~2時間の停電がある。月に3~4回は起きているような気がする。断水は滅多になくなった。あっても、3~4カ月に一度ぐらいじゃないだろうか。最も成績が良いのは都市ガスで、未だかつてガスが来なくなったのは記憶にな…

“スレイマン・シャー廟”救出作戦

トルコ軍が、シリアに大規模な越境作戦を敢行して、トルコ共和国の“飛び地”となっている“スレイマン・シャー廟”を警備する兵士らを救出したのは、日本でも大きく報道されたようだ。 これには、トルコとアメリカが、「ISと戦える穏健派反シリア政府勢力の軍…

クルド和平の影響

トルコの軍は、クーデターを起こしても、早めに民政移管して、政権に居座ることはなかった。 しかし、民主的な選挙を実施すれば、保守派ジャーナリストのアヴニ・オズギュレル氏が論じたように、「トルコ国民の65%は、右派もしくは宗教色の強い保守政党に…

迷走する“疑獄事件”

今年はトルコにとって不幸な出来事が余りにも多かった。まるで、発展を続けるトルコの足が、方々から引っ張られているように感じた。昨日の報道によると、ロシアがシリアで油田開発の事業に着手するそうだ。これは、アサド政権の存続を、既に国際世論が認め…

トルコ軍・政教分離

クズルック村の工場にいた頃、トルコ人の同僚から、「日本には軍隊がないそうだね?」と訊かれた。「いや、防衛目的と言いながら紛れもない軍隊があるよ」と答えたところ、「強いのか?」と重ねて問われた為、「さあ、少なくともトルコよりは強いだろう」と…

尚武の国

水曜日は帰りがけに、もう一箇所、知人の小さな出版社を訪ねてみた。ここを訪れるのは1年ぶりぐらいだったかもしれない。この出版社の目録には、アタテュルクに関する書籍が多い。退役将軍の著作もあった。知人は酒も飲むし、宗教的な傾向は殆ど感じられな…

トルコ軍のクーデター

トルコの国営放送“TRT”に、「祖国を望む」という番組があった。各分野の著名な識者をスタジオに招いて、祖国トルコへの思いを語ってもらう趣向になっていた。 私は、2年ほど前、イズミルのホテルの一室で、初めてこの番組を観た。夜、出先でかなり飲んで…