メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

中国のウイグル問題は、トルコのドウ・ペリンチェク氏が解決する?

1月29日、中国のウイグル問題について、トルコの祖国党(Vatan Partisi)党首ドウ・ペリンチェク氏が発言している。

祖国党は国会に議席を持たない弱小政党ではあるけれど、軍部に影響力があるとされ、現在、トルコ政界におけるドウ・ペリンチェク氏の発言力は侮りがたいという。

最近になってエルドアン大統領から距離を置くようになった人たちの中から、「大統領はMHP(民族主義行動党)のバフチェリ党首とペリンチェク氏の言いなりになっている」と批判する声も聞かれる。(MHPも軍部に影響力がある。MHPは軍部の右派、ペリンチェク氏は軍部の左派。)

一方、ペリンチェク氏も事ある毎に「エルドアン大統領への支持」を呼びかけ、国論の統一を図ろうとしているけれど、かつて極左とまで言われた共産主義者のペリンチェク氏とエルドアン大統領の親密ぶりには唖然とするよりない。

おそらく、これは「反米」あるいは「反ギュレン教団」がベースになっているようだ。

反米左派のペリンチェク氏は以前から親中派として知られている。今回のウイグル問題に関する発言でも、中国政府を擁護する姿勢を崩していない。

「・・・ウイグル人の問題は祖国党が解決する。中国の当局者もこれに非常に理解を見せている。・・」と言うのである。

また、トルコと中国との間に結ばれている「犯罪人引渡し条約」に関しては、トルコ側には拒絶の権利もあり、これまで如何なる犯罪人も中国側へ引き渡したことはないが、中国政府はトルコの要請に応じて、ギュレン教団関係者などをトルコへ引き渡していると明らかにした。

もっとも、ロシアのプーチン大統領が「CIAのエージェント」と呼んだギュレン教団を、中国政府も警戒して来たから、引き渡しに応じたのは当然であるような気もする。

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