メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコ軍は民間人に被害が出ないよう細心の注意をはらった

10月20日、「CNNトルコ(ニュース専門局)」に、トルコ大統領府の首席アドバイザーであるギュルヌル・アイベット氏(女性)が出演して見解を述べていた。

アイベット氏は、トルコ軍による「平和の泉作戦」が始まって以来、英国や米国の様々な放送局のニュース番組にも出演して、その見解を述べて来たそうである。

これには、トルコに対する歪曲された報道、先入観等を正すという目的があったものの、一部の放送局では、キャスターがアイベット氏の発言を遮ったりして、なかなか困難を極めたようだ。その模様は「CNNトルコ」の番組の中でも紹介されていた。

 アイベット氏によれば、そういったキャスターらの態度の背景には、もちろん先入観や意図的な歪曲の試みもあるが、驚くべき怠惰も見られるという。シリアにおけるトルコの軍事作戦を話題にしておきながら、そこに至る過程を殆ど調べて来ていなかったらしい。


Batı medyasına kök söktüren Gülnur Aybet, yaşananları Hafta Sonu Özel'de anlattı - 20.10.2019 Pazar

 とはいえ、欧米のメディアなどによる意図的な歪曲、ネガティブプロパガンダは、以前から相当いい加減でかなり杜撰だったのではないかと思う。

 例えば、2015年の「トルコはISから石油を輸入している」という捏造報道では、輸入量等に関するもっともらしい数字さえ示そうとしなかった。なんとなく「トルコの悪いイメージ」が出来上がれば良いだけだから、その必要まで感じていなかったのかもしれない。

 あれは、後にCIAが誤報だったとして、トルコ政府へ正式に謝罪したそうである。

しかし、おそらく「ごめんね」と軽く謝っただけで、米国側は直ぐに捏造事件そのものを忘れてしまったのではないだろうか。

 2015年当時は、トルコのメディアや野党勢力の中にも、折あらばエルドアン政権の足を引っ張ってやろうとする連中がいたから、米国もトルコ国内の攪乱を狙って色々仕掛けていたような気がする。

 実際、その数年前には、トルコのメディアがイスタンブールにある「ジエリスタン」というケバブ屋の髭面の主人とエルドアン氏の子息のツーショットを示して、「首相の次男がアルカイーダのメンバーと接触」などと報じていたらしい。

アイベット氏も、「西欧では、国の安全保障に関わる問題の場合、与野が協力し合うけれど、トルコにはそれがなかった」と嘆いていた。現在は、ようやく与野の足並みがそろって来たという。

 いずれにせよ、アイベット氏が力説していたように、「平和の泉作戦」でトルコ軍は、テロ組織以外のクルド人ら民間人に被害が出ないよう、細心の注意を払っていただろう。

 米国のような強国は、何をやっても「ごめんね」で済んでしまうかもしれないが、無理に捻じ伏せる「力」のないトルコは、国外へ捏造報道を発信する余裕すらないはずだ。

本当に民間人に大量の被害が出ていて、その証拠を突き付けられたら大変なことになってしまう。「ごめんね」どころか、土下座しても許されない。

 私のようなトルコ・フリークが肩を持つまでもなく、トルコが国際法を遵守して、過ちを犯さぬよう努力してきたのは疑いの余地もないと思う。 

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