メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

トルコの西方回帰

2009年の1月、エルドアン首相がダボス会議で、イスラエルのペレス首相と激しくやり合い、席を蹴って退場した「ワン・ミニッツ事件」以来、「トルコは欧米から離れ、東方へ回帰しているのではないか?」という説が、トルコでも盛んに唱えられるようにな…

メティネル氏とエルドアン大統領

「かつて私たちはタリバンのようだった」と述べたというメフメット・メティネル氏は、南東部アドゥヤマン県出身のクルド人で、和平プロセスにおいても重要な役割を果たしてきたようだ。もちろん、イスラム主義者として、HDPのような左派クルド人勢力に対…

新内閣/エルドアン大統領の娘婿がエネルギー相に

トルコで新内閣発表のニュースは、露機撃墜事件の為に、多少影が薄くなってしまったものの、もちろん大きな話題になっている。中でも、メフメット・シムシェク前財務相が副首相となって、経済政策の舵取りを任され、長い間この職責にあったアリ・ババジャン…

薪ストーブでも焚けば良い

一昨日のロシア軍機撃墜は、もちろんトルコで最も重大なニュースとなっている。ニュース専門の放送局は、朝から晩までこれで持ち切りだ。 一昨日、トルコの新しい内閣が発表されたけれど、撃墜ニュースの前には、なんだか新内閣も霞んでしまった。 撃墜ニュ…

アッラーが私を守ってくれた

現在、AKPの議員でもあるメフメット・メティネル氏は、2004年の2月、ラディカル紙のインタビューに答え、自分たちのようなイスラム主義者が、宗教を棄てた人間は殺されるべきだと信じていた過去を“告白”している。この「かつて私たちはタリバンのよ…

イスラム主義と政教分離主義の論争

昔読んだ記事に、かなり年配のトルコ人女性教授が、若い頃、フィールドワークとしてトルコ各地の農村を巡り歩いた時の思い出が綴られていた。多分、共和国初期の農村について語っていたはずだから、93~4年頃に読んだ記事じゃないかと思う。93~4年当…

人を憤激に駆り立てるもの

トルコのイスラム的な保守層の多くは、彼らの“敬虔な信仰”が、政教分離主義のエリートたちから、時代遅れの愚かな行為と見下されたことに、最も激しい憤りを感じていたのではないかと思う。パルヴェーズ・フッドボーイ氏は、「どんな宗教も、その宗教の優越…

北イラクの豆料理

先週、お伝えしたあの北イラク料理屋で、今度は豆料理を食べて来た。この前、他のお客さんが食べているのを見て、とても気になり、是非味わってみたくなったのだ。料理といっても実に簡単で、丼(?)の底にナンを敷き、その上に茹でたソラマメ、それから揚…

カドゥルガのハマム

カドゥルガの街並みは、20余年前とそれほど変わっていない。古いハマム(トルコ風呂)も残っていたけれど、このハマムには、ちょっと恥ずかしい思い出がある。やはり93年頃だったと思う。通りがかりに、ふらっとここへ入った。下着の替えなども持ち合わ…

爆破されたクルド新聞社のビル/裏切られた「太陽政策」

先週、イエニカプからカドゥルガをぬけてスルタンアフメットまで歩いた。カドゥルガの街を歩くのは久しぶりだった。途中、今は区の登記事務所になっている建物の前を通りながら、10年ほど前、クルド語のロックコンサートを聴いたのは、ここじゃなかったか…

11月10日

昨日の朝、7時40分のバスに乗ってカドゥキョイへ向っていたところ、バスがE5国道のギョズテペにさしかかった辺りで、バスも含めて国道を走る車が一斉に停車してクラクションを鳴らし始めた。一瞬何のことだか解らず、周囲の様子をうかがうと、8割がた…

亡くなったクルド人の友人

昨年の2月頃だと思う、まだ32~3歳だった友人が世を去った。3か月ぐらい経ってから知ったので正確な日付は解らない。久しぶりに近所まで行き、「彼の容体はどうだろう?」と訊いたら、「えっ? 知らなかったの? もう亡くなったよ。3か月ぐらい経つん…

アクサライの難民レストラン?

10日ほど前、アクサライの辺りを歩いていて、“ハーレプ(アレッポ)・レストラン”という看板を見かけた。シリアの料理でも出すのかと思って、中へ入ってみたけれど、驚いたことに殆どトルコ語が通じない。店の人も食事を楽しんでいる人たちも、皆シリアか…

トルコ総選挙:在外投票-日本では・・・

サバ―紙のインターネット版に、在外投票の各国別の結果が出ていた。まず、トルコからの移民が最も多いドイツを見ると、以下のような結果で、本国よりもAKPの得票率はさらに高くなっている。*ドイツAKP-59% (小数点以下四捨五入)CHP-15%…

選挙の結果

昨日の便りを書き終えた21時(昨晩)頃の段階でも、AKP圧勝の勢いが伝えられていたけれど、開票が進む中、その後も大きな変動は起こらず、最終的にAKPの得票率は約49%に達した。これは、2011年の約50%(49.9%)に次ぐ数値である。選…

選挙/AKPの単独政権復帰がほぼ確実

トルコでは、今日、再選挙が行われ、多くの人たちが投票所へ足を運んだ。選挙権の無い私も、投票所が設けられた小学校まで、様子を見に行って来た。出かける前、近所の人に場所を確認したら、「この通りのずっと先のモスクの裏にある学校だ。近くまで行けば…