メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

時間に厳しい男:田中角栄

《2014年10月17日付け記事の再録》 いつだったか、週刊誌か何かで田中角栄に関する記事を読んだ。20~30年前だったかもしれない。角さんと面識があり、その人柄を良く知っていると思われる記者が、かなり好意的に書いていたように思う。その中に…

報道の事実性(1988年:ソウル)

《2014年10月16日付け記事の再録》 ソウルの延世大学語学堂に通っていた88年、多分、オリンピックが始まる1ヵ月ぐらい前じゃないかと思う。同じ教室の日本人受講生の方から、「新聞の取材に協力して下さい」と持ちかけられた。承諾して詳しく話を…

東方礼儀之国(1988年:ソウル)

《2009年12月24日付け記事を修正して再録》 87年~88年にかけて滞在したソウルの下宿は、延世大学に近いこともあり、下宿生は殆ど同大の学生だったが、一人、韓国有数の商船会社に勤める独身サラリーマンの方もいた。1960年生まれの私より4…

エルドアン大統領の夫人/雨に濡れながら佇むひとがいる

2011年の1月23日にミリエト紙が報じたところによると、当時、トルコの大手ゼネコン・アラルコ社の会長だったユダヤ人実業家イスハク・アラトン氏(2016年に他界)の娘であるレイラ氏は、財界の会合に出席したエルドアン首相に対し、女性の社会進…

エルドアン大統領は恐妻家?/イスラム女性の社会進出

《2014年1月29日付け記事の再録》 イスラムでは、4人の妻を娶ることが許されていて、女性蔑視が甚だしいと言われているけれど、論語に出て来る「匹夫匹婦」が賤しい庶民の意になるのは、貴族であれば一夫多妻が当然だったかららしい。日本の歴史を振…

トルコの強面の恐妻家?

《2011年2月3日付けの記事を改正》 クズルック村の工場で、技術部のグループ長を務めていたオメルという青年は「強面の恐妻家」と言えたかもしれない。 オメルさんは高卒の叩き上げで、情熱的な仕事ぶりが、日本人の出向者からも厚く信頼されていたけ…

トルコの共働き夫婦/女性の社会進出

《2014年11月26日付け記事の再録》 アダパザル県のクズルック村は、イスラム色の濃い保守的な村だったけれど、村から工場(邦人企業の工場)へ夫婦で働きに来ている人たちも少なくなかった。トルコでは、女性の社会進出が、日本より遥かに進んでいる…

顔は隠して実力で勝負!

3年ほど前、福岡で土木作業員として働いていた頃、現場へ軽ワゴンで営業に来るお弁当屋さんがいた。若い女性が運転席から降りてきて、「お弁当要りませんかあ!」と声をかけてくれる。それがまたなかなかの美人だったので、私も思わず一度購入してしまった…

コロナ騒ぎの世に恋の花咲く時は来るのか?

世間は、またコロナの感染が増えたとかで大騒ぎになっている。寒くなれば、ウイルスが活性化し、人間の免疫力は低下するそうだから、当然のことであるように思われる。おそらく、風邪もインフルエンザの感染もかなり増えているはずだ。 問題は、重篤者や死亡…

「質実剛健の気風」

《2016年8月17日付け記事を省略して再録》 昨年(2015年)の末頃、“YouTube”により、ドイツの農村で「豚の屠殺・解体」を取材した日本のドキュメンタリー番組を観た。遠い昔、冬の寒さが厳しいその村では、秋の間にドングリなどを食べさせて太ら…

「我々は強くなければならない」:エルドアン大統領

《2017年7月20日付け記事の再録》 野党CHPのクルチダルオウル党首らが、司法の「公正」などを訴えながら「行進」して以来、欧米では、トルコの「不公正な司法」への批判が、また高まりを見せていたらしい。これに対して、トルコの識者の中からは、…

中国のウイグル問題

2009年の8月、イスタンブールでウイグル人の友人が、「中国のウイグル問題」について講演したので観に行ったことがある。 私はこの友人とも1991年にイズミルで知り合った。友人は新疆省のトルファンに生まれ、北京大学を卒業して暫く北京で働いた後…

中国の少数民族問題

中国政府のウイグル人やチベット人に対する弾圧は、かなり前から取り沙汰されている。最近、その「弾圧」は激しさを増しているらしい。 しかし、中国を訪れたこともない私に、実状がどうなっているのか判断するのは難しい。 トルコの「クルド問題」等々への…

狭間で生きる/ウイグル・日本・韓国

1991年の9月頃、トルコのイズミルでウイグル人の青年と知り合った。彼は中国の新疆省に生まれ、高校生ぐらいの時にトルコへ移住してきたのではないかと思う。 「ウイグル人として、日本人である貴方に感謝したい」と礼を述べたので、「何故?」と訊き返…

歴史の狭間を生き抜いてきたアルメニアの人々

アルメニアとアゼルバイジャンの紛争は、サバー紙のハサン・バスリ・ヤルチュン氏が述べたように、親西欧のパシニャン政権を快く思っていないロシアが、アルメニアに対して厳しい内容の和平案を押し付けて終結を図ったと見られている。 ソビエト時代、ミコヤ…

アルバイラク財務相の解任

上記の12日付けの記事で、「エルドアン大統領がバイデン氏へ祝意を表していない」などと記してしまったが、これは誤り、菅首相らよりは遅れたものの、エルドアン大統領も10日の段階で既に祝意を伝えていた。プーチン大統領からは未だのようだけれど・・…

「物言い」がついた大統領選挙?

米国の大統領選挙は「物言い」がついて協議の結果待ちといったところだろうか? 相撲の場合、協議の結果が出るまで、勝ち力士の名乗りを受けることはできないけれど、米国大統領選挙の方は、既にバイデン氏が勝ち名乗りを挙げてしまったようである。 そのた…

トランプ大統領は平和主義者?

若き日のトランプ大統領は、ベトナム戦争への徴兵を再三にわたって回避し、結局、兵役を免れていたらしい。 「ベトナムの勇者」である故マケイン氏が、トランプ氏をどう見ていたのか何となく解るような気もする。父祖の代から軍人である家系のマケイン氏は、…

11月10日:アタテュルクの命日

《2015年11月11日付け記事の再録》 昨日の朝、7時40分のバスに乗ってカドゥキョイへ向っていたところ、バスがE5国道のギョズテペにさしかかった辺りで、バスも含めて国道を走る車が一斉に停車してクラクションを鳴らし始めた。一瞬何のことだか…

「ジエリスタンの日本人テロリスト?」

《2015年12月13日付け記事の再録》 イスタンブールのアクサライ界隈には、ケバブの類をメインにした庶民的な店が軒を並べている。レバー(肝臓)串焼きの「ジエリスタン」はその中でもひと際目立っていた。ジエルがレバー(肝臓)の意で、ジエリスタ…

米国大統領選挙:マイケル・フリン氏はどうしたのだろう?

米国の大統領選挙は、ようやくバイデン氏の勝利が確定したと報じられている。 最後に勝敗を分けたのがペンシルベニア州だったため、トルコでは、当地を根城にしている「ギュレン教団」が、どのくらいバイデン氏の勝利に「貢献」したのか、などという話も取り…

カーリエ博物館~モスク / 教会で祈る(?)エルドアン大統領

アヤソフィアに続いて、再びモスクとして使用されることに決まったカーリエ博物館。当初、10月30日の金曜日に礼拝が始まると予告されていたものの、3日前の27日に、突然、期日不明のまま延期となっている。 昨日のミッリガゼテ紙の報道によれば、モス…

バイデン氏が大統領になれば・・・

米国の大統領選挙、まだ結果は明らかになっていないが、トルコのエルドアン政権寄りサバー紙のコラムニスト、ハサン・バスリ・ヤルチュン氏は、既に一昨日の段階で、バイデン氏が大統領になった場合どうなるかについて記していた。 その中でヤルチュン氏は、…

アメリカの大統領は誰になるのか?

米国の大統領選挙、未だに結果も明らかにならないまま混乱が続いているようだ。いったいどうなってしまったのだろう? トルコの識者たちも、「我々の民主主義にケチをつけて説教していた国がなんという有様だ」といったように呆れ返りながら論評している。 …

2009年の「ダボス事件」/オザルの前とオザルの後?

昨日、上記の駄文で、「エルドアン大統領の言動は、オザル大統領のように無謀ではない」みたいなことを書いてしまってから、2009年の「ダボス事件」を思い出した。 ダボス会議のパネルディスカッションに、イスラエルの故ペレス首相らと共に登壇したエル…

無謀運転スピード狂大統領の狙撃事件

2013年6月の“ゲズィ公園騒動”の際、市民を代表してエルドアン首相(当時)と対話した俳優のカディル・イナヌル氏が、「いつも、こうやって穏やかに話せば良いのに・・」と意見したところ、エルドアン首相は、「貴方も映画では、“カディル・イナヌル”を…

アスリートを支える敬虔な信仰

1~2ヶ月ぐらい前、イチロー選手がメジャーリーグで年間最多安打の記録を打ち立てた活躍を回想するBS番組を観ていたら、イチロー選手の前の打席に何処か見覚えのある若い選手が入っていた。 まだ少年のような雰囲気の若い選手に『何処で見たんだろう?』…

トルコ語の演説の名調子

一昨日、10月30日に亡くなったメスット・ユルマズ氏、まだ72歳だった。ユルマズ氏は、1991年の6月、43歳の若さで首相に就任している。 私は1991年の4月からトルコで暮らし始め、8月頃になって、ようやく政治に関するニュースも少し聴きと…