メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

アルバイラク財務相の解任

上記の12日付けの記事で、「エルドアン大統領がバイデン氏へ祝意を表していない」などと記してしまったが、これは誤り、菅首相らよりは遅れたものの、エルドアン大統領も10日の段階で既に祝意を伝えていた。プーチン大統領からは未だのようだけれど・・・。

トルコでは、昨日、早くも「バイデン新政権とトルコの関係」をテーマにした討論番組が組まれている。番組に出演した識者は、「米国を動かしているのは深層国家であり、大統領ではない」というように論じながら、深層国家と争ったトランプ大統領も結局は押さえ込まれてしまったと述べている。

こういった米国大統領選挙の経過と関連があるのかどうか解らないが、エルドアン大統領は女婿のアルバイラク財務相を事実上解任した。

これに先立ち、中央銀行の総裁にはナージ・アーバル氏が任命されているけれど、アーバル氏は2018年のアルバイラク財務相就任まで経済の舵取りを任されていたメフメット・シムシェク元副首相に近い人物と言われている。

アルバイラク財務相の後任のルトゥフィ・エルバン氏は、新党を立ち上げたダヴトゥオール元首相と親しく、アーバル氏も経済思想の面で、やはり新党を立ち上げたアリ・ババジャン氏~メフメット・シムシェク氏の系譜にいることから、一連の人事はダヴトゥオール氏とアリ・ババジャン氏の動きを封じ込めてしまうエルドアン大統領の巧みな政治的戦略とする説も出ているようだが、これはどうだろうか?

トルコ・リラの下落も止まらないため、結局は欧米と協調できるアーバル氏とエルバン氏に交代させたという一般的な見方が妥当であるようにも思える。

いずれにせよ、身内のアルバイラク財務相も容赦なく解任してしまうところが、あくまでも現実的なエルドアン大統領らしいと言えるかもしれない。

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