メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2013-01-01から1年間の記事一覧

ザマン紙とフェトフッラー・ギュレン教団

昨日、ザマン紙のコラムで、エティエン・マフチュプヤン氏が“疑獄事件”について、とても興味深い記事を書いていた。 「今後、政府が不正取調べの結果に対して必要な処置を取ると宣言し、且つ組織改変の理由を明らかにして、これが暫定的なものであると国民を…

北イラクの石油

昨日のサバー紙の報道によれば、北イラク・クルド自治区の石油がトルコを通して各国へ輸出される方向で、“自治区のネチルヴァン・バルザーニ首相”と“イラク中央政府のマーリキー首相”が合意に至ったそうである。 輸出の収入は、アメリカのJPモルガン銀行に…

迷走する“疑獄事件”

今年はトルコにとって不幸な出来事が余りにも多かった。まるで、発展を続けるトルコの足が、方々から引っ張られているように感じた。昨日の報道によると、ロシアがシリアで油田開発の事業に着手するそうだ。これは、アサド政権の存続を、既に国際世論が認め…

「助六の苦いビーフシチュー」

うちでは、母が、1970年頃から2000年まで、神田駅の近くで雀荘を経営していた。もともと父がやっていたのを、私が小学校4年生の頃、母が引き継いだのである。この雀荘の2軒先に、“助六”という洋食屋があった。この店は、いつ頃までやっていただろ…

疑獄事件

先日、田中角栄氏とエルドアン首相は、何だか良く似ているなんて書いたけれど、AKPを巡る疑獄事件の発生で、ますます似て来てしまった。しかし、角さんの辞任後に勃発したロッキード事件と違って、エルドアン首相は未だ在任中であり、捜査の対象になった…

水餃子風・・・

昨日、アクサライに出掛け、また別のウイグル料理屋で、水餃子風の一品を食べてみた。“餃子”には、挽肉じゃなくて、少し噛み応えのある細切れ肉が入っていて、なかなか美味かった。この中に、ラグマンの麺を入れれば、“ワンタンメン風”になるんじゃないかと…

トルコとアメリカ

トルコの社会には、まだまだ大らかで、のんびりしたところがあるけれど、なんだか政治家だけは、ギラギラとエネルギッシュで鋭く光っているような気がする。これはエルドアン首相に限らない。長年のライバルだったCHPのバイカル前党首も、“目から鼻へ抜け…

エルドアン首相の評判

日本では、一般的な傾向として、亡くなった人を余り悪く言ったりしないが、これはトルコでも同様だろう。著名人が亡くなると、大新聞は一斉に追悼記事を載せたりする。それまで厳しく非難していても、この時ばかりは、お悔やみを述べて、穏やかな調子になる…

セマウル運動

数年前、韓国まで行って、その経済発展の過程を調べてきたトルコ人の友人がいた。彼は左派のジャーナリストで、朴正煕大統領が推し進めた“セマウル運動”の社会主義的な性格に興味を懐いたのが、韓国研究のきっかけだったそうである。トルコでも、1940年…

白いトルコ人はむくれている

先日お伝えした『友人の長女の義父に当たる方との議論』。義父の方は教養もある立派な人物だけれど、保守的な友人家族の面々が、いつもAKPに投票しているのを、おそらく知っていながら、「“無知な民衆”がAKPを支持している」と言い放つ神経は、到底理…

角さんとエルドアン首相

いつだったか、わりと保守的な友人家族の集まりに呼ばれていて、そこで長女の義父に当たる方とちょっと議論になってしまった。友人の家族は、敬虔なムスリムで保守的だが、長女の婿やその家族は、かなり濃い政教分離主義者なのである。長女の結婚式では、ス…

駱駝が針の穴を通るより難しい

北朝鮮では、“張成沢国防副委員長”が罷免というか“粛清”されてしまったらしい。北朝鮮の報道によれば、「張成沢を除去し、一党を粛清することにより・・・」だそうである。日本で“除去”という漢字語は、おそらく物質や植物のみを対象に使われているから、何…

出世していない鯖サンド

今日は天気も良かったから、サルガーズィまで散歩して、鯖サンドを食べて来た。魚屋さんの店先で鯖を焼き、パンに挟んでくれる。一つ4リラ、鯖サンドは余り出世しなくても充分美味しい。サルガーズィに来ると、よくここで食べる。海から遠いサルガーズィで…

鯖サンドの大出世!

昨日、ウムラニエの銀行で家賃を納めた後、散歩がてらテペユストまで歩き、“ブヤカ”という派手なショッピングセンターのフードコートで、“鯖サンド”を食べて来た。トルコ語では、“バルック・エキメッキ(魚パン)”だけれど、これがただの“魚パン”ではない。…

トルコの人たちの衛生観念

トルコでは、何処の田舎へ行っても、“汲み取り便所”を見たことがなかった。昔から牧畜が盛んだった為、下肥など作る必要はなかったのかもしれない。エフェソスの遺跡には、当時の水洗式“公衆便所”も残っている。オスマン帝国時代の歴史的なモスクやハマム(…

トルコ式ウォシュレット?

トルコのトイレにも、洋式とトルコ式があって、トルコ式は、和式のように“しゃがむ”スタイル。街中の公衆便所には、まだまだトルコ式が多い。 10年前の話だが、クズルック村の工場では、オフィスのトイレが洋式、現場はトルコ式と、新旧が混在していた。現…

汚いトイレと綺麗なトイレ

Old Delhi, India [デリー/インド] “YouTube”の映像、あまりにも鮮明で、なんだかデリーの街に漂う匂いまで伝わって来そうだ。この街で、地元の人たちと一緒に飲み食いしたら、やっぱりお腹をこわしてしまうような気がする。インドの貧しい人たちの現実は…

インドの女優さん

10日ほど前、スルタンアフメットへ出掛けたら、路面電車の通りの歩道を通行止めにして、何かの撮影が行なわれていた。 交通整理していた係員に訊くと、インド人タレントのミュージック・クリップを撮影しているそうだ。女性のタレントさんは、なかなか美し…

イスタンブールの学習塾

ここのところ御無沙汰しているが、昨年来、イスタンブール市内の学習塾を訪れる機会が度々あった。この学習塾は、大学受験に備える授業が主で、廊下には、一流大学合格者の写真がずらりと並んでいる。 経営者の方は、神学部を卒業した敬虔なムスリムだが、特…

なんでも流行が終わる頃に始まる

イスタンブールには映画館がかなりあって、映画産業は未だ衰えを見せていないようである。これは、いったいどういうことなのか良く解らない。トルコは、オスマン帝国時代の1914年に最初のドキュメンタリー映画を制作しているそうだから、映画産業への参…

ポール・マッカートニー

ポール・マッカートニーの日本ツアー、“YouTubet”で少し観たけれど、その若さにびっくり。とても71歳には見えない。声もそれほど衰えていなかったそうだ。そのエネルギーは何処から湧いて来るんだろう? 多分、節制して、日々鍛錬を怠っていないのではない…

イマーム・ハティップの女性たち

週末の“イマーム・ハティップ(イスラム教導師養成)高校100周年シンポジウム”では、とにかく女性の姿が目立っていた。今や、イマーム・ハティップ校に通っているのは、女生徒の方が多いそうだから、当然かもしれないが・・・。大学の神学部でも、既に女…

イマーム・ハティップ(イスラム教導師養成)高校100周年シンポジウム

週末の土日、ユルドゥズ工科大学で催された“イマーム・ハティップ高校100周年シンポジウム”を見学してきた。イマーム・ハティップレル校は、共和国発足後の1924年に開設されたのに、何故、100周年なのかと言えば、オスマン帝国時代の1913年に…

モノ作りの精神

クズルック村の工場で実践されていたように、“働く人たちの意見”を尊重したりするのは、日本でしか通用しない時代遅れの経営手法だと言われて久しい。実際、家電の製造など、もう日本のやり方では、競争力を維持出来なくなってしまったようだ。数年前まで、…

現場が原点

クズルック村の工場は、「現場が原点」をモットーにしていた。日本の本社では、大卒の新入社員も一定期間現場で働かされるらしい。一度、クズルック村の工場に、日本の本社から副会長という方が視察に訪れたことがある。白髪の、もう70歳近くに見える方だ…

ディヤルバクル

昨日、トルコ南東部の主要都市ディヤルバクルで、「歴史的」とも言えるようなイベントがあった。 北イラク・クルド自治区のマスード・バルザーニ大統領、38年前にトルコから亡命していたクルド人歌手シヴァン ペルウェル、トルコ歌謡界の帝王と言われたイ…

ギリシャの経済

アテネを拠点に活躍しているフィデ・キョクサルさんのインタビュー記事が、12年10月22日付けのラディカル紙に掲載されていた。この記事の中で、キョクサルさんは、「・・・イズミルの賑やかな週末が懐かしい。ここで週末は、何処も閉まっています。ま…

高校の寮の飯

三度の飯が食べられるだけでも有り難いのに、不味いなんて言ったら罰が当たるかもしれないが、高校の寮の食事は本当に美味しくなかった。全寮制だったから、全校生徒600人ぐらいが、大きな食堂で朝・昼・夕を食べていた。毎日、大量の食事を用意するのは…

学生寮

2ヶ月前、ルレブルガスで暮らしているムスタファが、イスタンブール大学に合格した次女の入る寮を探すため、日帰りでイスタンブールへ出て来た。私も一緒に3ヵ所の学生寮を見て回ったが、結局、ムスタファは、寮費の安い宗教団体運営の寮を選んで、次女を…

イズミルからアテネへ・・・

Fide Köksal - İzmir'in kavakları トルコ人の女性歌手が、トルコのエーゲ海地方の民謡を歌っているけれど、これはギリシャの歌番組であり、私もルムの故マリアさん宅で同番組を何度も観たことがある。2004~2007年にかけてだった。出演者たちは、勝…