メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

高校の寮の飯

三度の飯が食べられるだけでも有り難いのに、不味いなんて言ったら罰が当たるかもしれないが、高校の寮の食事は本当に美味しくなかった。
全寮制だったから、全校生徒600人ぐらいが、大きな食堂で朝・昼・夕を食べていた。毎日、大量の食事を用意するのは大変だろうけれど、生徒数がもっと多かった小学校と中学校の給食は、とても美味しかったから、やはり高校の寮の食堂には何か問題があったような気もする。
特に魚の類は、鮮度が落ちていたのか、よく火が通っていても、かなり生臭いことが多かった。肉じゃがの挽肉も何だか匂っていた。醤油も醤油と言えるような代物じゃなかった。
ご飯は、備蓄米のお下がりでも使っていたのか、微妙に黄色がかっていることもあり、あまり良い匂いがしなかった。このご飯は、30人分ぐらいずつ、大きなバットに米を入れ、スチームで炊いていたけれど、バットが少し傾いでいたりすると、片方はグチャグチャ、もう一方はパリパリ、辛うじて真ん中だけが普通に炊き上がったりしていた。
それを当番の部屋の奴が、他の部屋の分も盛り付けるわけだが、1部屋は8人だから、真ん中の普通に炊き上がった所だけで、自分の部屋の分は確保できる。後は、パリパリとグチャグチャを適当に混ぜて盛り付ける。まあ、真面目な奴なら、全てをまんべんなく混ぜてから盛り付けていたけれど・・・。
しかし、それでも育ち盛りの食い盛りだったから、いくらでも食べることが出来た。腹があまりにも減って、他人の分まで食べてしまったこともある。
部活の試合等で、校外に出て、夕食の時間まで戻って来られない連中には、盛り付けた上で、扉付きの棚に入れて置く決まりになっていたが、あまり遅くなれば、部活の連中は帰寮途中に食べて来たりする。それが解ると、夜の学習時間中に、また食堂に忍び込んで、取って置いた食事を食べてしまったりした。冷めた飯は一層不味くなっていたけれど、とにかく腹が減っているから、貪るように食べた。
あの育ち盛りに、満腹するまで食べられたのは実に幸せなことだったかもしれない。

merhaba-ajansi.hatenablog.com