メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコ式ウォシュレット?

トルコのトイレにも、洋式とトルコ式があって、トルコ式は、和式のように“しゃがむ”スタイル。街中の公衆便所には、まだまだトルコ式が多い。
10年前の話だが、クズルック村の工場では、オフィスのトイレが洋式、現場はトルコ式と、新旧が混在していた。現場の各トイレにも、一応は洋式が一つずつ設置されていたが、その多くは物置になっていて、誰も使っていなかった。今はどうなっているだろう?
イスタンブールで、知り合いのお宅を見る限り、最近は、洋式を使う家庭が増えて来たような気がする。ひと頃、「洋式はイスラムの教えに合っているか?」などと良く解らない論争が、一部の人たちの間で繰り広げられていたらしいけれど、やっぱり使い易さには敵わなかったのではないかと思う。レストランやショッピングセンターのトイレも洋式が主流になりつつある。
ところで、トルコの洋式トイレには、ちょっと特殊な機能が必ず備わっている。右下に付いているコックを捻ると、ウォシュレットのように水が出て来るのだ。
しかし、穴に向かって噴出してはくれない。放物線を描いて流れ落ちるだけである。だから、指を使って、ゴシゴシと洗わなければならない。トルコ式トイレの場合は、脇に水道があって、水桶が置かれている。このため、トルコ式が多い街中の公衆便所は、大概、紙がないけれど、手洗い場に必ず石鹸が用意されている。
もちろん、洋式主流のショッピングセンターのトイレには、紙もあれば石鹸もある。しかも、その多くは無料なのに、掃除が行き届いていて、とても綺麗。街中の公衆便所は、有料の割りに、それほど綺麗じゃない。ショッピングセンターのトイレが断然良い。
シシリーにある“ジェヴァヒル”ショッピングセンターでは、いつも大した買い物していないのに、トイレばかり使わせてもらって申しわけなく思っている。
それから、私もトイレに行ったら、必ずトルコ式ウォシュレットを使って、指で洗っている。あれに慣れてしまうと、日本のウォシュレットでは、なんだかすっきりした感じがしない。ウォシュレットもなかったら、それこそショックだ。
成田空港に降り立って、トイレで用を足すと、思わず癖で右下のコックを探してしまう。これで先ず愕然となり、その後に、『ああ日本へ帰って来たんだ』としみじみ思うのである。