メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ディヤルバクル

昨日、トルコ南東部の主要都市ディヤルバクルで、「歴史的」とも言えるようなイベントがあった。

イラククルド自治区マスード・バルザーニ大統領、38年前にトルコから亡命していたクルド人歌手シヴァン ペルウェル、トルコ歌謡界の帝王と言われたイブラヒム・タトゥルセス、そしてエルドアン首相らが一堂に会した。

これには、PKKと対立するバルザーニ大統領を招いて、クルド人の勢力を分断しようとしたとか、来年3月に行われる地方選挙の為のキャンペーンであるとか、いろいろな解説が試みられていたけれど、私は昨日、インターネットの生中継を観ながら、もう難しいことは考えられずに、ただ感動していた。

エルドアン首相は、40分近くに及んだ長い演説の中で、初めて“クルディスタン”という言葉を使った。バルザーニ大統領を「クルディスタンの大統領」と呼んだのである。

何もかも、10年前には想像すら出来なかった。1年前でも難しかっただろう。

今日は、朝から風邪気味の頭で、いろいろな批評記事を読んだりして、考えてみたものの、何かここに書くような話は思いつかなかった。完全な和平が達成されるまでには、まだ紆余曲折があるだろうと言われている。でも、確実に距離は縮まったのではないかと思う。そう祈りたい。


*写真:Hurriyet紙

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