メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ギリシャの経済

アテネを拠点に活躍しているフィデ・キョクサルさんのインタビュー記事が、12年10月22日付けのラディカル紙に掲載されていた。
この記事の中で、キョクサルさんは、「・・・イズミルの賑やかな週末が懐かしい。ここで週末は、何処も閉まっています。まるで国勢調査の日のようです。就労時間はとても短く、非常に多くの休日がある国です」と語っている。
かつてトルコでは、数年に一度、調査員以外の全市民の外出を禁じて、国勢調査を行う日があった。もう長いこと実施していないような気がするけれど、いつが最後だったのだろう? 

93年か94年、外出禁止で人っ子一人いないバクダッド通りを、日本人の友人とエレンキョイからカドゥキョイまで歩いたのを思い出す。外国人はお目こぼしだったようだ。
ギリシャの週末は、そんな風になってしまうらしい。キョクサルさんの説明によると、月曜日と水曜日に営業所は15時で閉まってしまい、他の平日にもシエスタがあり、週末は何処も開いていない。
私もトルコの国境に近いアレクサンドロポリスやエーゲ海の島で、シエスタに入って人っ子一人いなくなった街を見たけれど、アテネのような都会であれば、そんなことはないのかと思っていた。
キョクサルさんも、「これで経済が成り立つのかと思ったが、やはり成り立っていなかった」と述べているが、私も昨年、ギリシャの島を訪れて酷いものだと驚いた。観光地なのに、何処のレストランもクレジットカードを拒絶して現金を要求してくる。おそらく間接税を払いたくなかったのだろう。
ギリシャは、何故、こうなってしまったのか? いろんな要因があるに違いないけれど、長い間、西欧の庇護を受けて来たのが最も拙かったような気がする。オスマン帝国から独立した時でさえ、西欧の助けを借りていた。
宗教やイデオロギーより、こういった庇護の有無がもっと大きな影響を及ぼしているかもしれない。個人や企業も庇護を受けて競争にさらされない状態が続くと駄目になってしまうのと同じじゃないかと思う。