メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコ

差別されるクルド人?

「差別されるクルド人」と言っても、「トルコの問題」じゃなくて、日本における「クルド人差別」の問題である。 SNSの投稿などを真に受けてもしょうがないけれど、何だか凄まじい勢いでクルド系トルコ人に対する差別が広がっているように思えてしまう。 それ…

クルド人難民の問題と「解体・産廃」の問題

川口市の「クルド系トルコ人難民の問題」に新たな展開、と言っても大分前の話だけれど、入管が難民申請しているクルド人の出身地であるトルコの村を20年ほど前に現地調査していた事実が明らかになった。それによると、現地の状況に彼らが難民申請しなけれ…

神姫バスの運転手さんの神対応/トルコの親切な運転手さん

8月、書写山に登って西坂を下り、バス停で15分ほど待って、ほぼ定刻通りに到着した神姫バスに乗り込んだが、バスは直ぐ発車しようとしない。 『おやっ?』と思って様子を窺うと、どうやら中年の運転手さんは、後方から走って来る女子高生を待ってあげてい…

ケネディ氏はコロナの闇を明らかに出来るだろうか?

トランプ次期大統領は厚生長官にロバート・ケネディ・ジュニア氏を指名したという。 これに対して、日本の一部のメディアは、ケネディ氏が反ワクチンであり、予てよりの陰謀論者だと批判的に伝えている。 しかし、伯父と父親を暗殺されたケネディ氏が、事件…

トランプ大統領は世界に平和をもたらせるだろうか?

トランプ氏の当選は、トルコに限らず、他の中東諸国でも概ね歓迎されているという。 かつて、トランプ氏がイスラムフォビアを煽っていたことを考えると奇妙な感じもするけれど、『あれは選挙用の発言』と了解されていたのかもしれない。 反グローバリズムと…

米国の大統領選挙/トランプ氏の勝利

米国の大統領選挙でトランプ氏が大差で勝利し、ひとまずホッとしている。前回のような騒動になる気配はなさそうである。 無事に就任して、まずは公約していたウクライナ戦争の終結を速やかに実現してもらいたい。 そして、前の就任期間中には達成できなかっ…

シールトの郷土料理「ビュリヤン・ケバブ(Büriyan Kebabı)」

t.co この「スパイシー丸山『マトンは羊肉? ヤギ肉?』」というブログに、インドで「マトン」と言えば、大概、羊肉じゃなくてヤギ肉であることが詳細に記されていて非常に興味深い。 多くのインド人が、羊肉よりもヤギ肉を美味いと思っているそうだ。 沖縄…

トルコの紙幣(1938年~1950年)

日本では「紙幣の顔」が金額によって異なるけれど、トルコ共和国の各紙幣は全てアタテュルクの肖像である。それは建国以来、全く変わらなかっただろうと思っていた。ところが、そうではなかったらしい。 1938年にアタテュルクが亡くなると、1950年に…

トルコのBRICS加盟はどうなったのか?

エルドアン大統領が参席したBRICSの総会で、トルコのBRICS加盟は見送られたようである。プーチン大統領との会談でも特に議題へ上がることはなかったらしい。 会談で最も重要なテーマとなったのは、トルコを天然ガス供給のセンターにする案件だったという。こ…

ギュレン教団はどうなるのか?

トルコの報道によると、ギュレン教団のフェトフッラー・ギュレン師は滞在先の米国ペンシルバニア州で死亡したことが確認されたそうである。 しかし、トルコでは多くの識者が、今後もテロ組織であるギュレン教団に対する警戒を緩めてはならないと論じている。…

ノーベル経済学賞とトルコの立場

トルコのダロン・アジェムオール氏がノーベル経済学賞を受賞した。 米国を中心とする世界秩序を肯定して、中国やBRICSを脅威と見做すアジェムオール氏の受賞は、トルコで称賛と共に反発も招いているようだ。 ドウ・ペリンチェク氏の率いる「祖国党(Vatan Pa…

ノーベル文学賞の作品

加古川市内に「カフェハル(카페 하루)」というカフェがオープンしている。 最近、「韓国風のカフェ」が流行っているそうだが、ここは一ヵ月前に来日したばかりのマスターが始めた本格的な韓国カフェで、店の造りもかなり凝っている。 入口脇の看板には「카…

人種差別の始まり

2004年の10月、ラディカル紙に掲載された「トルコはマイノリティーの寄せ集まりである」というコラム記事で、テュルケル・アルカン氏(故人)は以下のように述べていた。 「我々はかつて世界の中心に胡座をかいていた。有史以来、侵略者や移民、十字軍…

グローバル化と貧富格差

トルコでグローバル化(küreselleşme)が話題になり始めたのは、いつ頃からだろうか? 私が初めてトルコを訪れた1991年には、当時のオザル大統領が進めて来た民営化等による経済開放政策と共にグローバル化(küreselleşme)という言葉が聞かれていたかも…

多極化世界における日本

現在の米国を中心とする世界秩序が乱れて、急激な変化が起きた場合、私のような低所得者は真っ先に痛手を受けることになる。 例えば、「米ドルの暴落」などを想定して、貯蓄を「金」に切り替えた人もいるそうだが、貯蓄の無い私はどういう対策を講じたら良い…

激動の時代の始まりか・・・

トルコのBRICS加盟問題は、政府が何らかの発表を行う前に「加盟を申請」といった報道が先行し、様々に論じられていたけれど、どうやら加盟の実現が濃厚になってきた。 先達て、国連総会のために訪米したエルドアン大統領が「BRICSへ加盟してもNATOから離脱す…

クルドとウイグルの問題の相違

難波のウイグル料理屋では、ウイグル人の店主と中国人の店員が共に働き、中国人の来客に対応していた。 イスタンブールでもウイグル人と中国人は共同で事業を行っていたりした。 「中国のウイグル弾圧」というのは、トルコのクルド問題と同様、米国による情…

難波でウイグル料理

昨日は、隔月となってしまった高校同窓会で難波に出た。 ウイグル料理店で乾杯して、まずはラグマンを食べた。イスタンブールに居た頃は良く食べていたけれど、帰国してからは、これが福岡以来の2度目じゃないかと思う。 イスタンブールでは、このラグマン…

失意と焦燥の日々

2017年の4月、私にとっては「第二の祖国」とも言えるトルコから、経済的に立ち行かなくなったため、祖国日本へ帰国して以来、既に7年と5カ月が過ぎてしまった。 この7年は、まさに「失意と焦燥の日々」である。その間、二つの祖国の状況も決して芳し…

「日本人は生まれない・・・」

「トルコ人は生まれない、トルコ人になるのだ(Türk doğmaz, Türk olunur.)」 これがトルコでどのくらい広く流布されている言い方なのか解らないけれど、なかなか格好良い言葉だと思った。 ひょっとすると、ボーボワールの「人は女に生まれない、女になるの…

移民の人たちとの交流

最近、日本で土葬されることを望む在留イスラム教徒と、これに反対する人たちの間で激しい論争が展開されている。 SNSにはイスラムに対する差別的な発言も見られ、クルド人の問題と同様、正常な論争とは言い難い雰囲気も感じられる。 一方、土葬を望むパキス…

日本はPKKの新たな拠点にされてしまうのか?

川口市のクルド問題、やはり最も気になるのは、上記の駄文で取り上げた「テロ組織であるPKKが日本へどのくらい浸透しているのか」という疑念である。 PKKがトルコからの分離独立を掲げて、テロによる武力闘争を続けて来たのは紛れもない事実だが、おそらく世…

トルコのBRICS加盟

ブルームバーグが「トルコはBRICSへの加盟を正式に申請した」と報じ、続いてロシア政府もこれを認めたため、トルコではこの「BRICS加盟問題」を巡って様々な見解が飛び交っているようだ。なぜなら、トルコ政府からは「加盟申請」について、未だに公的な表明…

トルコは「クルド人の難民を受け入れる国」である

日本では、クルド系トルコ人の「難民」が問題になっているけれど、世界で最も多くの難民を受け入れている国が何処なのかと言えば、それはトルコに他ならない。 2011年に隣国のシリアで内戦が勃発してから、トルコは既に300万人以上のシリア難民を受け…

何故、イスラム教は強い信仰を維持しているのか?

西欧では教会を訪れる信者が減り、キリスト教の衰退が著しいという。一方、イスラム教の諸国では強い信仰が維持されている。 その要因について、様々に論じられているようだけれど、これは宗教というより、経済の発展段階の問題じゃないだろうか? 上記の「…

何故、「難民申請」などという手続きが認められたのか?

一昨日、川口のクルド問題について書いたブログ記事を、以下のような口上と共に「ポスト(ツイッター)」へ投稿したところ、今日までに200以上の「いいね」がついてしまった。 「川口のクルド問題、そもそもは就労目的のクルド系トルコ人に、政府が難民申…

中東における「米国の最大の敵」はイランじゃなくてトルコかもしれない?

イランとイスラエルが「戦争」に突入するのではないかと話題になっているけれど、トルコの識者の多くは、結局、見せかけだけの挑発で終わると見ているようだ。 「イランとイスラエルはお互いを必要としている」と論じる人もいる。 上記のブログにも記したよ…

クルド系トルコ人の強制送還/アタテュルクの独立戦争は未だ終わっていない!

川口市のクルド問題、現地を見ていない私には解らないことばかりだが、不法投棄等は実際に立件されている例もあるようだし、一部のクルド系トルコ人に見られる下品な態度は、私も2017年の9月に博多で目撃して少なからず不愉快に思った。 SNSの投稿を…

パリの治安とトルコの治安

www.youtube.com 上記のYouTubeから視聴できるトルコの報道番組では、パリへ旅行に来たトルコ人団体観光客が、1日に2度も盗難の被害を受けたニュースが伝えられている。 しかし、その内容を聞くと、被害を受けた側にも些か無防備な面が見られたようだ。 ま…

トランプ前大統領の暗殺未遂事件/「7月15日のクーデター事件」

トランプ前大統領の暗殺未遂事件、同様の衝撃的な事件後の報道がそうであるように、様々な仮説が論じられていて、実際に何が起こったのか皆目見当がつかない。 まるで衝撃により舞い上がった土埃で一寸先も見えない状況のようだ。 土埃が収まってから良く見…