メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコ

トルコは「イラン」になってしまうのか?

2007年にトルコで国政選挙が実施される前だったと思う。 イスタンブールでエルドアン氏のAKPを支持する保守的な友人家族を訪ねたところ、折しも選挙戦の真っ盛りとあって、友人らも選挙戦を報じるニュース番組を注視していた。 当時、与党AKPは親…

エルドアン大統領の後継者は?/トルコと日本の文民統制

エルドアン大統領が4年後に任期満了で退任するとして、その後継者は果たして誰になるのだろう? 今のところ、現外相のハーカン・フィダン氏が有力視されているらしい。野党側は、対立候補に現イスタンブール市長のエクレム・イマムオール氏を擁立するのでは…

エルドアン大統領の任期は?

与党AKPが惨敗した地方選挙で、まだ選挙戦が競われていた頃、地方遊説に飛び回っていたエルドアン大統領が4年後の勇退を示唆して話題になっていた。 エルドアン大統領は、「法律上、これが私に与えられた最後の任期になる。選挙戦もこれが最後である。そ…

戦争と宗教(トルコの軍)

《2019年6月16日付け記事を省略して再録》 2001年の5月、イスタンブールにあるロシア正教会の教会を訪れ、ロシア人司祭の話を伺ったところ、この司祭さんはロシアの歴史上の人物としてスターリンを高く評価し、フルシチョフに対しては批判的だっ…

トルコの与党AKPは何故敗北したのか?

昨年の大統領選挙・国政選挙で勝利を収めた与党AKPが、何故、今回の地方選挙で惨めな敗北を喫したかについて、多くの識者が以下のように論じているようだ。 大統領選挙では「国の存亡の危機」を認めて、エルドアン氏に投票した支持者らも、国政とは次元の…

トルコの地方行政府

日本では、リニア新幹線のトンネルの工事が静岡県の許可を得られないために止まっているけれど、トルコの各地方行政府にも同様の権限はあるのだろうか? 調べてみないと解らないが、トルコの地方行政府では、民選の知事・市長と共に「ヴァーリ(Vali)」とい…

トルコの地方選挙~与党の敗北

トルコの地方選挙は与党AKPの惨敗に終わった。注目されていたイスタンブールで市長の座を取り戻せなかったばかりか、全国の得票率でもCHPを下回ってしまった。 投票率が非常に低かった(それでも78%!)ため、昨年の大統領選でエルドアン氏を支持し…

近づくトルコの地方選挙

トルコでは3月31日に地方選挙が行われる。 この選挙で最も注目されているのは、「イスタンブール市長の座をCHP(共和人民党)の現職イマムオール氏が守るのか、対立候補に元閣僚のクルム氏を抜擢した政権与党AKPがその座を取り戻すのか」だろう。 …

トルコとイラクによる「発展の道プロジェクト」

今、トルコで話題になっている大きな国家プロジェクト、一つは「Zengezur Koridoru(ゼンゲズル回廊)」と言われるプロジェクトで、トルコとアゼルバイジャンを道路と鉄道で直結させようというものだが、アルメニアかイランのいずれかを通過しなければならな…

ピザハットのピザと50年以上前に食べたピザの思い出

今日は「春分の日」、イランでは新年「ノルーズ」を祝い、トルコでも「ネヴルーズ(ノルーズと同様に新年の意)」と言って春の到来を祝う。 それで、せっかくの休日であるし、朝から何処かへ出かけようかと思っていたけれど、天気が良くなさそうなので止めに…

トルコはいよいよエネルギー全開か?

イスタンブールの街角で、運転手がサンドイッチを食べながらトラックを走らせているのを見て驚いたのは2014年のことだった。 そうやって、トルコの人たちがガツガツ働くようになったのは、いつ頃からなのだろう? 1999年~2002年、私がアダパザ…

第5世代戦闘機とトルコの新世代

トルコで、開発中の国産戦闘機「カーン(Kaan)」が初のテスト飛行に成功した。このニュースは日本でも大きく報道されたようである。 米露中に続く「第5世代戦闘機」の開発と伝えられているけれど、これが何を意味するのか、専門的な知識のない私には良く解…

ベトナムの菓子「バイン ダウ サイン」 // トルコの「バーデム エズメスィ」

先週、姫路で購入して来たベトナムの菓子は、かつての王宮でも愛された「バイン ダウ サイン」という非常に由緒のある菓子だそうである。 私は食べて『これはトルコのヘルヴァ(ハルヴァ)だな』と思ったけれど、ヘルヴァもオスマン帝国の時代には、宮殿に「…

トルコの中央銀行総裁が辞任

エルカン中央銀行総裁が辞任したニュースにも驚いたが、それ以上に、エルカン氏が辞任の理由として掲げた「未だ1歳半に満たない我が子を守るため」という話にも驚かされた。 自身に対する誹謗中傷が激しくなり、これによって子供が傷つくのを防ぎたかったと…

トルコがスウェーデンのNATO加盟を承認

トルコがようやくスウェーデンのNATO加盟を承認した。 そのため、米国も懸案となっていた戦闘機の売却を承認したと伝えられているけれど、この戦闘機の件やテロ対策など表向きの理由の他に、トルコが承認を先延ばしにしてきた要因はなかったのか? 一方…

米国に20年前イラクへ侵攻した当時の「力」は未だ残っているのか?

21年前、米国によるイラク侵攻が迫った2002年12月30日、トルコのラディカル紙に、ネシェ・ドゥゼル氏(女性)がトルコ海軍の退役中将アッティラ・クヤット氏にインタビューした記事が掲載されていた。 クヤット氏は、この戦争にトルコは米国と共に…

アメリカは200年の歴史しか無い子供だ!

2019年以来、トルコ軍は「Pençe Operasyonları(鉤爪作戦)」と呼ばれる一連の越境作戦を北イラクで展開している。 これは北イラクを根城にしているテロ組織PKKを壊滅させるための作戦で、PKKは既にトルコ国内からほぼ一掃された状態であるという…

いつ何処で買っても「宝くじ」の当たる確率は変わらない・・・

先月の末頃、配送業務で、いつも渋滞している2号線をのろのろと進みながら、沿道の様子を眺めていると、長蛇の行列が出来ている所があって何事かと思った。 良く見たら、「年末ジャンボ宝くじ」を買い求める人たちが寒空の中を並んでいるのである。 その後…

ジャムを作らないのは主婦の恥?

ドイツの黒パン「プンパーニッケル」は、三宮のフロインドリーブにもあるという。コメント欄で教えて下さった方がいる。ありがとうございます。 三宮まで行く機会があれば是非購入してみたいけれど、今のところ、プンパーニッケルを買うには、姫路のカルディ…

12月はシュトーレンの季節

トルコに居た頃は、春から夏にかけて、チェリーやイチゴのような果物が市場に安く出回るのを楽しみにしていた。1~2kgぐらい買い込んで貪るように食べた。 日本でこんな贅沢はとてもできない。果物で季節に必ず食べるのは柿ぐらいなものだ。それも4個入…

アルコールは一滴も飲んではならない/宗教で無理強いがあってはならない

10年ほど前、2012年か2013年だったと思う。イスタンブールのユルドゥズ工科大学にイスラム神学部の先生を訪ねたところ、先生はパソコンで何やら執筆中という様子だった。 挨拶すると、パソコンの画面から顔を上げて、「今、聖典によればアルコール…

PKKのテロ組織認定/日本のイメージは下がる一方なのか?

1週間ほど前、「公安調査庁がトルコのPKKをテロ組織とする認定を取りやめた」というニュースが報じられていたけれど、公安調査庁の説明によれば、各国のテロ組織の動向を伝える公安調査庁のホームページからPKKの項目が無くなっただけであり、これは…

政治家には「良い人」が多い?/何事にも慎重なエルドアン大統領?

40年ぐらい前の記憶で、例によってあやふやだが、ラジオの番組で松山千春氏がリスナーから寄せられた手紙を紹介していた。 手紙の内容は、「某政治家と身近に知り合ったら、意外と腰が低い好人物なので驚いた」というような話だったけれど、これに対する松…

創価学会と統一教会

創価学会の池田大作氏が亡くなり、様々な論評が出ている。「民衆の信仰の場である創価学会に最盛期をもたらした」という肯定的な評価も多い。 私はその魅力が何処にあったのか良く解らないが、それは信仰を同じくする人でなければ共感できないものであるよう…

日経新聞で紹介されたトルコワイン

11月16日付け日経新聞夕刊の「酒紀行」というコラムのテーマは「トルコワイン」だった。 イスタンブール支局の木寺氏による記事は、現地取材により、意欲的な醸造元を紹介しているばかりでなく、トルコワインの歴史的な背景まで明らかにして、とても読み…

文武両道の武士

16年ほど前、愛知県の東海市と姉妹都市になったブルサ県のニルフェル市(区)で、双方の中学生のハンドボールチームによる親善試合が行われた。 大人でも全般的にトルコ人の方が大柄であるように思えるが、中学生では第二次性徴の早いトルコ人が日本の少年…

困難な状況の中で建国を達成したトルコ共和国/果たして日本は? そして韓国は?

「一水会」が発行している月刊誌「レコンキスタ」の11月号に、トルコ共和国の建国100周年を記念して一水会フォーラムで講演したイナン・オネルさんの講演録が掲載されている。 トルコへの祖国愛に満ちたイナンさんの講演について、私如きが申し上げるこ…

今の私には「移動の自由」もないのか?

1991年にソビエトが崩壊すると、西側陣営はこれを「自由主義の勝利」と喧伝した。私はその勝利を歓呼して迎えたわけじゃなかったが、漠然と「これから世界はもっと良くなるだろう」と思っていた。 あれから既に32年が過ぎている。果たして世界はもっと…

トルコを語り始めたら止まらなくなる

昨日は、友人と三宮で三軒はしごしてトルコを語り合ってきた。友人とは1991年にイズミルで知り合って以来の長い付き合いである。当時、エーゲ大学のトルコ語教室で学んでいた日本人は友人と私の2人だけだった。 イズミルの思い出から現在のトルコ情勢に…

ドイツの黒パン「プンパーニッケル」

先々週、姫路駅ビル内にある「ドンク」で、「ドイツパンフェア」が催されていた。そこで、ずっしりと重みのあるライ麦パンを1袋買ってきて食べてみたが、特有の酸味があってなかなか美味かった。 ライ麦パンを食べたのは実に久しぶりだったと思う。ひょっと…