エルドアン大統領が参席したBRICSの総会で、トルコのBRICS加盟は見送られたようである。プーチン大統領との会談でも特に議題へ上がることはなかったらしい。
会談で最も重要なテーマとなったのは、トルコを天然ガス供給のセンターにする案件だったという。これはロシアがトルコを経由して欧州へ天然ガスを供給する計画である。
ひょっとすると、そのため、トルコはBRICSと密接な関係を築くだけで加盟せず、欧州と良好な関係を維持した方がロシアにとっても最適なのではないだろうか。ロシアが「トルコのBRICS加盟」を仄めかしていたのは、やはり欧州の反応を確かめるつもりだったのかもしれない。
欧州にしても、ロシアの天然ガスをトルコ経由で間接的に購入すれば、米国の非難をかわすことが出来る。そんな狙いがあるような気もする。米国の横暴には欧州も困り切っているらしい。
一方、米国にも「これ以上敵を増やして一極支配を進めるのは無理」と考える人たちは少なくないそうだ。こういった人たちがトランプ氏を担いでいるのではないかと言われている。
願わくは、来月の選挙でトランプ氏が当選し、「対決」から「対話」へと方向転換を図ってもらいたい。この数年、世界は「コロナ騒ぎ」からウクライナ戦争、そしてイスラエルのレバノン侵攻に至るまで、余りにも異常な事態が続いている。
米国が一極支配を諦めて、世界が段階的に多極化の方向へ進むのであれば、米国はその中で強力な一極となり得るだろう。何処の国も決して「米国の崩壊」などは望んでいないと思う。