メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ウクライナ戦争の行方は?

トルコの報道を見ていると、欧州はかなり難しい状況にあるらしい。特に、天然ガスをロシアからの輸入に頼っていたドイツは、この冬をどうやって乗り切るかが大きな課題になっているという。それでも、対ロシア経済封鎖を推し進めようとする米国に従っているのは、結局、軍事的に押さえつけられているからだと論じる識者もいる。

ドイツに駐留する米軍の兵力は3万人を上回っているそうだ。日本には5万人以上の兵力が駐留している。米国との対立は、できる限り避けざるを得ないのだろう。

そのため、ウクライナ戦争に関する報道も、かなりウクライナ・米国・NATO寄りになっているかもしれない。

トルコは今のところ、中立的な立場を維持しているので、報道各社の姿勢も中立的なものから親ロシア、親欧米と様々である。

しかし、これまで歴史的に米国から酷い目に合わされてきた経緯もあり、多少、反米的な論調が目立っているような気もする。

こういった多様な報道の中から真実に近いものを選び出すのは、かなり難しいのではないかと思う。

反米的なトルコの識者によれば、ロシアは既に併合した4州で守りを固め、積極的な攻撃を控えて兵力を温存しながら冬の到来を待ち、困難に陥った欧州と交渉の場を持って停戦へ持ち込むのではないかという。これを希望的な観測と見做すこともできるだろう。

しかし、ウクライナ・米国側の報道にも希望的な観測はあるに違いない。

「ロシア軍崩壊・ウクライナ軍大攻勢」というけれど、それほど有利な立場に転じたのであれば、最も重要な拠点であるマリウポリを奪回しなければならないはずである。

この拠点を手放したくはないために、ウクライナ側は製鉄所に立て籠もって決死の防戦に臨んだのではなかったか。これを奪回すればロシアを窮地に追い込むことができる。

一方、ウクライナ・米国の思惑通りに進んでいるのなら、サウジアラビアが米国の増産要求を撥ねつけて、さらなる石油減産に踏み切れたのか疑問である。 

世界の各国が既に米国の足元を見ながら、国益を重視した戦略を取り始めたようにも思える。

果たして、今後の展開はどうなることだろうか?

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