「911」から22年が過ぎた。当時、私はアダパザル県クズルック村にある邦人企業の工場でトルコ語通訳として働いていた。41歳だった。
事件と翌日の報道を見た時の驚きは、以下の駄文にも記している。
今、振り返ってみると、あの頃から米国の様子がどうも変になってきたように思われてならない。
「911」には、発生直後から今日に至るまで、延々と「陰謀説」が囁かれ続けてきた。
確かに、ハイジャック犯らが航空機を操縦してワールドトレードセンターやペンタゴンに突入させることが可能だったのか等々、不可解な所は少なくないようだ。特に、ペンタゴンがあれほど無防備な状態だったのは、当時から信じがたい気がした。
もちろん、ハイジャックの目撃者は全員亡くなっていて、全ては憶測で論じられているに過ぎない。
「陰謀説」と言えば、ケネディ暗殺事件を思い出すが、あの頃は米国にも余裕があったのか、陰謀があったとしても、結構スマートにやってのけていたような気もする。
「911」は、まるで劇画のようであり、陰謀があったとすれば、実に大袈裟でがさつなやり方だったのではないだろうか?
報復を正当化するためだとしても、あれほど劣悪な劇画にさせる必要はなかったはずだ。私は同様の劇画的なものを「コロナ騒ぎ」にも感じている。そして、安倍元首相の暗殺にも・・・。
その後、米国は「化学兵器の存在」といった根拠のない主張に基づいて、イラクへ侵攻している。
現在、ウクライナ侵攻でロシアは散々悪者扱いされているけれど、イラク侵攻は民間人に与えた被害などで、ウクライナ侵攻の比ではなかっただろう。
多くの人々が20年前の悲劇を忘れてしまったのかもしれない。
イラク侵攻以降の米国を見ていると、世界支配への異常な執念が感じられるようで恐ろしい。
各国で反米的な政権がカラー革命によって倒され、米国の傘下に取り込まれた。ウクライナもそうである。
トルコでは、2016年7月のクーデター事件が米国の謀略であると、ほぼ断定的に語られるようになってきている。
おそらく、米国にも「この状況は恐ろしい」と感じている人は少なくないのだろう。
選挙前に中東からの撤退を公言していたトランプ氏は、トルコの報道によると、「クーデターで他国の政権を倒すのは止めなければならない」と語っていたそうだ。
トランプ氏が1人で踊っていた(踊っている)とは到底考えられないので、神輿を担ぐ一定の勢力が米国内に存在しているのではないかと思う。
米国は余りにも多くの敵を作ってしまった。こうなると、引いて敵と和すか、無理にでも敵を全滅させるかの何れしかなくなる。現在は後者の方向で驀進しているようで本当に恐ろしくなる。