トルコのダロン・アジェムオール氏がノーベル経済学賞を受賞した。
米国を中心とする世界秩序を肯定して、中国やBRICSを脅威と見做すアジェムオール氏の受賞は、トルコで称賛と共に反発も招いているようだ。
ドウ・ペリンチェク氏の率いる「祖国党(Vatan Partisi)」の中国代表であるオルチュン・ギョクテュルク氏が、アイドゥンルク紙へ寄稿した論説には、冒頭から以下のように記されている。
「アジェムオールのネオリベラルな見解は、『法の支配』『民主主義』『人権』といった米国によって中身を抜かれ、帝国主義者による介入を導いた概念を掲げながら、世界的な搾取のメカニズム、分けてもアメリカ帝国主義の役割りを包み隠している。アジェムオールのような人たちの歴史的な役割りもここにある。」
トルコのBRICS加盟を強く主張している祖国党としては、当然の反発ではないかと思う。
昨年の大統領選挙で、ペリンチェク氏は「グローバルな帝国主義との対決」を訴えて、エルドアン大統領への支持を表明していたが、アジェムオール氏は対立候補であるクルチダルオール氏の経済アドバイザーを務めていたという。
当時、クルチダルオール氏は「大統領に当選したらアジェムオール氏を財務相に任命する」と明らかにしながら、「アジェムオール氏は数年の内にノーベル賞を取るだろう」とも語っていたため、予言が的中した今回の受賞を称賛して、ことのほか喜んでいるらしい。
しかし、エルドアン政権の現財務相であるメフメット・シムシェク氏も受賞に対して称賛のメッセージを出していたそうである。
シムシェク氏も現行の世界秩序を肯定した経済政策を進めているので、当然の称賛と思われるが、明後日にもロシアのカザンで開幕するBRICSの会合へエルドアン大統領も参席し、トルコのBRICS加盟が決定されるのではないかと言われている。
トルコの立場はなかなか複雑であるかもしれない。