メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

天然ガス~原発・・・

(1月27日)

イエニドアンでは、今でもたまに1~2時間の停電がある。月に3~4回は起きているような気がする。断水は滅多になくなった。あっても、3~4カ月に一度ぐらいじゃないだろうか。

最も成績が良いのは都市ガスで、未だかつてガスが来なくなったのは記憶にない。うちのガス・スチーム暖房は、電気が入らないと作動しないから、停電したらお終いだが、それでも冬の寒い時期に、途絶えることなくガスが供給されているのは頼もしい。

昨年の末以来、ロシアが天然ガスの供給を打ち切るとか、いろいろ言われていたけれど、今のところそういう心配もなさそうである。

しかし、こうしてエネルギーの供給を何処かへ一方的に依存しているのは、生殺与奪権を彼らに握られてしまっているようなもので、かなり不安な状態かもしれない。

トルコは、発電の多くも天然ガスに頼っているというから、尚更だろう。先々週、調味料のホンダシが切れたので、日本食材店へ仕入れに行ったところ、トルコ人の経営者の方がそんな話をしていた。

外国から供給される天然ガスや石油だけで電力を賄うのは、非常に危ういと言うのである。それで、「日本の原発の建設はいつ始まるのか?」と問いたかったらしい。

もっとも、この方の場合、原発の建設が始まれば、トルコへ出向して来る大勢の日本人技術者により、食材の売り上げが伸びるという計算も含まれているに違いない。

とはいえ、日本に先んじて、トルコで原発の計画を進めている国が、他ならぬロシアなのだから、日本への期待が高まるのは当然じゃないかと思う。

実際、ロシアによる原発建設は、色んな面で、あまりにもリスクが大きいような気がする。なんでまた、こんなリスクを背負い込んでしまったのだ。アメリカやEUを牽制するため、なんて説も囁かれているけれど、本当だろうか?

いずれにせよ、元来、トルコの人たちが、生殺与奪権を握られていると不快に思って来たのは、ロシアというより、むしろアメリカだったはずである。

アメリカとEUに経済封鎖されて苦しんでいるロシアが、トルコを経済封鎖すると明らかにしたところで、トルコも大した衝撃は受けないけれど、アメリカにこれを仄めかされたら、それだけで慌てふためいてしまうかもしれない。

トルコでは、「世界の石油価格の変動を握っているのはアメリカ」という説も良く聞かれる。アメリカは、ロシアがギブアップするまで、石油価格を下げさせるらしい。かつて経済戦略だけでソビエトを崩壊させたアメリカは、またしても軍事力を一切使うことなく、ロシアを屈服させるつもりではないかと言うのである。

そもそも、NATOの一員であるトルコは、牽制ぐらいが関の山で、アメリカに逆らえるわけがないそうだ。経済、エネルギーだけでなく、軍事的にも肝腎な所を握られているということなのか・・・。

トルコ軍の兵員は70万に及び、NATOアメリカに次ぐ規模を誇っているものの、技術力で相当な差をつけられてしまったようである。

ところで、この兵員70万というのは、徴兵による頭数も含まれているのだろうか。今、ネットでちょっと調べても、答えは見つからなかったが、現在、徴兵期間を大幅に短縮して、3カ月ぐらいにする法案が審議されているという。それで兵員数にも影響が出るのかどうかは良く解らないが・・・。

しかし、今でも、留学等による外国生活が長い人は、一定の金額を支払えば、僅か数週間の入隊で済むらしく、1年間の兵役を務めた若者が、その不満をフェースブックに投稿していた。徴兵期間の短縮は当然の成り行きではないかという気もする。

例えば、エルドアン大統領の次男ビラル氏も、この数週間の短期入隊で済ませているらしい。長男は病気レポートで全く兵役を務めていないそうである。他に、何人もの政治家の子弟が、フェースブックで取り沙汰されていた。

軍高官の子弟たちも、短期入隊で済ませている場合があるようだから、最早、そういう文化なのだと言うよりない。韓国も同様だが、その中で、子息を士官学校に行かせた朴正煕大統領は、やはり偉かったと思う。

おそらく、朴正煕大統領は、戦前の日本に範を取り、戦前の日本は英国に範を取ったのだろうけれど、その英国が今でも王族の子弟を兵役に就かせているのは、なんとも感慨深い。英国の伝統の力を感じてしまう。

戦後の日本にも、そういう伝統はある程度受け継がれてきたはずである。少し奇抜な例を挙げるなら、赤軍派も高学歴の中心人物が自ら武器を手に戦っていた。

ところが、トルコでPKK幹部の多くは、白髪禿頭の老人になるまで生き長らえている。彼らは前線に出て戦ったことがあるのだろうか? 現在、内戦状態となっている南東部では、貧しい戦闘員の若者ばかりが死んでいるように思えてならない。

 

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