メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

15で姐やは嫁に行き

 「赤とんぼ」にも、「15で姐やは嫁に行き」と歌われているくらいで、かつてはその年齢で嫁に行く女性が少なくなかったのだろう。しかも、当時の日本は、“数え年”を使っていたので、この“15”は、現在の“13~14歳”に相当している。
また、食生活の変化に伴い、戦後、日本人の性成熟は早くなったそうだから、その頃の“13~14歳”は今よりもっと幼く見えたのではないか。現代の日本で、中学生の性行為に驚いたりするのは、なんだか野暮であるような気もする。
トルコの状況はさらに複雑である。救済処置法案の騒動に見られるトルコの困難は、「赤とんぼ」の時代の日本を思わせるような農村等が未だ残っているのに、大都市の人たちの感覚は、中学生の性に驚いていた「40年ほど前の日本人」とそれほど変わらなくなっているところにありそうだ。
やはり、厳罰を科してでも、農村等における早婚の風習を根絶させないと、そのうち大都市では、“中学生の性”という新しい問題が生じて一層ややこしくなってしまうかもしれない。
とはいえ、トルコの中学生や高校生の間で、日本並みの「性の氾濫」がそうそうに起こるとも思えない。
15~6年前の話だが、イラン人留学生の友人ルザが働いていたスルタンアフメットの絨毯屋に、アバンギャルドを気取った22~3歳のトルコ人女性が良く訪ねてきて、何度もルザに、「私、処女じゃないのよ」と打ち明けたという。
ルザは、「欧米や日本で、わざわざそんな話をする女いないよな? 彼女、相当無理しているんじゃないの?」と笑っていたけれど、確かに、タバコをひっきりなしに吸っていたりして、かなり変わった雰囲気の女性だった。彼女は、「性」を、打ち破らなければならない因習のようにとらえていたのだろうか?
2005年に公開された映画では、設定18~20歳ぐらいと思われる、髪の毛を真っ赤に染めた不良女が登場して、女友達に「私、処女なの」と打ち明けたりした。あれを日本でやったら、何のリアリティーも感じられないと思う。私は観ていてずっこけてしまった。
しかし、この10年で、トルコの社会も大きく変わった。今やインターネットで、海外の情報が瞬時に入って来る時代である。上記の話を、今の若い人たちが聞いたら、「古臭い」と言って笑うかもしれない。 

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