トルコのニュース番組で、イランの「道徳警察」が復活したと報じられている。
昨年、スカーフを正しく被っていなかったとして「道徳警察」に逮捕された女性が死亡した事件の後、大規模な抗議デモが続いたため、取り締まりを中止していた「道徳警察」は、10カ月間の「活動停止」を経て再び街頭での取り締まりを開始したという。
以下の「トルコとイランの世俗化」という駄文で、スカーフを被っていない多くの女性が往来するテヘランの様子が見えるYouTube動画を紹介したけれど、どうやらあの状況へ至るまでには、当局が道徳警察の取り締まりを中止してから数か月が経過していたようだ。
おそらく、イランの女性たちも様子を見ながら少しずつスカーフを外して行ったのだろう。
そして、数か月後、エリアによっては殆どの女性がスカーフを被っていない状況が出現するに至った。
取り締まりの再開を明らかにした当局は、このままでは世俗化の勢いが止まらなくなることを恐れたのかもしれない。
上記のトルコのニュース番組では、道徳警察の幹部と思われる厳めしい髭面の男が画面を通して女性たちに注意を喚起しているところも見ることが出来るけれど、女性のスカーフよりも、この男の汚らしい髭を何とかしてもらいたくなる。こちらの方がよっぽど不道徳に見えてしまう。
一方、イランの女性たちは、こういった道徳警察の警告にも決して怯んではいないらしい。
イランで街頭インタビューに答える若い女性の姿をトルコのニュース番組(以下のYouTube動画)が伝えている。
女性は「以前のように道徳警察に従う人はいない。最後の手段は暴力を行使することだが、それも出来ないだろう」と語り、凛とした態度である。
抗議活動の最中に500人以上が亡くなり、裁判にかけられて死刑に処せられた人もいるというのに、この発言は大変な勇気ではないかと思う。