トルコでは、再選されたエルドアン大統領の閣僚人事が注目されている。新閣僚は、6月3日の夕方頃明らかになるという。
経済運営を担う閣僚には、メフメット・シムシェク氏の名が挙がっている。しかし、この難しい経済状況の中で、シムシェク氏は敢えて火の中の栗を拾うような危険を冒すだろうか?
シムシェク氏に舵取りが任された場合、インフレ率に見合った利上げを行うのではないかと言われているけれど、トルコの経済、それだけで乗り切れるような難局ではないらしい。
多分、最も手っ取り早い方法は、米国との関係を良好な状態に戻して、IMFの融資を求めることじゃないかと思う。2001年の経済危機もこれで何とか克服されたという。クルチダルオール氏が当選していれば、おそらく同様の手順を試みたように思える。
しかし、過去の経過を振り返って見ると、IMFの融資はカンフル注射のようなもので、外国からの投資も増えて一時期シャキッとなるものの、外資に引かれるとまたぐったりして、さらに融資を求めるという悪循環に陥ってしまう。
カンフル注射どころかシャブ漬けの状態と言っても良いかもしれない。米国はこの方法で発展途上国を従わせていたと主張する識者もいる。
トルコは、こういった悪循環の歴史を見て来たので、クルチダルオール氏が大統領になっても、またその繰り返しになると判断した人は少なからずいたのではないだろうか?