「7月15日クーデター事件」で司令塔の役割を果たしていたのは、アディル・オクスズというギュレン教団系の宗教学者ではないかと言われてきた。
オクスズは、事件発生の翌日、アンカラの空軍基地付近で身柄を拘束されたものの、クーデターには加わっていなかったと結論付けられて、2日後に釈放され、以来、行方をくらましたままである。
その後、オクスズの関与が浮かび上がり、海外渡航歴等を調べたところ、事件直前の7月11日~13日、アメリカへ渡航していた事実が判明したそうだ。
これは、クーデター作戦の最終決定をギュレン師に仰ぐためだったのではないかと論じられている。
先日、このアディル・オクスズの携帯電話記録に、7月21日、アメリカ領事館に属する番号からの受信歴があったと発表されて、また大きな波紋を呼んだ。
これに対して、アメリカ大使館は、「トルコの捜査当局の要請を受けて、オクスズのアメリカ渡航ビザを取り消したが、規定上、これを本人に通知しなければならないので電話した」と弁明しているけれど、これが逆に波紋を広げてしまった。
トルコの識者によれば、これは納得し難い「奇妙な弁明」であるという。
まず、そういった通知規定の存在を疑問視する声も出ているが、多くの識者は、何より、以下の矛盾点に注目しているようだ。
「そもそも、アメリカはギュレン教団のクーデターへの関与に否定的だったのに、何故、当局の要請に従って、オクスズの渡航ビザを取り消したのか?」
また、「それなら、現在、アメリカに滞在しているギュレン教団メンバーのビザも取り消さないと辻褄が合わない」という指摘もある。
一方、アメリカの大手メディアは、「FBIが、ギュレン教団系の学校による不正な資金集めを捜査している」と報じたらしい。果たして、この後に何か大きな展開が続くのだろうか?
2016年8月27日(土)
東京新聞「こちら特報部」
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