メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

分断国家の研究/ソウルの中国人旅行者

1987年~88年にかけて、韓国語を学んでいたソウルの延世大学語学堂で、初級クラスの頃じゃなかったかと思うが、同じ教室に若いドイツ人の女性がいた。
なんでも、分断国家の研究をしていたそうで、韓国へ来る前には、台湾と中華人民共和国でも研究に携わっていたため、韓国語よりも中国語の方が遥かに得意だったらしい。
韓国の次は、北朝鮮へ行く予定になっていると言い、「北には行きたくない」と笑っていた。
しかし、それから3年ほどで、ドイツは統一を成し遂げている。彼女は、北朝鮮に行かなくても済んだかもしれないが、研究テーマはどうなってしまっただろうか?
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聞くところによると、現在、韓国の観光業界は、中国人の旅行者が激減して、難しい状況に置かれているそうだ。
2015年の夏にソウルを訪れた時も、中国人旅行者の姿は目立っていたが、その後さらに増えて、昨年の夏辺りは、何処の観光地も中国人旅行者でいっぱいだったらしい。
それが、秋以降、一気に減ってしまったため、対策を施す間もなかったようである。
2015年の夏、在韓華人の友人明岩さんに、「中国人の旅行者を相手に仕事すれば儲かるんじゃないの?」と訊いたら、彼は笑って取り合わなかったけれど、今から考えれば、確かに妙な色気を見せても、大した儲けにはならなかっただろう。
明岩さんの家は、もともと山東省から満州を通って、韓国へ渡って来たそうだが、彼自身は台湾で21年間暮らしていたため、大陸には何の郷愁も感じていないようだった。
それどころか、台湾の人たちと同じように、中国への嫌悪感を隠そうとしなかった。呆れるくらい誠実な人間だから、そんな気持ちを抱いたまま、中国の人たちを相手に金儲けはしたくなかったのかもしれない。

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