メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

全斗煥元大統領の訃報

韓国の全斗煥元大統領の訃報が伝えられた。私が初めて韓国を訪れた1987年当時の大統領だった。

全斗煥氏は1979年のクーデターによって政権を掌握すると、米国、そして日本との関係を強化して、韓国に経済的な繁栄をもたらし、1988年のソウルオリンピックを実現させる。

当時、私はソウルで韓国語を学びながら、『日本も韓国もこれからどんどん良くなって行くだろう』とボンヤリ考えていた。

今から思えば、なんとも解りやすい時代だったと言えるかもしれない。日本は冷戦の構造の中で繁栄の絶頂にあり、韓国も日本の後を追うためには、米国との関係を強化する以外に選択肢はなかっただろう。

あれから、30年余、まずはソビエトの崩壊と冷戦の終結があり、その後は中国の台頭により、世界は大きく変わろうとしている。

全斗煥大統領の政権が、当時の現実を良く見極めて、経済発展を導いたのは確かだと思う。

しかし、私が当時の古い頭のまま、2003年に発足した盧武鉉政権以降、親米と反米の間で揺れ動いた韓国の問題は、非現実的なイデオロギーにあると決めつけていたのは明らかな誤りだった。

考えてみれば、現在収監中の朴槿恵前大統領も、その親中的な姿勢が米国で批判されたりしていた。

朴槿恵氏の中国語はほぼネイティブのレベルであるそうだ。ひょっとすると、父・朴正煕氏は、将来の中国台頭に備えて、娘に早くから中国語の教育を与えていたのかもしれない。

果たして、これから世界はどうなって行くのだろう?

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