メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ロシア/韓国

 西部劇で得られたイメージの所為か、私は子供の頃、インディアンが居住していたのは、アメリカの西部だけだと思い込んでいた。実際は、東海岸、今のニューヨークの辺りにも、多くの先住民が暮らしていたという。
南米では、スペイン・ポルトガル系の人々と混血したりしながら、言語等の面で同化されて行ったようだが、北米では、そういった形跡すら窺えない。現在、先住民の人々は、特定の居住区や大都市圏で僅かながら命脈を保っているだけらしい。
一説には、相当な殺戮が行われたのではないかと囁かれている。オーストラリアの先住民に関しても、同様の説がある。
こういった事例に比べれば、ロシア人が中央アジアやシベリアへ進出して行った歴史は、よっぽど品が良かったような気もする。ロシアに対する、余り好ましくないイメージには、冷戦の時代を通して、作り上げられてしまった部分も少なくないだろう。
いつだったか、“YouTube”で観た、ウラジオストクの観光名所を日本に紹介するクリップで、「最も近いヨーロッパ」なんてキャッチフレーズが使われていた。サハリンは、もっと近いヨーロッパであるかもしれない。
トルコでは、ロシアの接近に対して未だ警戒感があり、「西欧との関係を重視しながら、ロシアとも友好を・・・」と言う識者が多い。日本もこのぐらいの姿勢で取り組めば良いのではないかと思う。
しかし、個人的には、日本とロシアの関係が、より早く発展するように願っている。ロシアには、親日的な人も非常に多いそうだ。

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国をあげて反日やっている韓国にも、親日的な人は多い。「政治的には反日だが、個人としては親日」という人もいる。
また、かなり反日的な人であっても、日本を無視しているわけじゃない。日本の経済等を良く調べていて、その実力を正当に評価していたりする。それどころか、場合によっては、過大に評価する傾向さえ感じられる。
反日教育によって植え付けられた恐怖心の所為か、『普段は大人しいが、集団的な発作を起こすと恐い人たち』なんてイメージで語られていることもあった。『何か決意した時の日本人は恐い』と思っている韓国の人は存外少なくないかもしれない。
そのため、かつては、ある程度、日本の顔色を窺いながら、反日やっていたような気がしないでもない。ところが、過剰に謝罪を繰り返す、一部の日本人の影響で、韓国の人たちも日本の一般的な傾向を見誤ってしまったのではないだろうか?
お陰で、問題が余計に拗れて、袋小路に入り込んだまま、出口が見つからない状況に陥っているようだ。日本と韓国の関係は、いつかきっと良くなると信じて来たのに、まったく残念でならない。
韓国語をこれ以上忘れないように、ネットで韓国のKBSニュースなどを視聴したりしているけれど、大統領の弾劾、北朝鮮の挑発、経済の沈滞等々、暗いニュースばかりで、ある面、トルコよりももっと危険な状態じゃないかと思ったりする。
しかし、トルコの問題が、私にとって、もう他人事ではなくなっているのに対して、なんだか随分冷静に考えられるようになってしまった。やはり、住んでいなければ、血の通った視点は得られ難くなるのかもしれない。