メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

様々な日韓交流

 上記の駄文で、韓国のプロ棋士がコンピューターと対局した話題を取り上げて、「・・・若い有力棋士が韓国や中国へ武者修行に出かけたりする例はないのだろうか?」などと書いてしまったが、史上最年少でプロ棋士となった仲邑菫さんは、なんと7歳にして、韓国へ武者修行に出かけていたようである。
6歳で親元を離れて来日し、プロ棋士を目指して修業を積んだという趙治勲氏の例と比較するのは難しいものの、なかなか凄いチャレンジ精神じゃないかと思う。プロ野球では有力選手が続々と大リーグへ挑戦しているけれど、やはり厳しい実力の世界で活躍している人たちには、ジャンルを越えて共通する何かがあるのかもしれない。
この仲邑菫さんの活躍を、韓国のメディアがどのように伝えているのか気になって、“YouTube”で検索してみたところ、以下の2つの児童囲碁対局番組がヒットした。
(1)

  
(2)


(1)は仲邑菫さんが同年齢の韓国の少年と対局する前、(2)は対局の終盤と決着がついた後の様子で、残念ながら仲邑菫さんは負けて悔し涙を流している。
印象的なのは、(1)で番組の司会者が対局する児童を紹介する際、双方の名前だけを明らかにして、仲邑菫さんが日本の出身である等には触れていないところである。「囲碁の世界に国境はない」ということだろうか?
(2)では、解説を務めている方が、優しい口調で以下のように語っている。これはとても感動的だった。
「・・・私たちが勉強していた世代とイ・ジュヨンちゃんやスミレちゃんが大人になる頃は囲碁の世界も大分変っているはずです。韓国・中国・日本と区分けするのも昔のことになって、囲碁自体の魅力(?)で一つになる時代が来るでしょう。韓国・中国・日本と対抗(?)する時代ではないと思います。・・・・皆さんは、(今後)スミレちゃんをたくさん見る機会があるでしょう。よく覚えておいて、10歳の時、対局に負けてオイオイ泣いていた少女の姿を思い出してください」
最近、私の韓国語も大分錆びついてしまい、所々聞き取れない部分もあったけれど、このような内容ではなかったかと思う。
こういった日韓の交流は、他にも様々な分野で広がっているのではないだろうか? 
政治の世界では、対立や摩擦ばかりが話題になっているものの、「反日」にしても、日本の左翼イデオロギーに熱心な人たちを見れば、韓国の「反日」を応援しながら、非常に親密な交流を続けている例が少なくないらしい。
つまり、韓国で反日的なイデオロギーに熱心な人たちも、日本の同志らとは親密に交流しているわけだから、ある面、なかなか親日的であるような気もする。
一方、日本では、こういったイデオロギーの社会的な影響力が年々低下してきているのに、韓国ではイデオロギーを扱う文化人が社会の中心的な役割を果たすまでになり、政権もこの人たちが押さえてしまった。日本の同志らにとっては羨ましい限りであるかもしれない。