メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

コンビニで働く就学生

最近、コンビニのレジで外国人アルバイトの日本語が拙いとして、「日本人はいないのか?」などと文句を言う客がネットでも話題になっていた。しかし、こういった“客”はどのくらいの割合で出現するのだろうか?
私が送迎している配送センター等で働く就学生の中にも、コンビニでバイトした経験のある人は少なくないけれど、そういう不愉快な客の話はまったく聞いていない。深夜に訪れる酔客の扱いに苦労することはあるらしいが、これは日本人のバイトでも同様だろう。
インド人就学生のサイードさんは、逆にあまりにもフレンドリーな客に話し掛けられ、他の客への対応が遅くなって困ったことがあるという。
福岡市内では、何処のコンビニに行っても、ネパールやスリランカの人たちが働いているけれど、私もそういった不愉快な場面にはまったく遭遇していない。なんだか針小棒大に話が伝わってしまっているような気もするのだが、どうだろうか?
あるネパール人就学生は、「日本では、あまり日本語が巧く話せなくてもコンビニで使ってくれる。アメリカで英語が巧く話せなかったら、そういうわけにはいかない。日本は良い国だ」というように話していた。
また、「韓国では就労ビザが直ぐもらえるから、日本語学校に高額な学費(年間80万円!)を払わなくても済むけれど、賃金が韓国人より少ない(最近是正されたそうだが・・・)のは嫌だ。日本は日本人との差がなくて良い」という話も聞いた。
かつての大日本帝国は、朝鮮半島や台湾も領域に含む多民族国家だった。その後独立した韓国では、今でも執拗に反日教育反日報道・反日判決等々を続けているものの、「日本が好きだ」と言って、多くの韓国人旅行者が日本を訪れるところを見ると、それほど決定的な憎しみは根付いていなかったのではないか、と考えても間違いではないかもしれない。
西欧では、かつての植民地から来た移民が社会問題になっているそうだ。これは、西欧の行った過酷な植民統治とその後の差別が相当な憎しみを根付かせてしまった結果であるかもしれない。
ひょっとすると、日本は徐々に移民を受け入れることによって、西欧が果たせなかった理想的な多様化を実現できるのではないだろうか? とポジティブに考えても悪くないような気もするのだが・・・。
一方、何故、コンビニ等々が多くの就学生を雇用しなければならないのか、これも考えてみなければならないだろう。前述のサイードさんは、働いていたコンビニで、台風の日に配達の運転手さんがずぶ濡れになって運び入れた弁当やおにぎりが、台風で客足が途絶えたために、その殆どは廃棄処分になってしまった矛盾を語っていた。
こういった過剰サービスや、設備投資が出来ずに就学生を使って急場をしのいでいるような中小企業を整理してしまえば、外国人労働者に頼らなくても済むという説は概ね正しいと思う。
しかし、アメリカがなかなか衰えなかったのは、移民の人々が社会に絶えず厳しい競争をもたらしていたからに違いない。日本もたくましい移民の人々によって一層競争力を高めることも可能ではないだろうか?