メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

就学生は出稼ぎか?

「就学生の多くは出稼ぎの目的で日本に来ている」といった報道もあり、就学生らのビザ更新は少し難しくなったらしい。
実際、就学生の中には、いくつものアルバイトを掛け持ちしながら、定められた週28時間という労働時間を大幅に超えて働く者も少なくない。
しかし、彼らは日本語学校に年間80万円という高額な学費を納めなければならないため、週28時間の労働で最小限の生活費を得るだけでは、とてもやっていけないようである。(そのため近く週36時間に改正されると聞いているけれど、40時間ぐらいでも良いのでは・・・)
国元で借金して学費を納め、ようやく日本へ来ることができた就学生は、掛け持ちのバイトで得た収入の殆どを借金の返済に充て、また翌年の学費を稼ぐために働き続けなければならなくなってしまう。
日本語学校に2期(2年)通って卒業すると、大概の就学生はさらに2年制の専門学校へ進学する。本当に出稼ぎの目的で来ている就学生は、この進学で2年間のビザを獲得すれば、それっきり専門学校には殆ど通わず、2年間ひたすら働いて稼いでから国へ帰るそうだ。
とはいえ、これで残せる金額など高が知れているだろう。私が見聞きした限りでは、多くの就学生が専門学校を卒業して、日本での就職を目指している。職を得て国元から配偶者を呼び寄せ、日本の社会に根を下ろした人たちもいる。
就職がかなわず、4年間、日本で学校に通いながら働いただけで帰国を余儀なくされた場合、低賃金で働かされる技能実習生と何ら変わらないのではないかと思う。
例えば、日本語学校と専門学校に通って、一定レベルの日本語検定試験に合格した者には、無条件で就労ビザを与え、数年後に永住権あるいは日本国籍が得られるようにはできないものだろうか?
職を得て配偶者を呼び寄せ、幸せな家庭を築いたとしても、現状、失職してしまえばビザも更新できなくなってしまう。両親共にネパールの人であっても、日本で育って日本の学校に通う子供は、ネパール語が疎かになっている例もあるという。それで帰国しなければならなくなったら余りにも残酷だ。
永住権等が得られるのなら、就学生の制度だけで、他に労働力として外国の人を招聘する必要など、私はないと思う。就学生制度により、単なる労働者ではなく、日本語を学んで、日本社会への適応力を身に着けた逞しい人たちが加わることで、日本社会の競争力は高まるに違いない。
それなのに、大阪なおみ選手の活躍に喜んでいる人々が、外国人移住者の増大に目くじらを立てるとはいったいどういうことなのか? 外国から多くの人たちが日本へやって来なかったら、ダルビシュ選手らの活躍もなかったはずだ。そもそも、王貞治金田正一張本勲のいなかった野球界なんて想像もできないだろう。

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