「一水会」が発行している月刊誌「レコンキスタ」の11月号に、トルコ共和国の建国100周年を記念して一水会フォーラムで講演したイナン・オネルさんの講演録が掲載されている。
トルコへの祖国愛に満ちたイナンさんの講演について、私如きが申し上げることはない。興味のある方は、是非、レコンキスタを購入して読んで下さい。トルコ共和国が如何に困難な状況の中で建国されたのかご理解頂けるに違いない。
私はイナンさんの記事を読むため、6月からレコンキスタを購読している。以下のサイトからお問い合わせになれば、おそらくバックナンバーも購入可能ではないかと思う。
現在の複雑な国際情勢の中で、トルコが独自の外交を展開できるのは、100年前、さらに困難な状況の中で建国を達成した経験に基づいているのだろう。
これに比べると、日本が幕末に迫られたのは「開国か否か?」の二者択一であり、明治以降の近代化もその延長にあったのではないか。そのため、現在の複雑な情勢に対応できる経験値が得られていなかったように思われてならない。
幕末の時代、オスマン帝国と同じような難しい状況に追い込まれていたのは、日本というより隣国の朝鮮であったかもれない。その後、朝鮮は、親中派・親露派・親日派の対立の中で揺れ動き、近代化の面で後れを取ったばかりか、日本に併合されて独立を失ってしまう。
しかし、この歴史上の経験は、現在の複雑な状況の中で活かされつつあるのではないだろうか?
韓国が外交で見せる強かな一面は、歴史的な経験に基づいているのかもしれない。
朝鮮の時代も、外交を担う官僚は、中国・ロシア・日本の間で苦悩していたはずである。決して、旧来の伝統に固執して近代化を逸しただけではなかったと思う。