メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

最後の悪あがきなのか?

4日ほど前、ネットでニュース専門局の番組を観ていたら、コマーシャルに入ったので、他局に切り替えたところ、ちょうど元MIT(国家情報局)のジェマル・アルパスラン・エルトゥーという人物が、テロ事件の背景について話していた。
エルトゥー氏によれば、テロの続発は、トランプ時期大統領の就任とも関連があるらしい。
トランプ氏が、ロシアや中東に対する政策を大きく変革させようとしているため、「以前、トルコでも同様のことが起こったように、この変革を好まない“アメリカのシステムの深層”の一部が、就任までに色々なことを仕掛けている」と言うのである。
この局は、AKP政権寄りで、かなり国家主義的な傾向も窺える。(それほどイスラム的ではない) 『ふーん、なんだか眉唾のような』と思いながら耳を傾け、コマーシャルが終わる時間を見計らって、また観ていた番組に戻ったので、それっきりになっていた。
ところが、一昨日、アメリカの情報機関が、「大統領選に纏わるサイバー攻撃は、プーチン大統領の指示」と断定したという記事を読んで、また『ふーむ』と唸ってしまった。
こちらも相当に“眉唾”くさい。「プーチン大統領の指示」だなんて、いったいどうやって確認したのだろう? なんとなく、エルトゥー氏の語る「最後の悪あがき説」が一理あるのではないかと思えて来た。
それで、また検索して、エルトゥー氏の発言をもう一度聴いてみたけれど、理路整然と語っていて、なかなか信頼が置けるような気もする。
いずれにせよ、「トランプが大統領になれば、少しは良い方向に変わるだろう」というポジティブな意見なので、聴いて嫌な気持ちにはならない。そうなってもらいたいと願いたくもなる。
トルコに限らず、中東の各所で、『いくらなんでもオバマよりはまし』というトランプ待望論が聞かれるそうだ。
トルコでは、『トランプが就任するまでの間に、未だ何か起きるかもしれない。トルコへのテロ攻撃か? トランプの暗殺か?』などと疑心暗鬼になりながら、固唾を飲んで見守っているという雰囲気さえ感じられる。