メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

女優や俳優にも多いエルドアン嫌い

映画やテレビで活躍する女優や俳優にも、やはりエルドアン嫌いの左派が多い。最近の若手や叩き上げの役者さんはともかく、正規の芸術学部(コンセルバトゥワール)を卒業して、舞台でも活躍しているような“正統派”には、エルドアン嫌いが圧倒的に多いのではないかと思う。

しかし、往年の名女優であり、そのモダンで西欧的な佇まいから、左派・政教分離主義者の間でも、非常に慕われていたヒュリヤ・コチイイト氏は、事ある毎に、エルドアン大統領への強い支持を明らかにして、ファンを悲しませている。昨年には、「いつか、皆がエルドアンに感謝するだろう」と発言して話題になっていた。
これは左派にとって、例えば、日本で吉永小百合さんが、靖国神社に参拝し、「安倍総理を応援する会」に出席するくらい、忌まわしい出来事だったかもしれない。
とはいえ、映画や舞台といった芸術を担う人たちの大半が“左派”であるというのは、なんだかバランスが悪いような気もする。

彼らには、オスマン帝国以来の伝統やイスラムを遠ざけ、ひたすら西欧の価値観を重視する傾向が見られるため、その“芸術”も、西欧の亜流になってしまう危うさがあるように思えてならない。
イランでは、イスラム的な国家の制約を受けている所為かもしれないが、イスラム的、あるいはペルシャ的な伝統を前面に出した映画作品も見られるらしい。世界で、イラン映画の評価が、トルコよりも遥かに高いのは、この辺りに要因がないだろうか?

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