メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

日本人は金持ち?

(12月15日)

月曜日(12月12日)、スルタンアフメットの街は閑散としていたけれど、それでも何度か、客引きから片言の日本語で呼び止められた。

今や、東洋人の旅行者は、中国や韓国の人たちばかりで、日本人は殆ど来ていないのに、まだ客引きの主要言語は、日本語のままなのだろうか?

25年ぐらい前、スルタンアフメットの客引きに、「なんで、欧米人ではなく、日本人を狙うのか?」と訊いたら、「日本人を店に引き入れれば、必ず何か買ってくれるが、アメリカ人は、向こうから勝手に入ってきて、チャイだけ飲んで、何も買わずに出て行ってしまう」なんて言われたことがある。

中国や韓国の人たちも、チャイだけ飲んで、平気で出て行きそうな感じだし、何か買うにしても徹底的に値切ってくるはずだ。そのため、客引きのターゲットにはなっていないような気もする。

この客引きたちも、年々、目に見えて減って来た。もう5~6年、日本人が殆ど来ない今の状態が続いたら、めでたく絶滅してくれるかもしれない。

月曜日、私に声をかけた客引きたちも、『中国人か日本人か解らんが、とりあえず日本語で試してみよう』と近寄って来たのではないかと思う。外ればかりになったら、嫌になって最初から諦めてくれるだろう。

そもそも、トルコの人たちに、中国人と日本人の区別がつくわけじゃない。というか、私も最近は、よく見間違えている。服装などが何処の国でも同じようになってしまったからだ。

月曜日に出くわした中国人の団体も、一瞬、『ひょっとして日本人?』と勘違いしたくらいである。薄い醤油顔と濃いソース顔が適当に混ざっていたため、まず『韓国人ではない』と判断して、それから『日本人?』になってしまった。

濃いソース顔の韓国人は非常に少ない。胸毛の生えている韓国人など見た覚えがない。薄い醤油顔ばかりで、日本人に比べて、顔のバラエティーが余りないような気がする。だから、韓国の人が10人ぐらい集まっていれば、大概分かる。

ソウルで地下鉄の車内を見渡しながら、『均質性の高い民族だなあ』と妙なところに感心したこともある。トルコの人たちから、「我々には色んな顔があって面白い。貴方たちは同じような顔ばかりで飽きてしまわないか?」なんて言われたりするけれど、私ら日本人はそれほどでもない。

さて、これは10年ほど前の話だが、日本の視察団一行とイスタンブールのちょっと高級なレストランに行った時のことである。

トルコ側との食事会では、いつも半分以上残してしまっていたので、「今日は自分たちで注文できるから、食べられる分だけにしよう」と言い、日本的な慎ましい食卓を囲むことになった。

すると、隣のテーブルで豪勢な夕食を楽しんでいたトルコ人女性たちの間から、こんな会話が聞こえて来た。「日本の人たちかしら?」「違うわね。日本人は金持ちなのよ、あの人たち中国人じゃない?」

中国の人たちだったら、隣よりもっと派手な食卓を囲んだに違いない。私は思わず吹き出しそうになってしまった。