メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

布団の長さに合わせて足を延ばせ

トルコ・リラ(TL)が下落し、トルコの経済は厳しい状況を迎えているけれど、「これぐらいが身の丈に合いそうだ」なんて声も聞かれる。
製造業は、リラ安になれば、却って輸出が増えるのではないかという。そもそも、まだ高品質で勝負できるような段階には至っていなかった。
近年、やたらに高級志向を見せていた観光業も、ある程度価格を下げれば、再び客を呼び込めるかもしれない。
スルタンアフメットの辺りには、15~6年前でも、バックパッカーを対象にした安宿がたくさんあった。それが、何処も皆、中級以上のホテルに様変わりしてしまった。また少し安宿が復活しても、悪くないような気もする。
思えば、この5~6年、私の周囲にいる中流の友人たちも、ほいほい海外旅行に出かけていた。あれには、ちょっとバブルっぽいところもあったのではないだろうか。
「布団の長さに合わせて足を延ばせ」という、トルコの諺があるけれど、トルコには見栄っ張りが多いため、気を付けていないと、すぐ足が出てしまうらしい。
さて、一方、ギュレン教団系公務員の排除に関しても、「トルコは、もともと公務員が多すぎて、小さな政府を目指していたから、ちょうど良いじゃないか。もっと減らしても良いくらいだ」などと論じる識者がいる。
警察官や教員などを除けば、確かに、こちらも「布団の長さ」には合っていなかったようだから、「禍を転じて福と為す」が可能な領域であるかもしれない。

merhaba-ajansi.hatenablog.com